(1) これまでの研究の経過
国の特別天然記念物オオサンショウウオは,この40年ほどで急激に減少し平成7年には環境庁より絶滅危惧種に指定された。そこで本校では,平成11年より2年間にわたりEスクエアプロジェクトの研究助成を受けて,保護啓発のための教材開発を行う学習で,研究者,生息地内の住民の方への取材や小学生との環境交流学習の際にはインターネットやテレビ電話などを,教材開発の際にはビデオカメラやデジタルカメラ,コンピュータデジタル編集機等の機器を必要に応じて効果的に利用できる情報活用能力を育てた。さらにインターネットによるネットミーティングを利用して小学生とWeb上での電子絵本協同編集会議室の構築と運用方法も開発することができ,そこで協同製作したオオサンショウウオを保護啓発するための電子絵本を近くの幼稚園児に読み聞かせたり,Webページで保護啓発活動を展開してきた。しかし,幼稚園訪問には時間的,物理的制約があり,Webページでは交流校からの反響がある程度で,保護啓発の拡充に課題が残った。
(2) 本年度のねらい
本年度は,NHKテレビ「インターネット情報局」にプロジェクトの活動をとりあげていただき,番組を視聴する全国の方々に対して,オオサンショウウオの保護啓発をうながし保護啓発の心を拡げることをねらいとする。また,異年齢・異地域間の環境交流学習を設計し,年齢や地域による認識の違いや人と自然との共生の考えや価値観の違いに気づき,自然や社会事象に対する見方,考え方を深めたり,インターネット利用による協同作業が豊かな心を伝え合い,広げ合うことを実感して適切な情報理解を行うことを目的とする。
(3) 実施環境
仮想編集会議室にマイクロソフト社のネットミーティングを導入して,マネージャー(WindowsNTサーバー機)に,アップした原稿のサイトにアクセスしている学校の子供たちどうしがチャット画面で会議を行えたり,電子ボードで図を示しあったり,さらにファイル転送を利用して,マネージャーとエージェント(各学校の端末)間で原稿ファイルの転送,回収を行うことのできる環境を整える。(図2は,仮想編集会議室の概念図を示す。)
マネージャー機:WindowsNTサーバー,CPU(PentiumV800MHz),メモリ(256Mバイト)
エージェント機:CPU(PentiumV733MHz),メモリ(128Mバイト),キャプチャーボード(アルファデータAD-KP302)
ネット環境:1.5Mkbps,10BASE-T
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