(1) ねらい
インターネット等のネットワークを活用した学習のキーワードの一つに「交流」があげられる。交流のよさとして,情報の収集やいろいろな考えにふれたりできること,相手に伝えるために自分の考えをまとめ・整理・発信していくことなどがあげられる。学習の中で交流を行うことにより,児童は主体的に学び,考え,他者の意見を聞きつつ自分の意見を論理的に組み立て,積極的に表現・主張できるようになる。これこそが「生きる力」につながると考え,「交流」を積極的に行っていくべきだと考える。
本実践では,情報通信機器を用いたネットワークを活用し様々な人々との交流の場 (「同学年との交流」「異学年との交流」「大学との交流」「関係機関との交流」)を設定し,様々な手段を用いて,日常的に「交流相手に自分の考えをわかりやすく伝える」という活動を行うことにより,児童の表現力の向上を目指す。
本研究で向上を目指す表現力について次のように整理する。
a) 文字というメディアによる表現(書き言葉)
b) 音声というメディアによる表現(話し言葉)
c) 身振り,表情,動作など身体をメディアとする表現
d) 図表,イラストなど画像をメディアとする表現
これらの表現を次の4つの手段を通して育成していく。
「ホームページの活用」・・・・a),d) 「交流掲示板の活用」・・・・a),d)
「テレビ会議システムの活用」・b),c)「デジタルカメラ・ビデオの活用」・b),c)
(2) 指導目標
様々な相手との交流の場を設定し,相手を意識しながら,様々な手段(ホームページ, 電子掲示板,テレビ会議,ビデオメール等)を用いて伝える場を設定し,日常的に活動 に取り組んでいくことにより児童の表現力の向上を目指す。
(3) 利用場面
(a) ホームページの活用
毎日の学習の様子,栽培している植物(ケナフ,桜島だいこん)の成長の様子を画像と文で伝える。また,インパクサイト「FATEReS」のコンテストへの応募を行うことに より,学習意欲の持続も図っていく。
(b) 掲示板上での交流を通した表現
テレビ会議システムを活用して交流している学校とインターネット上での掲示板を通して交流する。テレビ会議システムで交流している内容と連動しながら活用する。
(c) テレビ会議システムを通しての交流
植物の成長の様子や社会科の学習(私たちの県)等を通して,音声や動作などを含めながら相手に表現する。
(d) デジタルカメラ・ビデオの活用
ホームページやテレビ会議システムを活用して表現する際に同時に用いてよりわかりやすく表現する。また,デジタルカメラ・ビデオの特性を生かしながら活用していく。
(4) 利用環境
(a) 使用機種 PC-98MateNX(コンピュータ室),FMV-6866(教室),NEC9821V13(教室)
(b) 周辺機器 デジタルカメラ ソニーMAVICA(4台) 無線ルータ
テレビ会議システム(NTTフェニックスミニ)
(c) 稼働環境 コンピュータ室40台,教室2台
※ PC-UNIXサーバを利用した校内イントラネット
※ ケーブルテレビによるインターネット接続,ISDN回線を利用した無線ルータの使用
(d) 利用ソフト ハイパーキューブ,インターネットエクスプローラ6,Front Page Express
(5) 実施体制(交流の場の設定)
「同学年の児童との交流」
(熊本県上村小学校,静岡県上島小学校,鹿児島県古仁屋小学校)
・・・植物の成長(桜島だいこん)や社会科等の学習における内容での交流を行う。同じ内容等共通な点が多いことが長所である。
「異学年児童(5年生)との交流」(富山県水橋中部小学校)
・・・植物の成長(本校「ケナフ」,相手校「お米」)について日常的に交流を行う。上学年の立場から,発表を違った視点で見てもらうことができる。
「大学生との交流」(宮崎大学)
・・・児童が知らないことなど,広い視野からの視点で見てもらうことができる。
「関係機関(博物館等)との交流」
・・・専門的な立場から,詳細な情報を教えていただいたり,助言していただける。
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