■授業実施者
(産業界講師) |
実際の農業現場における野菜栽培の姿。 栽培上の問題点と農家の対応などを解りやすく伝えたかったが、生育の過程での生産農家の圃場での体験活動が出来なかった事が残念。
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■授業実施者
(学びの) |
栽培学習において当初計画していた神戸の生産トマト以外のトマト(岐阜の高原トマト)も育ててその違いも観察してみる予定であったが、夏の異常気象で学習園ビニルハウスの栽培トマトが害虫や病気などで壊滅的な打撃を受けてしまいました。
元JA職員やJAの方にも協力頂き、施肥や駆除を行い手立てを施しましたが、9月末頃から収穫可能であるトマトは、11月上旬までほとんどまともなトマトが収穫できずに、児童や先生方のモチベーションを維持できなかったことが悔やまれます。
また、今回は大きな学校行事が重なる年度(プレ近畿社会科研究大会主催校)に授業計画が重なり、学校側との詳細な事前打合せが充分にできなかった問題が、すべて後手後手の対応になった原因と考えます。
魚崎小学校は、神戸市内でも一、二を争う児童数の多い学校であり、5クラスの時間割り調整を行い、各クラスの授業を解体し、合同授業を実施するのは本授業以外の通常授業に対し、担当教諭の方々にかなりの負荷を与える要因となり、また、児童との授業を通じたコミュニケーションをより良き物に構築していく為にも今後は極力個別クラス毎に実施する授業形態が望ましいと思われます。
さらに、苗の植え付け時期など、日程に成約がある本授業では事前の一番大事なオリエンテーションが今回中途半端になり、児童に充分な個別学習テーマを見つけ出す時間が与えられずに授業が走り出し、重要な栽培過程における様々な個別調べ学習にインセンティブを与えれなかったと反省しております。
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■担任の先生 |
- はじめの目標であった計画が二転三転したので、子どもたちの思考がつながりにくかったように思います。
- 専門性のある授業は、子どもたちにとって教育的価値があると思う。
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■児 童 |
- 今度からきちんとトマトの世話をし、校長先生ばかりにたよらない。
- トマトの病気を「どこがどう多いか」とか「伝染している」とかわかるようになった。
- トマトの中に虫が入らないように工夫をさがしたりした。
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■教育関係の立場から(校長先生) |
保護者も参加頂いたが、技術面でいえばこれらの対応が大切だと思う。 共に参加するということに価値がある。学校とは異なった人材と教材が準備でき、一流の技術を備えた方が対応して頂けるから有意義と考える。
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■授業情報提供者 |
- 授業は楽しかったか?
調理(91%)、販売(82%)と体験授業においては多くが「楽しい」と答えたが、スライドでの授業や児童に自らが"調べ学習"した成果を発表した授業となった「育て方学習」においては74%とやや低い数値となった。
- 授業の分かりやすさ
予想通り調理は90%と高い数値となったが、販売においては、授業実施時は楽しそうに販売していたが、データは67%と低くなった。トマトに加え"こうべ旬菜"であるキャベツ、ブロッコリー、玉ねぎと数種類の野菜を販売体験することにしたが、
実施日が平日と言うこともあり、保護者や近隣住民の参加数も土日に開催するバザーとは異なり集客が難しく、また値決めや販売戦略などの事前準備に割く時間があまり持てずに実施したこともあり、意外と難しかったのかも知れない。
- 質問や発表が出来たか
全般的に60%前後が「しなかった」と答えており、産業界を交えての授業の前に準備する事前学習での"質問シート"の作成や、事前の調べ学習による"発表"などのクラス毎の個別授業が実施できなかったことが、
産業界を交えての授業時に双方向の授業が実施できなかった要因であると考える。
- 授業をもう一度受けたいか
「授業の分かりやすさ」の数値と同じ傾向が出て、調理は87%と高く、育て方、販売は60%と低かった。やはり要因は、自らが主体的に参加している授業と、受身で行っている授業の差が数値となって表れていると考える。
- 産業への理解と興味
調理においては、「理解した」(79%)、「興味あり」(65%)、「興味なし」(35%)と実生活に身近な"食"を扱う授業であるため理解もあり、興味も「なし」を上まわった。
農業生産においては、「理解した」(65%)、「興味あり」(32%)、「興味なし」(60%)と、植え付け〜収穫を体験した結果65%とまずまずの値であったが、興味においては、興味なしが上まわった。
この要因においては、"生き物である食物を育てる"というモチベーション形成の難しさがあり、一般的に小学校の児童において植物などは、"水"を与えておけば育つという安易な考えを持っている児童が多く、
しかもだれかが世話をしてくれるだろうという他人まかせの児童が多いという現状を考えれば納得できる数値ではある。
今回は、一株にたくさんの果実をつけるトマトということもあり、また花壇のスペースの問題もあり、児童一人に一株の苗を与えるのではなく、グループに一株という形式で50株を栽培させたが、
やはり一人一株として、自分のトマトは自分で管理する体制を取らせて、興味がむくようにすべきだったのかも知れない。
授業の分かりやすさは、すべて80%以上とたかく、魚崎の経験が貢献したと解釈してよいと考える。
- 教材のわかりやすさ
調理83%、育て方64%、販売62%と、授業の分かりやすさと同様の数値の傾向となったが、販売体験に関しては教材提供等もなく、やはり授業の分かりやすさという認識と解釈してよいと考える。
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