産業界との協力授業
HOME 掲載情報一覧 産業分野別 学校種別 実施地域  
授業情報
実践事例
神戸市立六甲小学校
実践事例
神戸市立魚崎小学校
教材紹介
   
実施した教育機関・
  生徒数・実施日
  実施した教科・単元  
  主催した教育機関  
  授業概要  
  授業のねらい  
  授業内容  
  授業の成果  
  実施環境  
  使用教材  
  授業協力メンバー  
  授業の感想  
 
実践事例
私たちのくらしと食料生産
食農・食育一環体験学習
実施した教育機関・生徒数・実施日
■神戸市立魚崎小学校
学年 クラス 生徒数 実施日 合計授業時間
第5学年 5クラス 173名 平成15年7月15日、11月14日、27日、28日、12月12日 630分

  ▲ページトップ
実施した教科・単元
■神戸市立魚崎小学校
学年 教科名 単元
第5学年 総合的な学習の時間 私たちのくらしと食料生産

  ▲ページトップ
主催した教育機関
神戸市教育委員会
  ▲ページトップ
授業概要
 小学校5年社会科において、「私たちの生活と食料生産」として米作りを中心に日本の農業の大切さを理解することが学習目標としてあげられている。本授業では、農産物の生産から販売・消費までの一連の流れを学習し、収穫した食料の調理や販売体験を通して、生産事業の大切さを実感した生きた金銭教育を推進していくことを目標とする。
授業は、@栽培学習A育て方学習B調理実習C流通学習(お店探検)D販売体験学習Eまとめ学習のカリキュラムで構成されており、夏休みを挟んで約7ヵ月間を使って一連の学習を行う。
農産物の生産の題材には、トマトを選びその栽培方法を実際の苗を持ち込み、害虫や病気の防除に対しては被害にあった実や葉を実際に手にとって見るなどの体験と、授業に理解と興味を促すようにパワーポイントを使用した授業を行う。
トマトの植え付けから始まる本授業は、体験学習が主体となっており、各授業の最初に座学の授業を通して使用するパワーポイントは、児童自らが行う体験学習内容を写真や動画を使用し、理解しやすさを重視して制作し、一過性の授業にならぬよう授業内容を記述できる参考資料付のプリントも制作して配布。
児童は、苦労をして栽培したトマトを使って調理実習に臨み、トマトの味や利用の仕方を学び、お店へ出向いてトマトなどの野菜がどのように売られているかを探検することで、自分たちが販売体験する際の販売戦略を組み立てることが可能になり、その体験と思考を通じて、食料生産の大切さや、生産、流通、 販売などのたくさんの人々の働きがあって自分たちの食生活が支えられていることに気付かせる内容とする。
金銭教育の推進する上で、販売体験を通じて金銭管理を学び、売り上げ収益金の使途を児童たち自身が考え、一連の学習を振り返った感想文を書くなどしてまとめ学習に望む内容とする。
  ▲ページトップ
授業のねらい
 "食の安全性"や偏食・欠食・個食などの要因から"食育教育"の重要性が謳われる現状に対し、「いのち」を育む産業である農業体験を通じて、「生きる力」を育む教育を実践することが、「総合的な学習の時間」の目的でもあると認識し、「食」と「農」を通じ、 くらしの中で食料がどのように生産され、流通し、販売されて自分たちの食卓に届いているかを身近な題材を通して一環して体験することで、そこで働く人々の仕事の内容や工夫なども知り、日々のくらしの中での営みを経験し、 自分たちの食生活が様々な働く人の協力で支えられていることに気付かせる内容とし、販売体験を通じて生きた金銭教育をも推進することで、自ら学び、考え、学習するカリキュラムとして本授業を実施。

  ▲ページトップ
授業内容
実施単位 テーマ
1時限目 オリエンテーションと学習園でのトマトの植え付け体験

実施場所 神戸市立魚崎小学校多目的ホール&学校内学習園
実施時間 45分(1回)
講師・トマト生産農家代表
 井上誠治
・JA兵庫六甲神戸西営農総合センター
 松井紀之
・学びのネットワーク
 谷前良治(元JA職員)
使用教材 ・Microsoft(R)PowerPoint(R)、スライドショー
・プリント、学習用作戦シート(A3版)

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
 ・本学習のきっかけとなった校長先生の岐阜のトマト栽培の取材ビデオを視聴した後、15分程度を使ってスライドショーと配布プリントを下に、今回の授業全体の流れを説明。
  その後、学習園に設営した栽培用ビニルハウスでトマトの苗を、生産農家やJAの指導の下、クラス毎に植え付け体験を実施。

■内容
 ・本学習のきっかけとなった校長先生の岐阜のトマト栽培の取材ビデオを視聴(10分)   (岐阜の高地で栽培されている高原トマトの栽培農家を訪れ、トマトの苗を頂き、神戸のトマトとの違いを栽培を通して観察してみようと児童に呼びかける)
 ・「学習用作戦シート」を配り、今回の授業計画の流れを、スライドショーを用いながら児童に説明する。
 
@栽培学習(7月〜12月上旬まで)
JA兵庫六甲と神戸のトマト生産農家の井上さんから苗を分けて頂き、学習園に設営した"雨除けビニルハウス"でトマトを栽培する話を説明。  雨除けハウスの設営状況やなぜ必要かを説明。(雨に濡れすぎるとトマトは割れてしまうので水の管理が大切なことなど)
JA兵庫六甲の育苗センターで、児童が植え付けする苗を育てている様子を紹介。上手な苗の植え方の説明。
 
A育て方交流学習(7月中旬〜12月上旬)
学習園の生育のようすを観察しながら、育て方をインターネットや図書館の本などを使って調べたりする学習であることを説明。
生産農家やJAの方に実際に学習園に視察に来て頂き、自分たちが育てていく上で、聞きたいことなどを質問したり、防除の仕方などを聞き、学習園の管理で自分たちが実践してみる学習であることを説明。
 
B調理実習(11月ごろ)
児童が育てるトマトは、上手に栽培が出来れば9月末ぐらいから最初の収穫ができるようになることを説明。  収穫したトマトを使って、プロの調理の方を招いて、トマトを使った料理を作ってようと呼びかけ、それまでに学習を通して、自分たちでトマトの持つ栄養パワーなども調べ、自分たちの発育にどのように役立つ食物であることかなども知っておきましょうと説明。
 
Cお店探検と販売体験(12月ごろ)
自分たちが収穫したトマトを学校バザーで販売してみようと呼びかけ、そのためにまちのお店ではどのような売り方の工夫をして野菜を売っているのか、どのくらいの値段で売っているのか、 また、野菜を買っているお客さんはどのような基準で野菜を選んで買っているのだろうか、どんな料理に使う為に買っていくのか、などを販売体験の作戦に生かせるようにしらべようと説明。
 
Dまとめ学習(1月ごろ)
学習のまとめとして、学習を通じて気付いたことや感じたことなどをまとめて発表してみようと呼びかけ、バザーで売り上げたお金の使い道などもみんなで話し合って考えてみようと説明。
  • 多目的ホールのオリエンテーション終了後学習園にて各クラス毎に約50本の苗を、生産農家やJAさんの指導の下、植え付けを実施した。

 オリエンテーションの様子
オリエンテーションの様子

オリエンテーションの様子
オリエンテーションの様子

 児童が植え付けする栽培用の雨除けビニールハウス
児童が植え付けする栽培用の雨除けビニールハウス

生産農家の方に植え付けの仕方を教えてもらう児童たち
生産農家の方に植え付けの仕方を教えてもらう児童たち

児童による植え付け開始!
児童による植え付け開始!

 植え付けをする児童たち
植え付けをする児童たち

植え付け完了したトマトの苗
植え付け完了したトマトの苗



実施単位 テーマ
2時限目 トマトの育て方の注意点を学ぼう!


実施場所 神戸市立魚崎小学校多目的ホール&校内学習園
実施時間 45分(1回)
講師・トマト生産農家代表
 井上誠治
・JA兵庫六甲神戸西営農総合センター
 松井紀之
・学びのネットワーク
 谷前良治(元JA職員)
使用教材 ・Microsoft(R)PowerPoint(R)、スライドショー
・プリント、学習用作戦シート(A3版)

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
  ・前半の25分程度を使用して、児童が各班に分かれてトマトに関して調べたことを発表。残りの時間を活用してスライドショーを使用した防除に関する話を、実際に病気や害虫に犯されたトマトを持ち込み、授業を行った。

■内容
 ・授業の前半は、児童が9月、10月の各クラスでの授業を通じてトマトのことに関して調べた内容を、各クラスを代表して一班ずつが発表。

 <主な発表>
 ・トマトを育てる上で大事なポイントの発表。(土づくりの重要性、連作障害の話など)

 ・トマトが育ちやすい気候の発表。(アンデス山地の高原地帯が原産のトマトは温暖な気候と日当たりを好む野菜。)

 ・トマトの生産高が多い都道府県の発表。

 ・トマトの仲間たちやトマトの種類の発表。(果菜類、ナス科)

 ・授業の後半を使って、今回学習園が夏休みから9月の高温時期に、害虫にたくさん犯されて壊滅状態になったことを受けて、どんな害虫に犯されていたのかをスライドと、   実際に生産農家の方に、病気や害虫に犯された実や葉を持ち込んで頂き、実際に児童が手にとって見ることでより効果的な学習を実施。

 ・また、補助教材として、みんなが発表した内容や授業でわかったことを記入できるプリントを配布し、プリントには、代表的な害虫や病気の写真と説明を掲載した。

 児童による発表の様子
児童による発表の様子

児童による発表の様子
児童による発表の様子

 病気に犯された実際のトマトの葉を手にとって見る児童たち
病気に犯された実際のトマトの葉を手にとって見る児童たち



実施単位 テーマ
3時限目 「トマト」を使った料理をつくって見よう!


実施場所 神戸市立魚崎小学校家庭科
実施時間 90分(5回)
講師・フード計画株式会社
 代表取締役 土井敏久
          松谷友子
使用教材 ・プリント、レシピ

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
  ・クラス毎に、トマトを使った料理を、プロの料理家に習い、作った料理を試食。(保護者参加38名)

■内容
  ・自分たちが栽培していたトマト(実際は害虫や病気に犯された為、JAにお願いして生産農家のトマトを分けて頂いた)を使用して、トマトの味や料理の方法を知ること で食への関心を高め(食育教育)、12月に実施する販売体験の際にも役立つことを期待した調理実習と試食会を実施した。

 <調理レシピ>
 「トマトで作るミートソース」
 ・トマトを加工してミートソースを作り、スパゲティーやピッツア・トーストなどに利用できる加工品を調理した。
 ・児童の試食用には、トマトのミートソースを活用したスパゲティーを作って試食した。

 材料(4人分)
 完熟トマト・・・・250g
 牛ひき肉・・・・250g
 玉ねぎ・・・・250g
 ニンニク・・・・10g
 オリーブ油 大さじ1杯
 バター・・・・25g
 小麦粉・・・・大さじ1.5杯
 赤ワイン・・・・大さじ2杯
 スープ・・・・400cc
 ローリエ・・・・1枚
 ナツメグ、オレガノ・・・・少々
 塩、コショウ・・・・少々
 トマトケチャップ・・・・少々

 料理を指導してくてる土井先生と松谷先生
料理を指導してくてる土井先生と松谷先生

玉ねぎのみじん切りに兆戦している児童たち
玉ねぎのみじん切りに兆戦している児童たち

 「トマトで作るミートソース」

いただきまぁ〜す
いただきまぁ〜す



実施単位 テーマ
4時限目 本当のお金を扱って「冬野菜」の販売体験をやってみよう!


実施場所 神戸市立魚崎小学校校内
実施時間 90分(1回)
講師なし
使用教材 なし

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
 ・販売店舗の設営や販売準備に45分間。販売体験に45分間の2コマ使用し、保護者や校区内の方々にチラシを事前に配布したり、呼び込みを行い、児童自らが値づけや店ごとの特徴となるサービスを色々なお店をたんけんして調査やインタビューを行い、販売作戦を立てて販売を実施。

■内容
 ・ 一環体験学習の最終章となるもっとも児童が期待し、自らの知恵を振り絞って望んだ体験授業。

 ・去年の夏の異常気象が原因で、生産農家自体では販売体験にまわせるトマトの量の確保が困難となり、学校と相談の上、JAにお願いし、「こうべ旬菜」を中心に冬野菜を調達し、販売体験に使用することとした。

 <販売品目>
  トマト(水耕栽培)・・・・750個
  キャベツ・・・・304個(32ケース)
  ブロッコリー・・・・160個(8ケース)
  玉ねぎ・・・・約300個(9ケース)

 ・各店舗の販売作戦を立てるために児童に「お店たんけんノート」を配布し、近隣のお店へ出向き、野菜の販売コーナーへ 行って販売の仕方(陳列方法、POP内容)や価格帯、またお店の人やお客様にお願いしてインタビューにも答えて頂き、  どうのように工夫すれば自分たちの野菜が適正な価格で完売できるかを真剣に考え合い販売に望みました。
  例:くじ引きつき、レシピつき、タイムセールス、事前予約販売など

 ・生きた金銭教育の場として、有益な本物のお金を使ったお店の運営体験を実施。

 お店の開店準備
お店の開店準備

商魂逞しく行商部隊も登場!
商魂逞しく行商部隊も登場!

 お釣り計算は大変です。
お釣り計算は大変です。

 安心・安全な私たちの野菜を買ってくださ〜い!
安心・安全な私たちの野菜を買ってくださ〜い!



  ▲ページトップ

授業の成果
本授業を通して、やはり児童が印象に残ったことは調理実習と販売体験などの体験学習であった。調理実習を通して、トマトなどの食料が生き物であるという考えが、私たちの食生活を支える大事な農業生産物が「いのち」を育む生産業であると、「おいしく、楽しく食べる」ことを通じて結果的に認識でき、理解出来たと思われる。
栽培学習過程においては、常日頃何らかの形で学習園を使って何かを栽培している為、「水さえ誰かがやっておけば勝手に育つ」という認識している児童も多く、植え付け体験や収穫体験そのものの行為は楽しいのだが、その過程の育て方を通じて、生長過程を観察し、おいしいトマトを作る為 にはどのような工夫をすればよいのかなど、生産農家の方々が安全・安心でおいしいトマトを市場に供給するために大変な苦労をされていることなどへの認識を持たせるには至らず、どのような思いで生き物である食料を生産者が丹精込めて栽培しているかということに関しては、伝えにくい面も正直あったと思われる。
多目的ホールでの授業においては、パワーポイントやプリントを使うことで、視覚的に感じ、また本物の苗や実際に病気や害虫の被害にあった実や葉を手にとって見ることで興味を喚起し、何かをつかむ効果はあったと思われる。
体験学習の最後に販売体験を実施したことがこの授業を成功に導く重要な要素であり、この販売体験への児童による準備学習(お店探検含む)に、今回のすべての学習のポイントが児童の思考の中に現れ、この学習において「食生活を支える農業生産物の重要性」、「自分たちの食卓に食料が並ぶまでにたくさんの人々が生産・流通・販売と協力し合って様々な仕事で携わっている事実の認識」、 「安全・安心でおいしい食料を食卓へ届けるために、生産・流通・販売の過程で様々な工夫がされている事実の認識」などを、児童がお客さん(保護者や近隣住民)に"販売準備"という行為を通じて色々なことを調べ、工夫を凝らしていく過程で認識することができたと思われる。
また、この販売体験がここまで児童に興味を与える要因となった一つには、「本物のお金を扱って自分たちで稼ぐ」という生きた金銭教育が教育委員会のご理解の下、実践できたことが上げられる。 全体的において、個別カリキュラム毎の実施授業におけるその都度の成果としては、まだまだカリキュラム内容を精査し、より良いものに改訂していく必要が多いにあるが、本授業の目的に掲げている「農産物の生産・販売体験を通じて、生産事業の大切さを実感し、生きた金銭教育を推進」を達成はできたといえよう。

  ▲ページトップ

実施環境
実施場所 神戸市立魚崎小学校 多目的ホール、家庭科調理室、学習園、5年生教室、廊下、アリーナ
使用した機器 ノートPC、プロジェクター、ビデオデッキ、スクリーン
その他 ・トマトの苗(岐阜の高原トマト、神戸の桃太郎トマト)、土造り用の肥料、追肥用の肥料、実際に被害にあったトマトの果実や葉、茎など
・こうべ旬菜の下敷き(全員に配布)・調理実習用食材

  ▲ページトップ
使用教材
教材タイトル 「校長先生からのビデオレター」
教材仕様 VHSビデオテープ(10分)
教材概要 中島校長と河内教諭が岐阜の高原トマト生産農家を訪れて、岐阜のトマト栽培の様子を聞き、神戸との気候や環境の違いを発見し、岐阜のトマトの苗を頂いて、「学校の学習園で、岐阜のトマトと神戸のトマトを栽培して、その違いを学習してみてはどうだろう」と児童に提案する本授業のきっかけ作りとなるビデオレター。

教材タイトル 「学習用作戦シート」
教材仕様 Microsoft(R)PowerPoint(R)形式でプリントを作成(A3カラー判)
教材概要 授業全体の流れ(@栽培学習、A育て方学習、B調理実習、Cお店たんけん学習、D販売学習、Eまとめ学習)を児童に認識させ、児童 自らが各学習の中で、授業を通して調べたいことや実行してみたいなどの課題やテーマを見つけ、何もかもが用意されたカリキュラム ではなく自分たちが主体となって学びを発見できる授業を進める為に各自に「学習用作戦シート」として配布。

教材タイトル トマトづくりを通して、自分たちで考えて問題を解決しながら授業をつくってみよう
教材仕様 Microsoft(R)PowerPoint(R)形式ファイルドキュメント (13画面)
教材概要 トマトの栽培体験から調理実習・お店探検・販売体験を通じ、生き物である食品を大切に!おいしく食べて元気に!それは自分の生命を大切にすることであり、 自分たちが暮らしている中で様々な人の手によってそれが実現している食生活を通じた社会のライフサイクルを最終的には理解できるように学習全体 の流れを理解させ自ら課題を考えるために「学習内容のイメージ写真」や、栽培のためにトマトの種から苗に育てて植え付けの準備をしてくださっている生産農家やJAの「育苗の様子の写真」などを使用して説明。

教材タイトル トマトの生育状況(学習園のトマトの様子)
教材仕様 Microsoft(R)PowerPoint(R)形式 ファイルドキュメント(20画面)
教材概要 学習園のハウスのトマトの生育状況を、写真を使用して説明。夏休み前に児童が植え付けしたトマトの夏休み中の生育状況を「植え付け体験学習」も振り返りながら、教師による個別授業として「観察学習」を実施して頂くために作成。 特に、夏休みの終わり頃から異常気象によりトマトに病気や害虫が出始め、二学期が始まってからの栽培学習に対し、注意を促し、インターネットや図書館の本を使って、病気や害虫の事を児童が調べ学習し、トマトの生長に注意が行くように考えて作成。

教材タイトル トマトの育て方の注意点を学ぼう!
教材仕様 Microsoft(R)PowerPoint(R)形式でプリントを作成(A4カラー判)
教材概要 トマトの育て方を学習する準備過程で、みんなが調べたことやこの授業を通して気付いたことを記入して残しておける学習プリント。 特にトマトを育てる過程で重要となる防除について、代表的な害虫や病気を写真を挿入して掲載し、具体的に分かりやすく説明。

教材タイトル トマトの育て方の注意点を学ぼう!
教材仕様 Microsoft(R)PowerPoint(R)形式 ファイルドキュメント(15画面)
教材概要 トマトを育てる過程で、重要となる防除の仕方を伝える上で、代表的な害虫や病気をスライドショーで見せながら、また実際に害虫や病気に犯されたトマトの実や葉を持ち込み、実物も手にとって見ることで写真だけげは理解しにくい部分を補完して説明。
また、病害虫に犯されて収穫が期待できないトマトに対して、この後の授業の進め方を説明。(トマト以外の野菜も使って販売体験してみる)

教材タイトル 収穫したトマトのおいしい食べ方をプロに学ぼう!
教材仕様 Microsoft(R)PowerPoint(R)形式でプリントを作成(A4カラー判)
教材概要 食生活の重要性を、解りやすく伝えるために「料理は材料を理解すること」とおいしく楽しく頂くために作る相手のことを考えて調理することが大事な事などを土井先生から講演して頂き、 このレシピを使って、トマトを加工して「トマトを使ったミートソース」を作り、利用例の一つとして「ミートソーススパゲティー」を調理するために使用。

教材タイトル 「お店たんけんノート」
教材仕様 Microsoft(R)Word(R)形式でお店たんけんノートを作成(A4判6頁)
教材概要 販売体験時の販売作戦立案のネタ帳に活用できる「お店探検ノート」児童たちが近隣のスーパーやお店に出向き、それぞれの野菜売り場ではどのような工夫がなされているか、どのような価格帯で売られているかなどを調べ、 また、お店の人やお客様にもインタビューなどを実施して記入できるようにした調べ学習用ノートになっており、探検の結果を受けて作戦立案のために提案や感想を書けるページも挿入した学習ノートとして配布。

  ▲ページトップ
授業協力メンバー
所 属 氏 名 授業での説明
生産農家 井上 誠治
講師 食農分野担当
JA兵庫六甲神戸西営農総合センター 松井 紀之
講師 食農分野担当
NPO学びのネットワーク 谷前 良治
講師 食農分野担当
フード計画株式会社 土井 敏久
講師 食農分野担当
フード計画株式会社 松谷 友子 講師 食農分野担当

  ▲ページトップ
授業の感想
■授業実施者
(産業界講師)
    実際の農業現場における野菜栽培の姿。 栽培上の問題点と農家の対応などを解りやすく伝えたかったが、生育の過程での生産農家の圃場での体験活動が出来なかった事が残念。

■授業実施者
(学びの)
    栽培学習において当初計画していた神戸の生産トマト以外のトマト(岐阜の高原トマト)も育ててその違いも観察してみる予定であったが、夏の異常気象で学習園ビニルハウスの栽培トマトが害虫や病気などで壊滅的な打撃を受けてしまいました。 元JA職員やJAの方にも協力頂き、施肥や駆除を行い手立てを施しましたが、9月末頃から収穫可能であるトマトは、11月上旬までほとんどまともなトマトが収穫できずに、児童や先生方のモチベーションを維持できなかったことが悔やまれます。 また、今回は大きな学校行事が重なる年度(プレ近畿社会科研究大会主催校)に授業計画が重なり、学校側との詳細な事前打合せが充分にできなかった問題が、すべて後手後手の対応になった原因と考えます。 魚崎小学校は、神戸市内でも一、二を争う児童数の多い学校であり、5クラスの時間割り調整を行い、各クラスの授業を解体し、合同授業を実施するのは本授業以外の通常授業に対し、担当教諭の方々にかなりの負荷を与える要因となり、また、児童との授業を通じたコミュニケーションをより良き物に構築していく為にも今後は極力個別クラス毎に実施する授業形態が望ましいと思われます。 さらに、苗の植え付け時期など、日程に成約がある本授業では事前の一番大事なオリエンテーションが今回中途半端になり、児童に充分な個別学習テーマを見つけ出す時間が与えられずに授業が走り出し、重要な栽培過程における様々な個別調べ学習にインセンティブを与えれなかったと反省しております。

■担任の先生
  • はじめの目標であった計画が二転三転したので、子どもたちの思考がつながりにくかったように思います。
  • 専門性のある授業は、子どもたちにとって教育的価値があると思う。

■児 童
  • 今度からきちんとトマトの世話をし、校長先生ばかりにたよらない。
  • トマトの病気を「どこがどう多いか」とか「伝染している」とかわかるようになった。
  • トマトの中に虫が入らないように工夫をさがしたりした。

■教育関係の立場から(校長先生)
    保護者も参加頂いたが、技術面でいえばこれらの対応が大切だと思う。 共に参加するということに価値がある。学校とは異なった人材と教材が準備でき、一流の技術を備えた方が対応して頂けるから有意義と考える。

■授業情報提供者
  1. 授業は楽しかったか?  調理(91%)、販売(82%)と体験授業においては多くが「楽しい」と答えたが、スライドでの授業や児童に自らが"調べ学習"した成果を発表した授業となった「育て方学習」においては74%とやや低い数値となった。
  1. 授業の分かりやすさ  予想通り調理は90%と高い数値となったが、販売においては、授業実施時は楽しそうに販売していたが、データは67%と低くなった。トマトに加え"こうべ旬菜"であるキャベツ、ブロッコリー、玉ねぎと数種類の野菜を販売体験することにしたが、 実施日が平日と言うこともあり、保護者や近隣住民の参加数も土日に開催するバザーとは異なり集客が難しく、また値決めや販売戦略などの事前準備に割く時間があまり持てずに実施したこともあり、意外と難しかったのかも知れない。
  1. 質問や発表が出来たか  全般的に60%前後が「しなかった」と答えており、産業界を交えての授業の前に準備する事前学習での"質問シート"の作成や、事前の調べ学習による"発表"などのクラス毎の個別授業が実施できなかったことが、 産業界を交えての授業時に双方向の授業が実施できなかった要因であると考える。
  1. 授業をもう一度受けたいか  「授業の分かりやすさ」の数値と同じ傾向が出て、調理は87%と高く、育て方、販売は60%と低かった。やはり要因は、自らが主体的に参加している授業と、受身で行っている授業の差が数値となって表れていると考える。
  1. 産業への理解と興味  調理においては、「理解した」(79%)、「興味あり」(65%)、「興味なし」(35%)と実生活に身近な"食"を扱う授業であるため理解もあり、興味も「なし」を上まわった。 農業生産においては、「理解した」(65%)、「興味あり」(32%)、「興味なし」(60%)と、植え付け〜収穫を体験した結果65%とまずまずの値であったが、興味においては、興味なしが上まわった。 この要因においては、"生き物である食物を育てる"というモチベーション形成の難しさがあり、一般的に小学校の児童において植物などは、"水"を与えておけば育つという安易な考えを持っている児童が多く、 しかもだれかが世話をしてくれるだろうという他人まかせの児童が多いという現状を考えれば納得できる数値ではある。 今回は、一株にたくさんの果実をつけるトマトということもあり、また花壇のスペースの問題もあり、児童一人に一株の苗を与えるのではなく、グループに一株という形式で50株を栽培させたが、 やはり一人一株として、自分のトマトは自分で管理する体制を取らせて、興味がむくようにすべきだったのかも知れない。
     授業の分かりやすさは、すべて80%以上とたかく、魚崎の経験が貢献したと解釈してよいと考える。
  1. 教材のわかりやすさ
     調理83%、育て方64%、販売62%と、授業の分かりやすさと同様の数値の傾向となったが、販売体験に関しては教材提供等もなく、やはり授業の分かりやすさという認識と解釈してよいと考える。


  ▲ページトップ

授業情報 実践事例
神戸市立六甲小学校
実践事例
神戸市立魚崎小学校
教材紹介

All Rights Copyrights(C) Center for Education Computing.