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4.1.1 校区の概要 | ||||||||||||||||||||||||||||||
花背第二中学校は京都駅より北に約40km,700〜800mの山々に取り囲まれた標高400mの山間地にある京都市最北の市立中学校である。校区には淀川水系の源流域にあたる清流が流れており,オオサンショウウオが多く棲息している。夏にはホタルが乱舞し,四季を通じてカワセミ,ヤマセミが飛ぶ自然豊かな所である。 本校の総合的な学習の時間の取り組みは,平成12年度は学校で大きなテーマを決め,生徒たちは,そのテーマに沿った学習取り組みを個々に行ったが,平成13年度は,学校からの枠を無くし,生徒一人一人が,今,興味関心を持っていることを学習する時間にした。その結果次の4つの学習を行うことになった。 |
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どのような学習のまとめになるか今のところまだ分からないが,失敗を繰り返しながら学習を深めていっている過程を担当の教員が評価することになる。 平成11年度より環境学習の実践において東京学芸大学環境実践施設の支援を受けており,本年度より酸性雨窒素酸化物調査プロジェクト事務局のみなさんに器材提供・情報提提供でお世話になっている。 4.1.6 酸性雨?酸性霧?(立ち枯れ木について花背二中の一考察) 本校からはアクセス出来ないのだが,交流ページの酸性雨被害写真のなかに,立ち枯れ木の写真が多く投稿されているようだが,これらは酸性雨被害ではなく,酸性霧被害ではないかと思われる。なぜそのようなことを思うかというと,通勤途中に立ち枯れの木があるが,山全体が枯れているのではなく,国道沿いの一定高さの範囲で立ち枯れがあり,その高さが,朝霧が立ちこめる高さや,谷の出っ張りで空気の流れがぶつかるところなのである。山の谷間には汚れた空気がたまり,谷を流れる川や沢で水分があるので湿度が高く朝霧が一定の高さで出来る,朝陽があたる,下記の式が出来るわけである。 |
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京都市立学校のインターネットプロバイダーは京都市情報教育センターでファイアーオールを市立学校全体にきつくかけており,各校からはセキリティ付きのホームページやパスワード付きのホームページにはアクセス出来なくなっている。そのためホームページ上のグループ交流が出来ないが,現在のようなコンピュータウイルスや問題の多いホームページが多くあるインターネット社会では,教育現場としては仕方ないことだと考えている。 |
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松山市立南中学校 星川 良紀 身のまわりの環境問題について,生徒に少しでも興味・関心を持たせるためにこの交流活動の企画に参加した。そのことにより,生徒が環境問題についてしっかりと捉え,自分の住んでいる地域について,常に問題意識を持ちながら,積極的に活動できるようなきっかけになればと考えた。 本校では,まず会議の実施の前にオリエンテーションを行った。その中で,役割分担を行ったり,事前に調べておくことや,質問内容,また学校での観測結果の確認などについて話し合わせたりした。その結果,交流活動の中では,学校を詳しく紹介する,調査活動について詳しく意見を述べる,といったテーマごとでグループを作り,分担しようということになり,生徒が使えるコンピュータも複数台準備した。当日は,オリエンテーションの内容を確認させたあと,チャットに参加させた。(参加生徒6名)また3名の教員で,文字の打ち方の指導を行ったり,文章の書き方,意見の述べ方について生徒に吟味させたり,実際に教員がチャットに参加して会議をコーディネートしたりするなどの補助を行った。 4.3.3 実践の記録(チャットで話し合った内容,生徒の感想から) (1)チャットで話し合った内容
○酸性雨/NOx調査について
(2)本校生徒の感想
4.3.4 実践を終えて (2)今後の課題 (3)ワンポイントアドバイス (4)次回のチャットのために
(5)ブロードバンド時代に向けて
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広島大学附属福山中・高等学校 広島大学附属福山中・高等学校(以下当校)では,新学習指導要領に向けて総合的な学習(当校での名称:LIFE)の実践研究に取り組んでいる。中学校2年生で実施しているLIFEII「環境学習」では,生徒が「自然を体験し」,「現在の状況を知り」,「環境のために行動する」という3つの視点を重視している。2001年度も酸性雨を中心とした観測活動を基礎にして,生徒主体的な活動の場としての探究活動に取り組み,環境を生徒の視点でとらえさせ解決方法を考えさせる実践を行った。酸性雨/窒素酸化物(NOx)調査プロジェクトは,この授業の1年間を通しての中心課題として活用している。 <酸性雨の観測> 当校における酸性雨の研究活動も,2001年度で7年目になる。観測は2年生で実施している「環境学習」の授業の一貫として,有志の生徒を募り,観測委員会をつくって行っている。2〜3名のグループが1週間交代で,気象や酸性雨の観測に取り組んでいる。今年度の観測でも生徒は意欲的に観測に取り組んだ。今年度は観測グループが6グループあり,6週間に一度しか観測のチャンスがないため,観測の当番の週が来るのを生徒手帳のカレンダーに赤丸を付けて楽しみに待っている生徒もいた。酸性雨は中学校における学習内容では理科の「気象」単元との関わりが深いので,観測する生徒に気象にも興味関心を持たせようと,百葉箱を使って気温を測ったり,降水量や雲の観測などを毎日の観測として行っている。そうした活動とともに,雨が降った翌日はレインゴーランドのところへ行って雨の観測を行っている。雨は毎日降るわけではないので,確実に酸性雨の観測をするためには,毎日の活動として何か生徒に課題を与えて観測グループを動かすことが必要だと考えている。 |
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<酸性雨に関する科学的な理解のための学習> <酸性雨の身の回りへの影響を考える> |
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<生徒の実験・観察を中心とした課題研究> <窒素酸化物の観測と研究> |
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生徒達は前年度までの生徒がまとめた課題研究の報告レポートを参考にしながら,自分たちの研究の方針を立てている。先輩達の研究を基にさらに高度な目標を定めて研究を進めるグループもある。例えば過去に自動車の排気ガスをペットボトルに入れた水に通してみる実験をおこなったグループがある。ガソリンエンジンではpHは排気ガスの量を増やしていくと,ある値に達すると下がり方が鈍化するが,ディーゼルエンジンではpHが下がり続け,さらに実験を続けるとpH3.8程度まで下がり続けていく。ガソリンエンジンの排気ガスは二酸化炭素が水に飽和した後は他の酸性物質が少ないためpHがあまり下がらないが,ディーゼルエンジンには強い酸性物質が含まれているのではないかと生徒達は考察している。この実験を基に,後の学年のグループが自動車の排気ガスの成分は,どのようなものが含まれているのか,二酸化炭素と硫黄酸化物,窒素酸化物の3つの成分について気体検知管(ガステック)を使って調べた。確かにガソリンエンジンの排気ガスには二酸化炭素は多いが,酸性の強いSOx,NOxは検知できない量です。それに対してディーゼルの排気ガスには,SOx,NOxが含まれており,pHが下がり続けるのはこれらの物質が原因であろうと考察した。 酸性雨/窒素酸化物調査ホームページには電子掲示板が設置され,参加校の情報交換に利用されている。しかし書き込みの件数は少なく活発な利用がされるまでには至っていない。2000年度からはチャットも行われているが,定常的に利用するまでには至っていない。こうした交流の活動は,地域的に離れた子どもたちが共同観測を行って学習を進める上では欠かすことのできない重要な試みだと感じている。 21世紀に向けての中学校新学習指導要領では,生きる力としての「生徒の問題解決能力の育成」に重点が置かれた。中でも今回の改訂の柱とも言える「総合的な学習」では,教科学習で学んだ力を生かして未知の問題を見つけ,解決方法を追求する実践が求められている。問題解決能力とは,知識を得るための手法を訓練するだけのものであってはならないと感じている。 |
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