E-Square ProjectEスクエア・プロジェクトホームページへ 平成13年度 成果報告書
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ア・ラ・カルト方式による学社協働「こめのくに」

6. 教育実践活動の事例
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6.1 事例(1)

 出前講座「ペーパークラフトで新田開発を学ぼう」 新潟県立歴史博物館,新潟県西蒲原郡西川町立升潟小学校

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6.1.1 新潟県立歴史博物館出前講座
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6.1.2 教育実践活動の概要

(1)教育実践活動名
 「ペーパークラフトで新田開発を学ぼう」〜西蒲原三潟水抜き工事〜

(2)関係教科名
 社会科

(3)活動内容の概要
 本出前講座は,地域社会にかかわる学習において専門家を招へいし,その展開を計画する新潟県西蒲原郡西川町立升潟小学校と館内で実施の講座内容を用い学校教育現場への出前講座の展開により博物館の今後のあり方を模索する新潟県立歴史博物館の双方の目的が合致している点に着目し,「こめのくに」プロジェクトにおける学社協働の教育実践活動事例として実施するものである。
 その内容は,博物館研究員を講師として招き,十返舎一九も見学に訪れ記したほどの工事であった新潟県西蒲原三潟水抜き工事を段階別立体模型3種類8枚組のペーパークラフトで製作し,あわせて,三潟水抜き工事の結果できあがった新川および形態は変わったものの現存する新川・西川立体交差を見学し現地説明もまじえて,工事や新田開発の理解を深める出前授業である。

(4)教育効果・成果等

  • 三潟水抜き工事という校区地域にかかわる題材であり,社会科副読本でも扱われている学習内容であることとペーパークラフト製作前に現地(新川・西川立体交差)を実地見学し,専門家の解説や説明を受けることにより,具体的・専門的な理解促進が期待できる。
  • 従来の印刷資料や口頭による学習方法からペーパークラフトという物づくりを通しつつ,その製作過程で専門家の解説や説明をまじえる学習方法で立体的な理解促進が期待できる。
  • 使用するペーパークラフトは,教職経験者が学習の視点にたって製作したものをもとに新潟県立歴史博物館が自主開発したものであるから,作るという視点を持った新しい学校教育用教材として期待できる。
  • 社会施設および文化施設,専門機関によるテーマ設定のもとに実施されがちなこの種の活動が多いが,本事例では,学校現場の学習内容に即した形で,それらの機関が持ち合わせる講座内容を用いスムーズに学習支援できる。
  • 学校と地域社会において,個々の目的や方向性を同じくするものの情報不足により結びつきにくい現状にあるが,学社協働プロジェクトあるいは情報センター形式を介しての共同企画およびコーディネイトを行い,その実践活動を実施することの先見性や優位性の実証を行う。
  • 実践活動実施後において,その過程をインターネットにより実践情報としてWeb化し,当日のもようを配信することにより,新田開発単元および地域発見型学習の教材として,同種の地域教材を扱う新潟県内の学校はもとより全国で利用できるようにする。

(5)対象学年・人数
 5年生,28名。

(6)実施期間
 平成13年11月20日(火) 午前 8時30分〜11時20分

(7)利用施設・設備・メディア等
 見学用バス,電子メール,拡声器,ビデオカメラ,ビデオデッキ,デジタルスチールカメラ,Web作成ソフト,パソコン,ビデオエンコードソフト,接着剤等ほか。

(8)協働機関・協力者等
 新潟県立歴史博物館 交流普及課・学芸課
 新潟県西蒲原郡西川町立升潟小学校
 新潟市総合教育センター コンピュータ教育部
 学社協働プロジェクト「こめのくに」 プロジェクト実行委員会

(9)スケジュール
 
8月 プロジェクト実行委員会で新潟県立歴史博物館の趣旨説明と協議。
    実践校の調査を行い候補校へ打診のうえ,升潟小学校に決定。
9月 新潟県立歴史博物館とプロジェクト事務局打ち合わせ。
    升潟小学校とプロジェクト事務局打ち合わせ。
    三者間で電子メールによるスケジュール調整。
10月 派遣申請書類等文書事務処理。
     見学用バス予約。
11月 出前授業の実施。
12月 取材結果の整理と加工,Web作成。
     次年度指導計画案作成。
1月 Webの公開。
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6.1.3 教育実践活動報告(活動の記録・経過等)

 デジタルビデオカメラ,デジタルスチールカメラにより見学およびペーパークラフト製作の全過程を記録した。記録の結果は,資料に添付。

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6.1.4 教育実践活動の実施体制

 新潟県立歴史博物館 交流普及課・学芸課
   交流普及課主任研究員 市村清貴・山本哲也
   学芸課主任研究員    浅井勝利・小日向一枝

 新潟県西蒲原郡西川町立升潟小学校
   校長 菊地敏明
   担任 児玉仁

 新潟市総合教育センター コンピュータ教育部
   指導主事 横田誠

 学社協働プロジェクト「こめのくに」 プロジェクト実行委員会
   事務局 内山渉

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6.1.5 指導計画および指導案

 5年生社会科の発展学習として位置付けて実施したが,今後は,4年生社会科単元「昔のくらしとまちづくり」の地域教材として従来の大河津分水に加えて組み込める(枠線部分)ので,その指導計画案を示す。なお,拡大した指導計画案を資料に添付してある。

指導計画案

 また,副読本「わたしたちの西川町」に記載の関連内容を次に示す。

副読本「わたしたちの西川町」に記載の関連内容
「わたしたちの西川町」(西川町教育委員会発行)より

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6.1.6 教育実践活動の準備作業

(1) 小学校の授業時数と授業予定および新潟県立歴史博物館研究員のスケジュールを調査して実施日を決定する。
(2) 見学,ペーパークラフト製作の資料作りとビデオ教材の準備。(新潟県立歴史博物館)
(3) 見学,ペーパークラフト製作時の事前の班分け。
(4) ペーパークラフト製作時の接着剤等物品調査と調達。
(5) 実施教室の確保と机の配置。
(6) 記録用撮影機器・機材の確保と設置,要員確保。
(7) 見学用バスの予約,手配と見学地の下見。
(8) 授業進行表の作成。

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6.1.7 教育実践活動における留意点,課題の抽出

 現地見学および専門家による現地説明,ペーパークラフト製作時の説明を考慮すると同学年に複数の学級を持つような大規模校では,説明員数等の問題で実施が難しいが,そのような多人数で学習をする場合には,Web化してある成果のビデオ配信を活用した授業を計画できる。

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6.1.8 教育実践活動の対外的な公開,普及方法

 この授業の記録は,Web「ペーパークラフトで新田開発を学ぼう 〜西蒲原三潟水抜き工事〜」(資料に添付してある)として公開されている。このWeb教材は,前項および教育効果・成果の項でも述べている通り,新潟県内の学校教育での利用が十分見込めるため,Web教材「こめのくに」および新潟県立歴史博物館Webにおいて重点的に紹介し,その普及に努める。すでに,メールマガジン「米の国から」および新潟県立歴史博物館メールニュースに掲載された。以下は,新潟県立歴史博物館メールニュースの掲載内容である。

To: mailnews@nbz.or.jp
Subject: [Mail News] 出前授業のWEB化

--- Niigata Prefectural Museum of History Mail News ---

 2001年11月20日に西川町立升潟小学校で実施した出前授業の様子が,WEB化されました。
 これは,新潟インターネット教育利用研究会(NICE)が取り組んでいるプロジェクト「こめのくに」の成果です。
 詳細は以下のページをご覧ください。

「NICE」について → http://www.nice.or.jp/
「こめのくに」について → http://www.nice.or.jp/kome/
「出前授業」の様子 → http://yuyu.ed.niigata-u.ac.jp/Demae/

 なお,事前に出前授業実施を報道機関へ広報したため地元の新聞社およびNHK,教育情報通信社より取材された。(掲載記事および報道画面は,資料に添付してある)

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6.1.9 協働機関,支援者,協力者の役割と要件および関係構築と維持方法

 新潟県立歴史博物館 交流普及課・学芸課
   役割:出前講座の講師。
   要件:学校教育向けの講座を持ち合わせていること。
       研究員を対外的な講師としての派遣申請により派遣できること。

 新潟県西蒲原郡西川町立升潟小学校
   役割:博物館の講座内容を関連学習として実施。
   要件:講座内容について学習の一部として実施できること。
       講師員数に見合う児童数であること。

 新潟市総合教育センター コンピュータ教育部
   役割:講座内容に関連した資料提供。
   要件:Web上で利用可能な学習情報を公開していること。

 学社協働プロジェクト「こめのくに」 プロジェクト実行委員会
   役割:博物館および学校の連絡調整
       取材および記録の加工,Web化とその普及。
   要件:博物館および学校の持つ相互の特性を把握していること。
       講座内容に合致して実施可能な学校の調査協力ができること。
       授業記録の取材およびWeb化に教育的配慮を持ち合わせていること。

 関係構築および維持について本事例では,新潟県立歴史博物館の出前講座実施の意向がプロジェクト実行委員会で発表されたことを受け,学校側への働きかけの後に関係が構築された。また,事前調整・実施までの間に電子メール,FAX,電話等による連絡手段で関係維持をはかったほか,プロジェクト事務局が訪問面談しての調整を行った。また,この出前講座実施を受けて次年度以降も学校において実施の可能性が見いだせたので,定期的な連絡を持って関係維持に努めている。

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6.1.10 資料

Web教材「ペーパークラフトで新田開発を学ぼう 〜西蒲原三潟水抜き工事〜」
Web教材「ペーパークラフトで新田開発を学ぼう 〜西蒲原三潟水抜き工事〜」

Web教材「ペーパークラフトで新田開発を学ぼう 〜西蒲原三潟水抜き工事〜」
配信ビデオ例
Web教材「ペーパークラフトで新田開発を学ぼう 〜西蒲原三潟水抜き工事〜」配信ビデオ例(1) Web教材「ペーパークラフトで新田開発を学ぼう 〜西蒲原三潟水抜き工事〜」配信ビデオ例(2)
Web教材「ペーパークラフトで新田開発を学ぼう 〜西蒲原三潟水抜き工事〜」配信ビデオ例(3) Web教材「ペーパークラフトで新田開発を学ぼう 〜西蒲原三潟水抜き工事〜」配信ビデオ例(4)

指導計画案
指導計画案

報道記事等

(1)新聞報道…新潟日報朝刊県内広域面
新聞報道

(2)テレビ報道…NHK新潟
テレビ報道(1) テレビ報道(2)
テレビ報道(3) テレビ報道(4)
テレビ報道(5) テレビ報道(6)

(3)教育情報通信社報道…新潟きょういく通信
教育情報通信社報道

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