E-Square ProjectEスクエア・プロジェクトホームページへ 平成13年度 成果報告書
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ア・ラ・カルト方式による学社協働「こめのくに」

6.5 事例(5)

 「米の食味調査をしてみよう!」〜「米米くらぶ」を中心とした一連の活動から〜 新潟県新発田市立竹俣小学校教諭 長谷部弘美

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6.5.1 「米の食味調査をしてみよう!」 〜「米米くらぶ」を中心とした一連の活動から〜

 実践校:新潟県新発田市立竹俣小学校
 指導者:教諭 長谷部弘美

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6.5.2 教育実践活動の概要
(1)教育実践活動名

総合  米米クラブ

   (1)myブランド米作りに挑戦し,食味調査をしよう!
   「myブランド米作りに挑戦しよう!」
   「食味調査をしよう!」

  • 稲を育てる活動を通して,稲を育てる大変さを知るとともに,食味調査を実施して収穫の喜びを味わうとともに,より高次の課題をもつことができる。

   (2)米について調べよう!
   「米について調べてみよう! その1 身近な地域から」
   「米について調べてみよう! その2 広げて深めて」
   「世界の主食について調べよう!」 

  • 米をテーマに個々に課題を見つけ,それを解決していくための計画を立てて,インターネット等を活用して調べたり,人とかかわったりして追究し,調べたことを自分なりの方法で表現することができる。

   (3)米について伝えよう!
   「ビデオニュースを作ろう!」

  • 米について調べてきたことをビデオニュースでまとめ,地域の人に伝えることができる。

(2)関係教科名

1)社会科
 「農業のさかんな地域をたずねて・稲作にはげむ人々」
 ・ 稲作について調べ,農家の様子や生産の工夫についてとらえるとともに,農家の新たな課題や願いに気付くことができる。
 「情報を伝える人々」
 ・ ビデオニュースやホームページを作って発信する活動を通して,情報を集めて伝えるときに大切なことや気をつけなければならないことを理解することができる。

2)国語
 「調査したことを」(作文)
 ・ 生活の中(米について)で気付いたことをもとにさまざまな角度から進んで調査し,要旨の整った文章を書くことができる。

3)家庭科
 「楽しいおやつ」
 ・ 日常生活の好ましいおやつのとり方がわかり,簡単なおやつを整えることができる。
 ・ 地域のおじいさん・おばあさんたちと米を使ったおやつを作り,楽しくだんらんしようとする。

4)特別活動
 「田植え・稲刈り・脱穀」
 「PTAもちつき大会」
 「総合学習中間発表会」

(3)活動内容の概要

1)MYブランド米作りに挑戦しよう!そして,食味調査をしよう!
(1)MYブランド米作りに挑戦しよう!
 全校で取り組む学校田の活動(特別活動)と,一人一人の自己責任で稲と関わるバケツ稲の栽培活動を行う。
 バケツ稲については,農協の方や農家組合長さんに指導していただきながら,個々に観察記録をとり,ホームページ上で紹介していく。
(2)食味調査
 収穫した米で食味調査を実施し,その結果をもとに米作りの今後の課題について農協の方や県の農業指導員の方から教えていただく。

2)米について調べよう!
(1)社会科との関連
 社会科では,「食糧生産を支える人々」で,稲作にはげむ人々について学習する。
 社会科との関連を図り,1学期の総合では,テーマ毎にグループを作り,身近な地域の米についての調べ学習を行う。
 ここでは,依頼の仕方やインタビューの仕方,インターネットや本を活用しての調べ方,デジカメやビデオの操作の仕方,ホームページの作成の仕方などの基礎的な内容を学習する。
(2)総合学習中間発表会
 夏休みから,個々にテーマを決めて,1学期の活動を発展させ,内容を広げて深めて調べ学習を展開していく。10月末に行われる総合学習中間発表会でその成果を発表し,ホームページで公開していく。
 学習参観日などの機会を利用して,保護者にコンピュータ室を開放し,学校のホームページを見ていただく。
(3)国語との関連
 国語では,調査したことことをもとに報告文を書き上げる学習がある。そこで,米の食味調査の結果や,地域に残るなつかしい農機具,藁細工ができるかどうかなどのアンケート,今もも残る米作りと関係の深い風習等について調査し,その結果をもとに報告文を作る学習を行う。
(4)他校との交流
 長岡市にある表町小学校の5年生と,お互いが米について調べたことを伝え合い,交流を深めていく。
 特に,食味調査は,同じ米について同じ方法で食味調査を実施する。
(5)外国の主食調べ
 実際に外国の方(中国・アメリカ)からお出でいただき,その国の主食や食糧生産の様子について教えていただく。また,その国の料理を作って食べる体験をする。
 南半球のオーストラリアでの米作りについては,オーストラリアの米の販売会社のホームページ(http://www.sunrice.com.au) の写真を手がかりに学習する。内容については,ゲストティチャーとして学校に来られるアンジュリア・テイラーさん(アメリカ)から教えていただく。
(6)家庭科との関連
 家庭科の楽しいおやつでは,間食の好ましいとり方や楽しいだんらんについて,おやつ作りや地域の方との交流の場を通し学んでいく。昔(祖父母の子供の頃・父母の子供の頃)のおやつ調べを行い,地域の方を指導者に招き,米を使ったおやつ作りに挑戦する。

3)ビデオニュースを作ろう!
 3学期には,1学期・2学期の活動で集めた資料を整理し,グループ毎にテーマを決めてビデオニュースを作成し,校内のお昼の放送で全校児童に呼びかけたり,農協や図書館,近隣の小学校に配布し,自分たちの学習の成果を伝える。

(4)教育効果・成果等

1)稲を育てる活動を通して,稲を育てる大変さを知るとともに,食味調査を実施して収穫の喜びを体験し,より高次の課題をもつことについて
(1)MYブランド米作り
 ・ 一人一人がバケツで稲を育てることで,稲をより身近に感じることができた。
 ・ 「おいしいお米をたくさん収穫したい」という目的意識も生まれ,土作りから家の人と相談し,こだわって活動していた。
 ・ 水の管理や草取りの大変さを体験することができた。
 ・ 朝夕,自分の稲を観察する習慣ができた。
(2)食味調査 (3回の食味調査から)
 ・ 基本的な食味調査の方法を知った。
 ・ 基本的な食味調査の方法から,自分たちに合った食味調査の方法を工夫して考えることができた。
 ・ 食味調査の結果をもとに,自分たちの活動を振り返り,新たな高次の課題をもつことができた。

2)米をテーマに個々に課題を見つけ,それを解決していくための計画を立てて,インターネット等を活用して調べたり,人とかかわったりして追究し,調べたことを自分なりの方法で表現することについて
(1)学習課題をつかむ
 ・ 教科や学校行事との関連,ほとんど(17人中16人)の家庭が稲作に携っていることから,身近なテーマであった。
 ・ テーマがなかなか決められない子の中で,インターネットで米についていろいろ調べてから自分の取り組んでいきたいテーマを見つけた子もいた。
 ・ 米については地域の方の関心も高く,さまざまな情報が寄せられ,子供たちの新しい課題となっていった。
(2)見通しをもって追究する
 ・ 情報を集める活動では,それぞれのテーマを一覧にしてあったので,自分以外の人が求めていると思われる情報を見つけた場合は,お互いに教え合いながら活動していた。
 ・ 本に記載されていたことが,その県の観光課に問い合わせたところ,誤りであったことが判明した。誤った情報もあることを体験をもって知ることができた。複数の情報から判断しなければならないことがわかった。
 ・ 調査活動を自由にして,個々に見学に行ったり,取材したりする調査活動も取り入れ支援することで,活動も広がり,個々の学習意欲も深まっていった。(自己評価カードから)
 ・ 指導者とのかかわりや,見学,取材などの活動を多く行うことで,人のコミュニケーション能力が身についてきたように感じられる。
 ・ 地域の人材等を活用することで,地域の人に子供たちのがんばりやよさを認めてもらうことができ,子供たちは,地域に住む方のすばらしさや地域のよさを感じることができた。
(3)自分なりの方法で表現する
 ・ デジカメやビデオの活用,絵,図表にまとめる,実物を提示するなどのさまざまな発表の仕方でそれぞれが工夫して発表することができた。
 ・ 学習参観日での発表や総合学習中間発表会での発表など,大勢の前で発表する場を設定することで,大きな声ではっきりと発表できるようになってきた。

3)米について調べてきたことをビデオニュースでまとめ,地域の人に伝えることについて活動を継続しているが一部をインターネットで公開中。

(5)対象学年・人数
 ・ 小学校5年生 17人

(6)実施期間
 ・ 4月〜3月(食味調査は10月・11月に実施)

(7)利用施設・設備・メディア等
 ・ パソコン12台   ・ カラープリンター7台   ・ スキャナー1台
 ・ 校内LAN      ・ ISDN128回線によるインターネット接続
 ・ ホームページ   ・ E-mail
 ・ 電話         ・ ファックス
 ・ デジカメ7台    ・ デジタルビデオ1台
 ・ 百科事典等の書籍

(8)協働機関・協力者等
 ・ 地域住民(稲作についての指導助言・食味調査・藁細工・納豆作り・昔の農機具等)
 ・ 北陸農政局新潟統計情報事務所新発田出張所
 ・ 新潟県食糧事務所 計画流通課長 山ア喜一さん
 ・ (財)日本穀物検定協会 新潟出張所長 時田弘さん
 ・ (財)日本穀物検定協会 企画開発課 福田さん
 ・ (社)新潟県観光協会
 ・ 岡山県商工労働部観光物産課 玉置さん
 ・ 山口県商工労働部商業観光課 本間さん
 ・ JA全農にいがた 米穀部自主流通課
 ・ JA北越後川東支店 支店長 藤間さん  指導員 太田さん
 ・ JAあきた経済連 自主流通課
 ・ JA全農みやぎ 米穀流通課
 ・ (株)パールライス滋賀
 ・ 埼玉県熊谷市 吉野森男さん
 ・ 長岡市立表町小学校5年生     他

 リストは,次ページにある。

人材・施設リスト

(9)スケジュール
 期間は,4月〜3月。詳細は,資料の指導計画参照。

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6.5.3 教育実践活動報告

1 MYブランド米作りに挑戦しよう!そして,食味調査をしよう!

(1)MYブランド米作り
 全校児童がかかわる学校田での活動では,「田植え」「稲刈り」「脱穀」を行う程度で,後の管理は田んぼの所有者である池田さんにお願いしていて子供たちの関わりは少ない。
 そこで,一人一人が自分のバケツで稲を育てた。「おいしいお米をたくさん収穫する」という目的意識も生まれ,土作りから家の人と相談して取り組んでいた。
 雨が降るとバケツから水があふれてしまうことや,草がどんどんはえてくることがわかった。
 遠くの大きな田んぼより,朝夕に通りがかる児童玄関前の小さなバケツの世界の方が,水の管理の難しさや草取りの大変さが,子供たちには伝わったようだ。

(2)食味調査
 食味調査は,合計3回実施した。
 資料参照 資料・2 第5学年 総合的な学習活動案

(1)調べ学習の発展として
 1学期の調べ学習で,米はその種類や産地によって価格が違うことがわかったA君とB君君とCさんは,2学期の調べ学習では,食味調査によって米のランク・価格が決められていることを知った。そこで,「同じコシヒカリでも,産地によって価格が違うように味も本当に違うのか」「ブランド米といわれる米は,本当においしいのか。コシヒカリと比較してどうなのか」について,総合学習中間発表会で,地域の方にも参加していただいて,食味調査を実施した。
 食味調査の実施にあたっては,(財)日本穀物検定協会の方から,食味調査の方法や評価の基準などについて,教えていただいた。また,(株)パールライス滋賀からは,食味検定の基準米・日本晴れをいただいた。また,各県のJAからは,食味検定用のお米や資料をいただくなどご協力いただいた。
 はじめての食味調査で,食味調査の方法・基準などがわかった。
 また,自分たちの調べた食味調査を長岡市立表町小学校の5年生に伝え,交流を図ることができた。

(2)土沢小学校で収穫された米の食味調査
 土沢小学校の子供たちから,学校田で収穫した岩船産コシヒカリの食味調査をするよう話があり実施した。
 前回の食味調査では,色々な種類の米の食味を中間発表会で同時に行うことから,農協から同機種の炊飯器を貸していただくなど事前の準備が大変だった。子供たちは,もっと簡単にシンプルに食味調査ができないかと考え,電子レンジでご飯を炊くことや,テレビ番組の裏技で短時間で米をご飯にする方法(米をなべで煮てざるに開けて蒸らす)を探し出してきた。
 (財)日本穀物検定協会の方から教えていただいたベーシックな食味調査から,試行錯誤を繰り返し,自分たち流の食味調査を考えることができた。

(3)自分たちのお米作りのまとめとして
 学校田での米作りでは,米を作り,収穫祭で食べて活動が終ってしまっていた。
 しかし,バケツで自分で朝夕に観察し収穫した自分のお米には,こだわりがあった。土沢小学校のお米と比べて味はどうだったのか,また,かなわない点があったとしたら,今後どう改善すればよいのかが知りたくなった。
 そこで,今までは,滋賀県の日本晴れ(基準米)を使っての間接比較だったが,岩船産コシヒカリとの直接比較(岩船産コシヒカリ)の食味調査で,自分たちの米作りはどうだったかを振り返ることにした。
 また,食味調査の結果を農協の方や県の農業指導員の方に知らせ,新潟県全体の今年度の米作はどうだったのか,また,竹俣小学校5年生の米作りの課題は何であったのかを指導していただいた。

2 米について調べよう

(1)身近な地域から
 社会科の「稲作にはげむ人々」の発展として,稲作について身近な点から出発して調べたいことは無いか話し合った。
 ・ 竹俣地区の稲作暦はどうなっているか
 ・ 昔の農機具と今の農機具はどう変化しているか
 ・ うちの人は農協でどんな仕事をしているか
 ・ 米の値段はどうなっているか
 ・ 米の粉で作られたパンが売られていたが,米の粉の製品にはどんなものがあるかについて意見が出された。
 そこで,調べた内容でグループを作り,調べたことを学習参観日に発表することにした。
 インターネットや本,家の人からの聞き取り,農協への見学(帰宅後)など,グループ毎に調べた。
 学習参観では,家の人から質問してもらったり,感想を言ってもらったりしながら,発表会をもった。
 発表した内容については,学校のホームページで公開した。

(2)広げて深めて
 総合学習中間発表会に向けて,個々にテーマを決めて調べ学習を行った。
 インターネットや本で情報を集める活動では,それぞれのテーマを一覧にしてあったので,自分以外の人が求めていると思われる情報を見つけた場合は,お互いに教えあいながら活動していた。
 学校の授業時間内での活動だけにとどまらず,帰宅後も見学に行くなど熱心に取り組んでいた。

 *総合学習中間発表会に向けた取り組みの様子
      学級だより 竹俣小学校5年生物語 bQ7   

 総合学習中間発表会では,発表内容をまとめた冊子を配布し,その子なりの表現方法で発表することができた。
 また,お世話になった方々に冊子と手紙をおくった。

 *総合学習中間発表会の内容 http://takemata.shibata.ed.jp/5nen/hyousi5.htm
 *資料・4参照

(3)ビデオニュースを作ろう
 調べ学習の過程で,ビデオに録画したものが多くあった。また,農協の支店長の藤間さんから「いろいろ調べて録画してきたわら仕事についてや昔の農機具についてビデオにまとめて農協にくれませんか。」と話があった。
 社会科の「情報を伝える人々」の学習との関連を図り,ビデオニュースを作ろうと計画していたので,この1年間の学習を振り返りビデオニュースを作る活動を現在実施中である。
 総合でお世話になった方にもお渡しできたらと考えている。

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6.5.4 教育実践活動の実施体制

 5年生17名による学年活動
 担任1名による実施
 教師2名による支援(hp作成など)

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6.5.5 指導計画および指導案

 (資料参照)資料・1 5年生総合的な学習の時間 年間指導計画
         資料・2 第5学年 総合的な学習活動案

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6.5.6 教育実践活動の準備作業

1 MYブランド米作りに挑戦しよう!そして,食味調査をしよう!について

(1)MYブランド米作り
 ・ JAのバケツ稲セットの申し込み
 ・ 農協,農家組合長への指導の依頼
 ・ バケツで稲を栽培する方法を調べる
 ・ Web化

(2)食味調査
 ・ 食味調査の方法を調べる
 ・ 農協(農業改善センター)に連絡し炊飯器等を準備する
 ・ 基準米や調査米の手配
 ・ 保護者,地域への食味調査への参加の呼びかけ
 ・ 他校との協力
 ・ 保護者,地域への活動紹介

2 米について調べよう!について

 ・ 個々の調べ学習の計画を把握し,見学先や協力者への依頼,連絡調整
 ・ 個々の調べ学習の形成的評価と支援
 ・ 総合学習中間発表会に向けての発表準備の支援
 ・ 総合学習中間発表会で配布する冊子の作成
 ・ Web化

3 ビデオニュースを作ろう!について

 ・ グループ毎の計画を把握し,取材先への依頼,連絡調整
 ・ グループ毎の活動の形成的評価と支援
 ・ ビデオテープの作成と配布

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6.5.7 教育実践活動における留意点,課題の抽出

1 稲を育てる活動を通して,稲を育てる大変さを知るとともに,食味調査を実施して収穫の喜びを体験しより高次の課題をもつことについて

(1)MYブランド米作り
 ・ バケツ稲セットの申し込みは,数に限りがあるので,前年度のうちに申し込んでおいた方が良い。
 ・ バケツだけでなくペットボトルでも栽培していると,根の様子やなかぼしの時の土の様子が観察しやすい。
 ・ 土を吟味して,田んぼの土でなく肥料がたくさん入った畑の土で挑戦した子がいたが,草のはえ方が他の児童よりもかなり多かった。
 ・ 雨が降ると水があふれるくらいたまり,バケツの水の管理もなかなか大変だった。
 ・ 農家組合長が子供たちの稲の様子も時々見に来てくださり,稲作の学習会での資料や肥料等を届けてくださった。
 ・ 熱心な祖父母(2名)が,孫かわいさに孫の稲の生育状況を見に来られ,他の児童よりも生育の状況が悪いと嘆き,苗を植えなおしたり,土ごと取り替えてきたりしてしまった。

(2)食味調査
 ・ 食味調査では,同機種の炊飯器が複数必要になる。農協等で借りることもできるが,収穫の時期は,農協関係でも食味調査を行っていて出払っていることもあるので,早めにお願いしておくとよい。
 ・ 厳密に食味調査を行う場合,見た目は,精米の時期に左右されるので,基準米・検定米は,同じ時期に精米する。
 ・ (財)日本穀物検定協会の食味検定は,評価基準が子供が実施するには多いので,授業で行う場合は,3段階の評価基準に作りなおしても良いのではないか。

2 米をテーマに個々に課題を見つけ,それを解決していくための計画を立てて,インターネット等を活用して調べたり,人とかかわったりして追求し,調べたことを自分なりの方法で表現することについて

(1)学習課題をつかむ
 ・ グループでの活動では,自分のやりたい課題よりも友達と同じ課題を選ぼうとする子がいた。
 ・ 総合学習中間発表会に向けての個々の調べ学習のテーマ設定では,なかなか自分のやりたいテーマが決められない子が3名いた。クラス全員でどんな調べ学習ができそうか自由に話させたときのカードを見せ,どういう課題をやりたいかを担任が一緒になって考えるなどの支援が必要であった。

(2)見通しをもって追究する
 ・ 調べ学習を行うための計画をカードに書かせた。個々の見学や調理などの活動は,正規の授業時間内では無理があった。そこで,昼休みに調理を行ったり,放課後に見学に行ったり,休みの日に保護者に見学に連れて行ってもらったりした。子供たち活動をどう支援していくかが難しかった。共働きの家庭がほとんどで,祖父母は田んぼや畑の仕事があるため,スクールボランティアを募るのも大変であった。

(3)自分なりの方法で表現する
 ・ 児童17名中,家庭にパソコンがある児童は8名。そのうちインターネットが活用できるように環境が整っている児童は1名だった。保護者の中は,会社のパソコンを使って学校のホームページを見ているという人もいたが,大多数が見ていないとのこと。また,祖父母は,コンピュータは触ったことも無いという人がほとんどである。そこで,学習参観日や学校行事などの機会にはコンピュータ室を開放して,子供や教師がコンピュータの使いを教えるように配慮した。

3 米について調べてきたことをビデオニュースでまとめ,地域の人に伝えることについて

 現在,活動中であるが,竹俣小学校ふるさとビデオ館については,すでに公開しているので保護者・地域住民・取材先にURLをお知らせし,インターネット経由での配信が可能である。

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6.5.8 教育実践活動の対外的な公開,普及方法

1 ホームページによる公開
 ホームページで公開していく。
 学習参観日にはコンピュータ室を開放し,自由にホームページを見ていただく。   

2 総合学習中間発表会・学校田の収穫祭
 10月に総合学習中間発表会・総合学習体験コーナー・学校田の収穫祭が行われる。
 「総合学習中間発表会」
 子供たちが,米に関連する内容について個々にテーマを決めて,調べ学習に取り組む。調べたことを他学年の児童(発表は,1時間目に奇数学年,2時間目が偶数学年が行う。)や保護者,地域の方に発表する。
 中間発表会なので,この場を使って参会者に協力していただき,食味調査を実施する。
 「総合学習体験コーナー」
 学校栄養士・本間とし子先生から,日本型食生活の効用について親子で話を伺う。
 「収穫祭」
 学校田でお世話になった方や地域の方を招待し,もちつき大会を行う。

3 学校だより「チャレンジ」による紹介
 学校行事や県教委主管チャレンジ21での取り組み,各学年の総合の取り組みについて紹介。

風の声を聞かせてよお母さんの会社訪問

4 学級だより・ビデオレターでの紹介
 5年生では,2種類の学級だよりを配布し,また,学習の様子をビデオに録画し回覧している。
 「いちばんぼし」
 学校や学級の行事予定や学習活動等の諸連絡,スクールボランテイアや指導者の募集
 「竹俣小学校5年生物語・風の声を聞かせてよ」
 学級での様子を,物語風に紹介(例 学級だより 風の声を聞かせてよ)

5 ビデオニュース作成
 1年間の学習のまとめとして,社会科と総合を関連させてビデオニュースを作成する。
 作成したビデオニュースは,学校の図書館に保管するだけでなく,農協,近隣の小学校(中学校区が同じ小学校)に配布する。
 また,ビデオニュースは,自校の学習はもとより「竹俣小学校ふるさとビデオ館」としてインターネットにより多くの人が利用できるようにする。

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6.5.9 協働機関,支援者,協力者の役割と要件および関係構築と維持方法

1 協働機関,支援者の役割と要件

(1)公共機関の活用
 農業関係の公共機関では,農業の担い手を育成するために小学生に対応したサービスが充実している。稲作や米についてのホームページやパンフレット,ビデオ,学習ソフトなどが用意されている機関も多い。

(1)地方農政局
 農水省の出先機関として全国に七つの地方農政局があり,それぞれに出前講座や栽培の相談などの事業を行っている。

 東北農政局    http://www.tohoku.maff.go.jp/
 関東農政局    http://www.kanto.maff.go.jp/
 東海農政局    http://www.tokai.maff.go.jp/
 北陸農政局    http://www.hokuriku.maff.go.jp/
 近畿農政局    http://www.kinki.maff.go.jp/
 中国四国農政局 http://www.chushi.maff.go.jp/
 九州農政局    http://www.kyushu.maff.go.jp

 地方農政局では,出先の機関があるので,最寄の機関に問い合わせをしてみると,協力していただける。今回,竹俣小学校では,「北陸農政局新潟統計情報事務所新発田出張所」にお願いし,外国の米(中国・タイ・オーストラリア)や古代米,食味調査用に各地方(福岡,広島,埼玉)のコシヒカリをいただいた。

(2)食糧事務所
 食糧庁の出先機関。お米・ごはん食の推進にかかわる事業の一環として,出前授業に積極的に取り組んでいる。
 食糧庁のホームページの質問コーナーに質問したところ,「新潟県食糧事務所」から回答があった。

(3)(財)日本穀物検定協
 米の食味調査について,調査方法や調査基準,調査用紙などをFAXで送付していただいた。
 新潟にも(財)日本穀物検定協会新潟出張所があり,外米の入手方法などを教えていただいた。

(4)農業改良普及所
 都道府県の農業指導機関。県内の総合庁舎にあり,農業指導員の方から指導していただくことができる。
 「新潟米を中心とした水田農業経営確立運動の取り組みと成果」について資料を作成し,地域ごとに稲作の指導を行っている。
 子供たちが実施した食味調査の結果を知らせたところ,来年度の留意点などを指導していただいた。

(5)国際交流員による指導
 新潟県の国際交流課では,現在,中国,韓国,アメリカ,ロシアの四カ国の国際交流員の方がいらっしゃる。事前に打ち合わせを行えば,各国の主食や食糧生産の様子について話を伺うことができる。
 竹俣小学校では,中国の応爽さんに来ていただいた。友人の留学生(新潟大学)の揚霊芝さんも一緒においでいただき,交流を図ることができた。

(2)農業団体から講師を招く
(1)まずは,地元の農協から
 バケツ稲作り体験学習セット(教材+マニュアル)を農協で配布。学校でまとめて申し込む場合は,送料とも無料になる。子供たちの質問にも答えてくれる。バケツも地元の農協からいただくことができた。
 農協には農業の指導員がいらっしゃるので,指導者として来ていただくことが可能。また,農協では,地域にあった栽培暦などの資料を作成している。
 米が2合以上あると,農協で機械を使っての理化学的な食味調査を行ってもらえる。
 また,食味調査で必要となる同メーカーの同機種の炊飯器も多数お借りすることができる。
 農協主催の農業祭(収穫祭)では,子供たちの学習の成果を展示するためのコーナーも設けてくれる。

(2)農家組合長
 農家組合では,稲の栽培についての学習会や会議を行っているので,タイムリーな情報を教えていただける。
 また,水まわりのついでに子供たちのバケツ稲も見てくださり,水の管理の仕方や,追肥や消毒など,いろいろと声をかけてくださった。

(3)地域指導者の活用
(1)学校後援会・緑化部
 竹俣小学校では,「学校後援会・緑化部」というものが地域の方によって組織されている。このことによって,学校に子供や孫が通っていない方からも学校に関わることでいろいろとご協力いただきやすくなっている。
 緑化部は地域のお年寄りの方が中心になって組織されているが,お願いすれば,学校の教育活動に快く協力していただける。(ただし,ゲートボールの大会が近いときは,遠慮した方が良い。)
 なつかしい農機具やわら仕事の様子等を見せていただいたり,子供たちの質問にも答えていただけた。 

(2)児童の祖父母
 児童のほとんどの家庭が,兼業農家である。学級だよりで総合の取り組みについて呼びかけると,祖父母が熱心に反応してくれた。
 「昔の農機具があるから見にきませんか。」
 「わらを使って昔ながらの納豆作りを敬老会でやるので,子供たちも一緒にどうですか。」
 「昔の写真が出てきたから,勉強で使ってください。」
 など,電話をいただいたり,実際に学校に来られたりして,総合を通して祖父母との距離も近くなったように感じる。祖父母にも,子供たちに伝えたい何かがあるようだ。

2 関係構築と維持方法

(1)公共機関
 公共機関の場合,「農業後継者育成」や「お米・ご飯食の推進」などを事業として取り組んでいるので,機関の連絡先などのリストを作成すれば,継続して協力していただくことは,お願いできると考える。
 資料等も,毎年,新しいものが送付されてくる。

(2)農業団体
 農業団体も公共機関と同様に,学校での稲の活動等の農業に関する活動にとても協力的である。
 教えていただくだけでなく,農業団体主催の行事にも可能な限り,積極的に参加していく姿勢が大切である。

(3)地域指導者の活用
 総合学習の人材リストを活動ごとに整理し,次年度に引き継げるようにしておく。
 お世話になった指導者の方には,子供たちからのお礼の手紙や総合学習のまとめの冊子やビデオニュース等も届ける。
 また,地域の敬老会などが行う活動にも総合学習と協力して一緒に行えるもの(ex.わらを使っての納豆作り等)があるので,敬老会の活動計画も入手しておくとよい。

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6.5.10 資料

資料もくじ
資料・1  5年生総合的な学習の時間 年間指導計画
資料・2  第5学年 総合的な学習活動案
資料・3  竹俣小学校ふるさとビデオ館
資料・4  ホームページ
資料・5  米米クラブ 調べ学習で活用したホームページリスト

資料・1  5年生総合的な学習の時間 年間指導計画5年生総合的な学習の時間 年間指導計画

資料・2 第5学年 総合的な学習活動案

第5学年 総合的な学習活動案

平成13年11月2日(金)3校時
指導者  教諭 長谷部弘美

1 活動名   米米クラブ
          ○ myブランド米作りに挑戦し,食味調査をしよう!
          ○ 米について調べよう!
          ○ 米について伝えよう!

2 ねらい

  • 作物を育てる活動を通して,作物を育てる大変さを知るとともに,食味調査を実施して収穫の喜びを味わうとともに,より高次の課題をもつことができる。
  • 米をテーマに個々に課題を見つけ,それを解決していくための計画を立てて,インターネット等を活用して調べたり,人とかかわったりして追究し,調べたことを自分なりの方法で表現することができる。
  • 米について調べてきたことをビデオニュースでまとめ,地域の人に伝えることができる。

3 育てたい力

<学習課題をつかむ>
 ・ 具体的な活動を通して課題を見つけ,調べる方法や表現方法を見通す。
 ・ 活動を通して課題をとらえなおしたり,新たな課題を見つけたりする。

<追求する>
 ・ 自ら計画を立てて,資料を収集する。
 ・ お互いに意見交換をし,課題を解決しようとする。

<自分なりの方法で表現する>
 ・ 必要な情報を選んで自分なりに表現し,地域住民や校区外の人に知らせる。
 ・ 学習したことを生活の中で生かそうとすると共に,自分の生き方を探ろうとする。

4 児童の実態    男子8人 女子9人  計17人
 今までの調べ学習では,自分からいくつも課題を見つけて,やりたいことがたくさんあるという子もいれば,自分が何をしたいのかも決められず,仲のいい友達の後についていくという,受動的な学習態度の子もいた。
 1学期の社会科の「稲作に励む人々」では,学習の発展として,調べたい内容でグループを作り,調べ学習を行った。
 3〜4人のグループであったが,友だちを当てにして,受動的な学習態度で何もしないで見ているだけの子が数人いた。
 また,本やインターネットで調べたことをそのまま写すだけで,思考の跡や創意工夫が感じられないものが多かった。
 発表の仕方も太洋紙にまとめたものを書いて発表しようとする子がほとんどで,多様な表現があまりなかった。

 そこで,社会科での経験を元に,一人一人が課題を決めて,さまざまな追求方法を知り,聞き手にわかりやすい工夫した表現方法でまとめ,伝えられるようになってほしいと考えた。
 教師主導ではなく,子供たちが自分たちでやりたいことを決め,自分たちの力で解決し,伝えることができたらと考えた。

5 活動展開の構想

(1)学習課題をつかむ

○教科との関連
 5年生の1学期には,社会科「食糧生産を支える人々」(農業・水産業・これからの食料生産)と理科「植物の発芽と成長」の学習がある。また,家庭科の学習もはじまり,学校行事で田植えが行われることから,子どもたちの食についての意識は高まった。また,国語では,報告文の書き方について学習する。
 そこで,教科との関連を図り,子どもたちの意識を大切にしながら総合的な学習のテーマ作りと計画を行ったところ「米」をテーマに取り上げることとなった。

○目的意識
 「米」をテーマに取り上げ,どんな活動にしたいかをしっかり話し合わせ,目的意識をもたせるようにした。イベントではなく,一人一人が学習の仕方をきちんと学べるような学習活動となるように留意したいと考えた。

(2)追求する

○学習形態の工夫
 子どもたちの取り上げたテーマは,内容によって全体で共通体験するものと,個々に取り組むものに分け,指導の重点化を図った。

・ myブランド米作り
・ 食味調査
・ 米について調べよう1
・ 米について調べよう2
・ 世界の主食
・ 米について伝えよう
一人1バケツで観察記録
保護者や地域の方,他学年も交えて
社会科の発展としてグループでの調べ学習
個々に米についての調べ学習 *総合学習中間発表会
全員で県の国際交流員の方(中国)から食糧生産や食文化について学習
グループでビデオニュース作成

○調べ方を学習する
 社会科でグループ(3〜4人)ごとに米についての調べ学習を行い,調べ方やまとめ方,発表の仕方を学習する。  

<調べ方>
・ 本で調べる
・ インターネットで調べる
・ 電話で調べる
・ 見学する
・ 調査(アンケート)する
・ 実験する      等
<まとめ方>
・ 太洋紙にまとめる
・ 冊子を作る
・ ホームページ
・ 紙芝居
・ ビデオ番組     等

 発表の仕方は,中間発表会に向けて,おうちの人や地域の方に教室で発表するのにわかりやすい発表の仕方を意識させ,太洋紙でまとめたり,ビデオでインタビューの様子を見せたり,写真を拡大コピーで提示したりする方法を教えた。
 1学期の社会科での経験を生かし,2学期は中間発表会に向け,個々にテーマを決め追究するようにする。
 どうしても,一人での追究が難しい子やテーマが同じ子については,グループを組んでもよいこととする。

○多様な追究
 学習計画を立てさせチェックし,本やインターネットだけの追究に終わらせないように支援し,追究活動の中に,必ず人とのかかわりがもてるようにする。
 見学,インタビュー,調査,調理などの体験も可能な限り個々で取り組めるように活動を保障する。

○他校の児童との交流
 長岡の表町小学校の5年生に,総合学習中間発表会でまとめた冊子を送り意見をもらったり,一緒に自分の学校で作った米の食味調査を行い交流を図る。同じ5年生からの意見などは,励みにもなり触発させられることにもなると考える。

(3)自分なりの方法で表現する

○中間発表会
 「総合学習中間発表会」で発表できるように準備を行う。
 あくまでも中間発表会なので,発表会の中で知っていいる人がいないか尋ねたり,食味調査などに協力いただいたり,完全な発表会ではなく中間発表会としてさらに追究が深まるように工夫する。

○ホームページの作成
 中間発表会での発表資料集を元に,ホームページを作成する。

○自己評価・相互評価の活用
 自己評価カード,相互評価カードを活用し,活動を振り返ったり,成就感をもたせたりする。

6 指導計画
指導計画

7 本時の展開   myブランド米作りに挑戦し,食味調査をしよう! 17/18

(1)ねらい
 自分たちで育てたお米の食味調査を行い,稲作りの活動を振り返りまとめる。

(2)展開の構想
(1) 学習課題をつかむ
 実物投影機を使い,今までの稲の成長記録を見せ活動を想起させる。
 また,脱穀のときの写真や米を見せ,自分たちで作った米を食べるという気持ちを高める。
 自分たちの作った米の食味調査を実施し,長岡の表町小学校の5年生と情報を交換し合うことも伝え,意欲化を図る。
(2)見通しをもって考える
 中間発表会で食味調査を行ったグループの子がリーダーになり,クラス全員で食味調査を実施する。
 食味調査は,2回目なので方法はある程度理解できている。評価表を拡大して提示し,どのくらいになりそうか簡単に予想させる。
(3)自分なりの方法で表現する
 食味の感想を交えて,稲の栽培活動全体を振り返り観察ノートにまとめる。
 自己評価カードを使い,稲の栽培活動全体を振り返る。

(3)本時の展開
 別紙参照

(4)評価
  ・ 友達に左右されずに,自分の味覚で食味調査を行い感想を書くことができたか。
  ・ 自己評価カードに,自分のがんばりを書くことができたか。

本時の展開

8 授業の概要   17/18
学習活動 教師の発問等 児童の反応等
1 今までの学習を
  振り返る





2 もみすりや精米
  の様子を知る





3 今年,自分たちで
  作った米を試食
  する








4 感想をカードに
  書き発表









5 最後に,米作りを
  通しての振り返
  りカードを記入
  してください。
○今日は,myブランド米作りのまとめの時
 間です。
 今までに,どんな活動がありましたか。





○竹俣米がどんなふうにもみすりされたか
 代表でもみすりを見てきた人に発表して
 もらいます。




○竹俣米と岩船産コシヒカリで比較しなが
 ら試食をします。
・食味調査表を配布する。
・食味調査表を拡大したものを黒板に掲示
 する。
・食味調査の結果を挙手で人数を把握し,表
 に書き入れる。



○感想を書きましょう。

○発表しましょう。








○自己評価カードを配布
・ 種が緑色とは知らなかった。
・ 芽が出た。
・ 肥料や水をやった。
・ 草取り。
・ 白い花が咲いた。
・ 稲刈りや脱穀。

*3人の児童が発表
・ ライスセンターに行き,
 1813gの米がとれた。
 よい米 90g
 未熟米 48g
・ もみすりしたものをビンに
 入れて箸で精米しました。

*児童は,試食しながら食味評
 価表に記入する。
 食味評価の観点は
   ・ 外観
   ・ 香り
   ・ 味
   ・ 粘り
   ・ かたさ
   ・ 総合

*カードに感想を記入
・ 岩船産コシヒカリより,自分
 分たちのお米のほうがおいし
 かったのでよかった。
・ かたさは,岩船産コシヒカリ
 より私たちのお米のほうがよ
 かった。
・ においがよかった。
・ 数々の困難を乗り越えたの
 でよいお米ができたと思う。

*カードに今までの活動の反省
 を記入。

基準米の「日本晴」
基準米の「日本晴」

基準米(左)と土沢小学校産の検定米(右),炊飯器
基準米(左)と土沢小学校産の検定米(右),炊飯器

9 実践を終えて

(1)本単元における意欲的な課題追求を支える手立ての工夫について
(1)学習を課題をつかむ
 身近にある「米」について調べることは,子供たちにとって意識が高まりやすいテーマであった。
 学校田での米作りだけでなく,一人一人がバケツで稲を育て,観察を行っていくことは,自分のものという意欲をもたせるのに効果的だった。
 社会科,理科,家庭科,国語と横断的に学習を展開してきたので,直接,教科と関連することから,子供たちの意識の流れもスムーズに流れていったと思う。

(2)追究する
 個々にテーマを設定し,調べ,まとめる活動を行った。
 インターネット,本,見学,インタビュー,食味調査等と多種多様な方法で追求していた。
 昼休みや放課後,休み時間も使い,個々に熱心に調べていた。家でも調べてくる子もいて,一人一人がよくがんばって調べていたと思う。
 本にA県の特産品と載っていたのでA県の観光協会に問い合わせたところ,隣接するB県の特産品であったことが判明した。1冊の本で調べるだけでは,間違った情報もあることがわかり,本とインターネット,本とインタビューなど,二重に調べようとする子もでてきた。

(3)自分なりの方法で表現する
 中間発表会では,太洋紙にまとめたり,実物を提示したり,ビデオなどを使って発表した。
 また,調べたことを「5年生の総合学習」の冊子にまとめた。この冊子を手がかりに,ホームページを作成した。
 冊子作りは,自分たちが今まで調べてきたことが形に残り,出来上がった冊子を手に取り,成就感をもつことができたようだ。

(2)成果と今後の課題
 1学期は,個々の米の栽培活動と,グループでの調べ学習を行い,米への関心を高めると共に,調べ学習のテーマの決め方や調べ方,表現の仕方について学習した。
 2学期は,1学期の活動を土台に,総合学習中間発表会に向けて個々の調べ学習を中心に活動した。地域の農家の方へのインタビューや農協の見学など,総合の時間内では活動しきれないものや,調理など教師が一緒についていないと活動できないものがあった。今後,一人一人の追求活動を保障するために教師がどうかかかわっていくか,スクールボランティアの協力をどう仰いでいくかが課題だと感じた。
 農協の方や栄養士さんに指導していただいたり,中国の方からもお話を伺ったり料理を習ったり,地域の老人会の方とわらを使って納豆を作ったり,さまざまな方と関わりをもちながら,楽しんで活動することができた。地域の方の優しさにふれながら学習することができたのは,子供たちにとって何よりであったと考える。

 次ページに全体の集計結果,個人の調査結果例,気付いたこと,および礼状を掲載する。

全体の集計結果

個人の調査結果

全体の集計結果

個人の調査結果

個人の調査結果

資料3  竹俣小学校ふるさとビデオ館
資料3  竹俣小学校ふるさとビデオ館

資料3  竹俣小学校ふるさとビデオ館

資料3  竹俣小学校ふるさとビデオ館

資料3  竹俣小学校ふるさとビデオ館

資料4  ホームページ
ホームページ ホームページ
ホームページ ホームページ
ホームページ ホームページ
ホームページ ホームページ
資料5 米米クラブ 調べ学習で活用したホームページリスト

タイトル

アドレス・備考

こめのくに

http://www.nice.or.jp/kome/
新潟県の米情報

関東農政局

http://www.kanto.maff.go.jp/
米についての子供の質問にQ&Aで答えてくれている。
Ex)米の種類,米作り,米と経済,世界と米,米を食べる 等

JA

http://www.asahi-net.or.jp/~la4t-frym/jpn/ja/index.htm
JAのホームページ。JAの仕事が簡単に説明されている。

お米作りの仕事

http://www.maff.go./kyoshitsu/I-sagyo.html
米作りの仕事について写真入で説明。
Ex)たおこし,種まき,代かき,田植え 等

米作りのページ

http://www.homepage2.nifty.com/projectd/kometukuri.htm
米作りの工程を時間軸にそって観察日記で説明。

農家の人の話

http://www.synapse.ne.jp/warabishima/nouka.htm
わらび島で出荷用の米を作っている島崎さんに4年生の子どもがインタビュー。

新潟のお米の紹介と販売

http://www.takasaka.co.jp/index-a.html
新潟県のお米が写真と文章で紹介されている。価格も記載されていて購入もできる。

外国の米の値段一覧

http://www.nisira.com/
オーストラリア,アメリカ,イタリア,中国,ベトナム等のお米を購入できる。

せかいのお米

http://www.nisira.com/school/gori.4.htm
米作りのさかんな国(の名前)や,各県で作られている主なお米の名前がわかる。

サンライス

http://www.sunrice.com.au
オーストラリアの米の会社のホームページ。
写真で米作りについての紹介。

こども考古学教室

http://www.asahi-net.or.jp/iy4t-ngc/shellhp/kodomo/qanda/q22.html
米作りの大昔の道具が説明されている。

昔の農具

http://www.crdc.gifu-u.ac.jp/mmdb/gifu_sozai/index.html
昔の農具について,写真と簡単な文で説明。
Ex)馬鍬,足踏み水車,千石とおし 等

古代米について

http://www.town.yoshida.saitama.jp/ec/kome.htm
古代米についての説明や5種類の古代米が写真入で説明。

イセヒカリ

http://www2s.biglobe.ne.jp/~adumitei/yoshino/yoshino.htm
イセヒカリの由来や収穫の様子紹介。
お米をいただいた吉野森男さんのhp

新潟県の郷土料理

http://www.nicol.ac.jp/~honma/present/kyoudo.html
新潟県の郷土料理。約500もの郷土料理とレシピが紹介されている。

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