E-Square ProjectEスクエア・プロジェクトホームページへ 平成13年度 成果報告書
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ア・ラ・カルト方式による学社協働「こめのくに」

6.4 事例(4)

 「大型精米工場探検記・外国の米作りを知ろう」 新潟県長岡市立表町小学校教諭 篠田賢一

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6.4.1 「大型精米工場探検記・外国の米作りを知ろう」を組み込む総合学習

 実践校:新潟県長岡市立表町小学校
 指導者:教諭 篠田 賢一

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6.4.2 教育実践活動の概要

(1)教育実践活動名
 5年1組 「米米クラブ」
 5年2組 「太陽米プロジェクト」

(2)関係教科名
 総合学習,社会科

(3)活動内容の概要および教育効果・成果等
 【米作り全般】
 当校5年生では,専業農家の方との交流を10年ほど続けている。しかし,その内容はほとんど田植えと稲刈りのみであったため,子どもたちの中には米作りは簡単なのではないかという意識が危惧されていた。
 そこで昨年,田植えと稲刈りの間をつなぐものとして,バケツでの米作りをやったが,過程はある程度経験して分かったが,米作りの苦労を感じ取るまでには至っていなかった。 今年度,3m×8mほどの花壇を田んぼにし,プチ田んぼでの米作りを行うことにした。また,総合的な学習の中心教材として米を設定し,1組,2組とも米にかかわった活動を行うことにした。
 ちょうどそこに「こめのくに」の存在を知り,全く初めての経験であったので他校の実践や情報のよりどころとして参加することになった。
 また,当校としても町中の学校でも米作りができるという実践を報告したいと考え,活動の様子を随時Webで紹介することにした。

 【大型精米工場探検記】
 稲刈りをし,もみがらをとってみると白い米ではなかった。
 米作りを通して,今まで当たり前に食べていたお米がどうやって白い米になっていくのかに対し興味をもち,精米工場の見学に行くことにした。
 よく調べてみるとこの精米工場は米所新潟県でも県内に3カ所しかないという大型精米工場でバスで行ける比較的近いところにあることを知った。
 しかも最近できたということで最新式の精米工場の様子を取材することもできるということであった。
 そこで,総合的な学習の時間として,5年生42名が見学に行った。
 内容は,工場全体の説明,一つ一つの機械の説明,子どもたちがもってきた質問への回答であった。
 見学後,それぞれが調べてまとめたことをWeb化した。Web化する際に3つの点に留意した。
 1 自分たちの言葉で工場見学を伝える。
 2 初めて見る人が分かるように,丁寧な解説にする。
 3 動画や写真を多く使う。

 【外国の米作りを知ろう】
 昨年度交流した山形県の鳥海小学校の先生がインドネシアのジャカルタ日本人学校に赴任した。当校6年生の総合的な学習で,NetMeeting(マイクロソフト社)を使って,リアルタイムで交流をする中で,ジャカルタでもお米を食べることを知り驚いた。
 お米を食べるのは,日本と中国だけだと思っていた子どもたちが多かった。そこで,全部の国を調べることは難しいが,数カ国を取り上げ調べてみることにした。ジャカルタ日本人学校,ナイロビ日本人学校,リマ日本人学校である。また,夏に私が大韓民国に旅行したので,そこでの米作りの様子を取材してくることにした。
 外国の米作りを調べるため,全て海外校に任せるのではなく,インターネットで検索をし,ある程度下調べをした後で,アンケート項目を設定することにした。国際電話もかけ,こちらの熱意も伝え,頻繁にメールでやりとりをした。回答まで約1か月半を要したが,現地の方,国際協力事業団の方,現地の田んぼの様子を遠くまで取材してくださったりと現地にお願いしたからこそ知ることができたような貴重な情報を収集することができた。
 回答していただいたアンケートは,すぐにWeb化し,現地でも米についての教材としてすぐに使っていただけるように配慮した。

(4)対象学年・人数
 小学校5年生,42名

(5)実施期間
 5月〜12月
 大型精米工場探検は,平成13年9月10日実施。

(6)利用施設・設備・メディア等
 自作学校田,農家の水田,デジタルカメラ,パソコン,電子メール・Web(インターネット環境),見学用バス

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6.4.3 スケジュールおよび教育実践活動報告(活動の記録・経過等)

 (資料参照)

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6.4.4 教育実践活動の実施体制

(学級担任)
 表町小学校5年1組担任 青木 弘明
 表町小学校5年2組担任 石澤智恵子

(連絡調整)
 表町小学校 教諭    篠田 賢一

(協力校)
 ナイロビ日本人学校  教諭 吉田 剛史
 ジャカルタ日本人学校 教諭 富樫  朗
 リマ日本人学校     教諭 大桃  宏

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6.4.5 指導計画および指導案

 「指導計画・指導案」(5年1組・5年2組)(資料参照)
 「プチ田んぼ稲刈り指導案」(5年1組)(資料参照)

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6.4.6 教育実践活動の準備作業

 【米作り全般】
 ○ 学校花壇を田んぼにする作業
 ○ 田んぼをつくる方法を取材
 ○ 米作り全般の調べ学習
 ○ 他校との協力,保護者,地域への活動紹介
 ○ Web化

 【大型精米工場探検記】
 ○ 精米工場の下調べ
 ○ 工場見学の依頼,連絡調整
 ○ 工場見学の事前指導
 ○ 工場見学の事後指導
 ○ Web化

 【外国の米作りを知ろう】
 ○ 海外日本人学校の選定
 ○ 選定校の米事情調べ
 ○ 選定校への依頼,連絡調整
 ○ アンケート項目の検討
 ○ アンケートの実施
 ○ Web化

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6.4.7 教育実践活動における留意点,課題の抽出

 (資料参照)

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6.4.8 教育実践活動の対外的な公開,普及方法

 ホームページによる公開

(1)学年活動全体    
 http://www.kome100.ne.jp/omotemachi-es/h13/5nen/

(2)大型精米工場探検記
 http://www.kome100.ne.jp/omotemachi-es/h13/5nen/kome/seimai.htm

(3)外国の米作りを知ろう
 http://www.kome100.ne.jp/omotemachi-es/h13/5nen/kome/gaikoku.htm

(4)プチ田んぼで米作りに挑戦
 http://www.kome100.ne.jp/omotemachi-es/h13/5nen/kome/

 保護者・地域の方を招いての公開
 期 日  11月17日(土)
 年・組  5年2組
 内 容  総合的な学習「食味検定」
       「食味検定」参照(5年2組)
 参加者数 のべ100名    

 お世話になった方を招いての公開
  期 日  12月15日(土)
  年・組  5年1組・2組
  内 容  総合的な学習「米作りでお世話になった方へ感謝する会」
 参加者数 45名

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6.4.9 協働機関・協力者等とその役割と要件および関係構築と維持方法

 【米作り全般】
○当校がここ10年ほど米作りに関してお世話になっている専業農家の池津宏さん
・ 一昨年までは,田植えと稲刈りのみお願いしてさせていただいた。
・ 昨年は,バケツでの米作りも教えてもらい,田植えと稲刈りの間の様子をバケツでの稲 作りで観察を続けた。その様子を時々見に来ていただいた。
・ 今年度は,プチ田んぼ(3m×8m)を作り,実際の田んぼの縮小版で育てることがで きた。田植え,成長の具合,長期休業前,稲刈りなど不定期であったが見に来ていただ いて,アドバイスをいただいた。
・ これらの関係を構築できたのは,池津さんの子どもたちへのやさしさに他ならない。子どもたちも,池津さんの米作りに対する熱意,愛情を交流の中で感じ取り,直接教えていただいた後には,感想文を書き,池津さんへ送っていた。
 最近は,電子メールもはじめたらしく,メールでの交換も数回行うことができた。
 また,稲刈りや農機具の点検など一段落する12月に感謝する会を開き,学習の成果と一緒に食事会を行い,絆を深めていった。
○当校管理員
・ 田んぼづくり,水管理など,最初に取りかかる際の相談役・アドバイザーとしてお願いした。管理員さん自身が自作農家である。

 【大型精米工場探検記】
 大型の精米工場である長岡精米工場をホームページ上で検索し,電話をかけ内諾を得た後,依頼文書を発送した。同時に長岡精米工場を管理している新潟県経済連にも連絡した。
 約1か月ほど前にお願いしたこともあって,見学当日は2時間に渡りとても丁寧な説明をしていただいた。

 【外国の米作りを知ろう】
○ナイロビ日本人学校(ケニア)
 私自身がナイロビ日本人学校に勤めていたこともあり,その関係でメールを送り内諾を得た後,国際電話をかけて正式にお願いした。当地の郵便事情が悪い関係で,文書の発送は見送った。
 アンケートの内容,質問事項,回答などのやりとりは全て電子メールで行った。
 また,当地の現状を考え,アンケートの回答には1か月半ほどのゆとりをもったおかげで,あちこち調べていただき,現地にいたからこそ手に入るような情報を得ることができた。
 回答をいただいた後はすぐに集計し,Webにすることで感謝の意を伝えることができた。
○ジャカルタ日本人学校(インドネシア)
 昨年まで交流していた山形県の鳥海小学校の教諭だった方がジャカルタ日本人学校に赴任したことから,依頼することにした。依頼方法,回答までのやりとりは先のナイロビ日本人学校と同じである。
○リマ日本人学校(ペルー)
 新潟県から派遣された方がいることから依頼した。

 上記の3か校に共通していえる留意点
1 こちらが本当に必要な情報は何かということをメールだけなく,国際電話できちんと説明し,共通理解を徹底的に図り,熱意を伝えることである。
2 調べていただく時間的なゆとりを設け,日本の感覚ではなく外国はいろいろな諸事情があることを考えることである。
3 調べていただいた回答に対しては,メール,国際電話で謝辞を伝えるのはもちろんであるが,すぐにWeb化し,当地でも教材として使えるように配慮することである。

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6.4.10 資料

(1)5年1組
5年1組(1)

5年1組(2)

5年1組(3)

5年1組(4)

5年1組(5)

5年1組(6)

5年1組(7)

(2)5年2組
5年2組(1)

5年2組(2)

5年2組(3)

5年2組(4)

5年2組(5)

5年2組(6)

5年2組(7)

5年2組(8)

5年2組(9)

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