E-Square ProjectEスクエア・プロジェクトホームページへ 平成13年度 成果報告書
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ア・ラ・カルト方式による学社協働「こめのくに」

6.8 事例(8)

 「めざせ!土沢・米博士」 新潟県岩船郡関川村立土沢小学校教諭 倉松 栄

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6.8.1 「めざせ!土沢・米博士」

 実践校:新潟県岩船郡関川村立土沢小学校
 指導者:教諭 倉松 栄

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6.8.2 教育実践活動の概要

1 関係教科名
 ・ 総合的な学習の時間

2 概要
 自分の地域の稲作に関心をもち,稲作体験や調べ活動を通して農業のすばらしさと難しさを感じ取りながら,米について自分なりの考えをもつ。
 米について調べたことや考えたことを整理し,自分なりの表現方法で他の人に伝える活動を行う。

3 教育効果・成果等
 ・ 稲作りや米の食味検査等の体験活動を取り入れたことにより,地域の米について自分なりの課題をもって調べ活動を行い,自分なりの考えをもつことができた。
 ・ 活動の中でお世話になった人たちを招いて収穫祭を開き,自分が米について追求したことを発表した。その発表内容についてコメントを聞くことで,自信を深めたりより深く考えたりすることができた。
 ・ バケツ苗の生長の様子をデジタルカメラで記録したり発表場面でプレゼンテーションソフトを使用したりすることにより,情報機器が身近になり活用の幅が広がった。
 ・ 使用する画像等の枚数や発表時間を制限することにより,得た情報の中から伝えたいものを選択し,自分の伝えたいことをより明確にして表現することができるようになった。

4 対象学年・人数
 小学校5年生 9人

5 実施機関
 平成13年4月〜14年3月

6 施設・設備・メディア等
 パソコン5台,校内LAN,デジタルカメラ5台,デジタルビデオカメラ2台,インクジェットプリンタ3台,ISDNによるインターネット接続,スキャナ1台,図鑑等の書籍,NHK学校放送,電話・ファックス

7 協働機関・協力者等
 ・ 地域住民
 ・ JAいわふね
 ・ カントリーエレベーター
 ・ 新潟食料事務所
 ・ 育苗センター

8 スケジュール
 (別紙1の指導計画参照)
 4月中旬 育苗センターの見学
 5月中旬 学校田の田植え,バケツ稲の観察開始
       以後,稲刈りまで定期的に観察・記録
 6月中旬 草取り
 9月    カントリーエレベーターの見学
       自分の課題について調べる活動
 10月上旬 稲刈り
 10月中旬 脱穀
 11月中旬 食味検定体験
 11月下旬 収穫祭(発表会)
 2月下旬 地域の米作りについてwebで発信予定

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6.8.3 教育実践活動報告

1 収穫祭で調べたことを発表
 米作りについて調べてきたことや自分の米作りについての考えを発表する場として設定した。調べ活動の際にお世話になった方々に自分たちの学習発表を聞いてもらい,それらに対する感想や意見をうかがった。

2 学校教育放送の利用
 NHKの学校教育放送を活用した。また,テレビ番組だけでなくNHKの学校教育放送ウェブページ(学校放送ONLINE)も調べ活動の際に活用した。
 ・ おこめ http://www.nhk.or.jp/okome/index.html
 ・ インターネットスクール・たった一つの地球 http://www.nhk.or.jp/tatta/index.html

3 ウェブページの活用
 こめのくに(新潟インターネット教育利用研究会)のウェブページには,米作りに関する情報が数多くあり,子どもたちは調べ活動にこのページをよく活用した。
 ・ きょうの田んぼ:
  http://www.nice.or.jp/cgi-bin/kome/komenokunidb.cgi?keys1=m12&tid=m12
 県内各地の水田の様子がわかるため,当校の水田と比較することが容易にできた。この活動を通して,地形に合った水田作りをしているという視点をもつことができた。

4 食味検定の体験活動
 学校田で作った「コシヒカリ」をこめのくにプロジェクト参加校に配り,食味検定の検定米にしてもらった。食味検定をした学校から検定結果と感想が寄せられ,子どもたちは自分たちの米作り(自分たちの地域の米作り)に対して自信を深め,それらの学校と交流したいという願いも生まれた。

5 自分のこだわりをウェブページで発信(予定)
 1年間かけて米作りについて学んだ子どもたちは,自分の課題を追求した結果やそれに対する自分の考えなどをウェブページで発信しようと取り組んでいる。
 ・ 土沢小学校のページ:(掲載準備中)http://www.iwafune.ne.jp/~kiride/

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6.8.4 教育実践活動の実施体制

 5年生9名による総合的な学習の時間(一部社会科を含む)。 担任による指導で実施。

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6.8.5 指導計画および指導案

 (資料参照)

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6.8.6 教育実践活動の準備作業

 ・ 情報機器の整備
 ・ LAN環境の整備
 ・ バケツ苗の調達
 ・ 協力者への依頼と事前打合せ
 ・ 見学のための交通手段の確保

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6.8.7 教育実践活動における留意点,課題の抽出

 ・ 総合的な学習の時間において多くなるであろうグループ活動では,活動場所が複数になる場合があるので,全グループを掌握することが難しい。級外の教員の引率等,配慮する必要がある。
 ・ 調べる方法を聞くと,すぐにインターネットという答えが返ってくるが,それ以外にもインタビューや電話,書籍などの調べ方があることを再認識させる場を設定し,調べる方法に幅を持たせるようにしたい。
 ・ インターネットを使う経験があまりない子どもたちだったので,前もってリンク集を作成しておくとよかった。
 ・ 学習発表会においてコンピュータや教材提示装置を使って発表する児童が多かった。今後は,動きを見せたい場合はビデオ,音を聞かせたい場合はカセットテープやMDといった効果的な表現の方法を考えさせていく必要がある。

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6.8.8 教育実践活動の対外的な公開,普及方法

 ウェブページよる公開
 当校のページに公開を予定している。
 土沢小学校:http://www.iwafune.ne.jp/~kiride/

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6.8.9 協働機関,支援者,協力者の役割と要件および関係構築と維持方法

 ・ 支援者,協力者の役割と要件
  支援者:専門的な立場から農業(特に稲作)について指導・助言をいただく。農業を職業としている方,専門機関等で研究している研究者等。
  協力者:子どもたちといっしょに活動したり引率したりしていただく。保護者等の地域住民。
 ・ 関係構築と維持方法
  JA,食料事務所,役場への依頼により人材を探したり,今までの支援者に依頼したりする。事前の打合せを十分に行い,学習のねらいや学習時間等について相手に明確に伝え協力を仰ぐ。子どもたちの感想文や礼状の送付。学習発表会等への招待を通して感謝の意を伝えるようにする。

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6.8.10 資料

第5学年 総合的な学習の時間の学習指導案

平成13年11月16日(金)
指導者 教諭 横山みゆき

1 単元名
 「めざせ!土沢・米博士」

2 単元の目標

  • 自分の地域の稲作に関心を持ち,稲作の体験や調べ活動に積極的に取り組む。
  • 農業のすばらしさ,難しさを感じ取るとともに,米について自分なりの考えを持とうとする。
  • 米について調べたことや考えたことを整理し,自分なりの表現方法で他の人に伝えようとする。

3 単元と児童

(1)児童の実態(男子5名,女子4名,計9名)

  • 男女とも明るく素直でのびのびとしている。与えられた課題に対して,最後まで根気よく学習に取り組むことができる。しかし,自ら問題を見つけ,疑問に思ったことを調べて解決していこうという意識は低く,よりよいものを追求しようとするところまでは至っていない。友達の意見に流されやすい傾向もあり,自分の考えに自信を持って発表できる児童は少ない。
  • これまでの学習では,デジタルカメラで撮影記録して,その画像を生かした全校朝会での発表や観察カード・新聞の作成などの活動に取り組み,表現の幅も広がってきている。
  • 4年生の社会科では,北海道の様子について調べたことをプレゼンテーションソフト(JUSTSYSTEM「はっぴょう名人」)を使って,クラス内で発表会をしている。
  • コンピューターの基本的操作は全員行えるが,文字入力(ローマ字入力)の速度には個人差がある。
  • 9名中,6名の家で稲作に従事しており,米作りに対する関心は高い。1学期に社会科「稲作にはげむ人々」では,稲作の仕事の様子や稲作の工夫や努力,農業の機械化などについて,家庭からの聞き取り調査や資料集を使用した学習を行った。
  • 理科「植物の発芽と成長」では,インゲン豆とトウモロコシを使って発芽の様子や成長に必要な条件を学習した。その後,バケツ稲のことを知り,種もみを入手し,発芽や成長の様子を観察している。

(2)単元の構想

地域の特性から
  • 霧出郷と称する学区は自然が豊かであり,地区の約80%が農業世帯で高齢者が多く,稲作について,こだわりを持っている方がたくさんおられ,育苗センターや農協などの施設も学校近くにある。
  • 子ども達は学習の中で,このような地域の方や施設から情報を得ることによって,米作りの大変さに気づいたり,米を作っている人たちに対する尊敬の念を抱いたりしてくれると考える。
  • PTAから「休校田で米を作ってみないか」「子ども達に稲作体験をさせたい」というお話があり,全校で6畝の田をお借りしてコシヒカリの栽培に取り組んだ。
  • 米作りに焦点をあてて地域とかかわる活動を持つことは,子ども達と地域の方々とのつながりを深めることができ,郷土に誇りを持つことにつながると考える。
米作り体験
  • 4月の社会科の時間に「バケツ稲」の説明をしたところ,種もみから育てたいというこだわりを見せた。こうした姿から,米作りは子ども達の意欲的な追求を引き出せる活動であると感じた。
  • 「バケツ稲」の栽培の開始時に,土作り,種もみの入手方法などを家の人に相談し,適切な助言をいただいた。
  • 地域の稲に比べて出穂が遅れたときにも,地域や家の方から苗の状態に応じた助言をいただいた。こうした交流の中で「おじいちゃん(お父さん)はすごい。」「この地域には米作りに詳しい人がたくさんいる。」など,地域には米を大事に考えている人がたくさんいるということに気づいていった。
  • 学校田は離れていて日々の観察が困難なので,バケツ稲やペットボトル稲で日常的に成長の変化を観察し,夏季休業中でも自宅で観察が継続できた。自分の苗に親しみを感じるとともに,一粒の種もみからたくさんの米がとれる米作りのおもしろさや難しさを感じ取ることができた。
  • 学校田での田植えや田の草取りなどの作業を体験し,米に関する関心意欲を持たせることができた。また,作業を通して地域の方との交流が生まれ,教えていただく環境が育ってきた。
おいしい霧出の米
  • 米の収穫後,他地域産米や他品種の米を食べ比べる活動を取り入れ,この食味検査のデータを数値化してグラフにまとめた。この結果やこれまでの活動の振り返りから,子ども達の意識が「米の品質」に変わっていった。
  • イメージマップ的な手法を取り入れたりして,おいしい米作りなどについて,自分なりの課題を見つけて,次の学習段階に活動を進めることができた。
調査活動
  • 自分の課題について,「どのような情報」が「どのような手段(誰に聞くのか,何で調べるのか)」で得られるのか確認させ,目的を持って活動させる。
  • 得られた資料や情報のメモなどをポートフォリオにして,振り返りや発表ができるようにしておく。
発表活動
  • 情報が集まってきたら,収穫祭を企画するなどして,調査結果をたくさんの人に伝える場を設定する。
  • 「より分かりやすく」「正確に」地域の方に伝わるように,学習成果を課題別グループごとにまとめさせ,協力して発表させる。
  • 地域の方から学んだことを地域の方から聞いてもらい,感想を伺うことで,これまでの調査活動に充実感を味わわせるとともに,今後の活動に自信を持たせたい。
これからの米作り
  • これまでの学習を振り返るとともに,自分たちの地域の将来の米作りについて「米論文」にまとめさせることにより,「地域に生きる自分」の課題として米作りをとらえ直させたい。
  • 自分達もインターネットを通じて情報発信ができることを知らせ,Webページ作成意欲を持たせたい。
  • 作成にあたっては,収穫祭で発表したものを生かすようにしていきたい。また,著作権についても教えていきたい。

■この単元を通して子ども達に育てたい力

○情報の活用

  • 地域の米のおいしい理由を探るために,地域の人や専門施設の人に,納得するまで聞いたり,質問したりする力
  • 本やインターネットなどで自分が必要とする情報があったとき,メモしたり,印刷したりして,得た情報をポートフォリオファイルにつづっていく力
  • 調べたことを文字だけでなく,図や表,グラフにまとめたり画像を使ったりするとともに,内容の配列などにも工夫して,相手によく分かるように表す力

○自己を見つめ直す

  • 米について調べたことを自己評価,相互評価することにより,自分の活動を振り返り,友達のよいと思ったところを取り入れ,自分の活動を改善する力

○郷土から学ぶ

  • 米作り体験や調査活動を通して地域の米作りを探りながら,地域の自然の豊かさや農業問題について主体的に考え,日本全体の農業を考える力

本校の研究仮説に対しての取り組み

研究仮説(1) 伝えたいことや伝えたい相手を明確にし,表現に対する見通しをもつことによって,進んで表現するようになる

○「伝えたいこと」は米に関して自分なりに持った問題について調べたことである。自分なりの課題を持たせるために,バケツ稲や学校田での作業,米の食味検査の体験活動を想起させる。

○「伝えたい相手」は,2次では地域の人である。3次では,2次でまとめたことに自分の考えを付け加え,Webページに載せる。よって3次の「伝えたい相手」はWebページを見てくれる不特定多数の人である。

○「表現に対する見通しをもつ」とは,次のようなことが分かることである。

(1)米について何について調べたいのかが分かる。
(2)自分が持った課題について,どのような方法で調べるのかが分かる。
(3)調べた結果,分かったことは何か,もっと知りたいことが分かる。
(4)どのような表現方法(機器,実物,紙に書くなど)で伝えるのかが分かる。
(5)収集した情報をどのように(図や表など)表したらよいかが分かる。
(6)収集した情報を相手に分かりやすく伝えるにはどのような構成で発表したらよいか,イメージすることができる。

 そのために次の手立てをとる。
(1)何について調べるのか,記録させ,目的を持って調べ活動ができるようにする。
(2)調べて分かったこと,もっと調べたいこと,疑問に思ったこと等をメモさせる。
(3)収集した資料やメモした情報をポートフォリオファイルにつづり,自分の活動を振り返られるようにする。
(4)これまで経験した表現方法を確認し,どのような場面でどのような機器を使うとより効果的か考えさせる場を設定する。
(5)課題別のグループで発表方法や発表内容について相談させ,何をどのように伝えたいのか明確にさせる。
(6)発表内容を簡単にメモさせ,どうすれば相手に分かりやすい情報になるか考えさせる。
(7)6年生や他の学校のものを参考にしながらWebページを作成する。収穫祭で発表したものを生かし,紙にかいた図や表はスキャナーで読み取る。「はっぴょう名人」を使用し,Webページを作成する方法を教える。

研究仮説(2) 評価の観点を明確にし,自己評価したり相互評価したりすることによって,自分の表現を見直すようになる

○発表についての評価項目を設定し,課題検討会や他教科でも,自己評価および相互評価を行うことによって,内容を吟味したり,自分の表現を見直したりする機会を持たせる。評価項目の設定については,自分の発表のめあてを自己評価項目に,クラスで話し合った発表の観点を相互評価項目に取り入れる。

○評価カードをファイルして,自分の表現の変容を振り返らせるとともに,児童個々に対する支援・援助を行って,表現方法の工夫を促す。

○収集した情報のメモや資料などをポートフォリオファイルにつづり,自分の調べ活動の足跡が分かるようにし,調べ活動の成果を自己評価させ,新たな活動へ自信を持たせる。

4 指導計画(全60時間)
指導計画(全60時間)

5 本時の指導

(1)ねらい

  • 自分たちが追究してきた米に関する情報を,自分が選んだ表現方法を使って分かりやすく発表することができる。
  • 他のグループの発表を聞き,発表の観点をもとに評価するとともに,自分の発表の向上に生かすことができる。

(2)本時の構想

  • 地域の米のおいしさを体験した後,地域の米について,子ども達は次のような課題を設定した。
    • 霧出の環境は,米作りと関係があるのか。
    • 米の種類は何種類か。
    • 霧出の人たちはどのように米作りをしているのか。
  • 課題別グループに分かれ,地域の人や専門施設の人に聞いたり,インターネットや新聞で調べたりして,自分の課題について追究してきた。調べ活動にあたっては,何を調べに行くのか目的を持たせてから活動させたり,分かったことや新たな疑問はないかもっと調べたいことはないかメモさせたりして,各グループの状況にあわせて,追究が深まるよう支援してきた。
  • その後,米について調べたことをたくさんの人に伝えたらどうかと投げかけたところ,米作りでお世話になった地域の方を招待して収穫祭を開くことになった。地域の方に「興味を持って聞いてもらうために」「分かりやすいように」するために,どのような内容をどのような方法で発表したらよいか,グループごとで相談する場を設けた。
    その後,発表内容が分かりやすくなるような図や表を作成したり,内容にあった画像を選んだり,発表に使う機器を選んだりして準備をすすめてきた。本時は収穫祭での発表をより興味深く分かりやすくするための中間発表会である。
  • 準備段階で伝える相手(地域の人であること)を確認し,クラスで発表内容,表現方法それぞれの観点を話し合った。自分の発表のめあては前時に自己評価カードに書かせておく。
    授業の導入時に,自分の発表のめあてと聞く視点を確認し,自己評価・相互評価をさせる。
  • 一つのグループの発表が終わるごとに自己評価及び相互評価を行い,その後,質問,感想を聞いていく。
  • また,調べる過程で,努力したことや大変だったことなど,発表の中には見えない友達のがんばりを紹介し,調べ方を広めるとともに,お互いのよさを認め合えるようにする。
    グループの発表後,質問や評価されたことをもとに,課題別グループで今日の発表についての反省を話し合わせる。さらに,収獲祭でがんばりたいことや収穫祭に向けて取り組みたいことを考えさせ,収獲祭に向けての意欲が高まるようにしていきたい。

仮説についての取り組み

研究仮説(1) 伝えたいことや伝えたい相手を明確にし,表現に対する見通しをもつことによって,進んで表現するようになる
  • 伝えたいことは「霧出の米」について自分なりに問題を持ち,調べた結果分かったこと,発見したことである。
  • 伝える相手が地域の人たちであること,クラスで話し合った発表の評価の観点を授業の最初に確認する。
  • 会場が図書館であり,広く聞いている人も多いことを知らせ,状況にあった発表方法について考えさせておく。
  • 本時は収穫祭へ向けての中間発表であり,自分たちの発表をよりよくするためにお互いに意見交換することが目的であることを告げ,「失敗しても良いから堂々と発表しよう。」「もっと良い発表になるように意見をたくさん出そう。」というような学習への心構え(見通し)を持たせる。
研究仮説(2) 評価の観点を明確にし,自己評価したり相互評価したりすることによって,自分の表現を見直すようになる
  • クラスでどのような収穫祭にしたいのか話し合い,その中で発表の仕方や発表内容の評価の視点について考えてきた。本時はクラスで話し合った発表の評価の観点を取り入れ,評価カードを使って相互評価をする。
  • 発表のめあてを個々に考えさせ,自己評価の観点に取り入れる。
  • 友達の意見を参考にして,課題別グループごとに自分たちの発表をより良くする方法について考えさせる。

学校田の稲刈り

学校田の稲刈り
千歯こきによる脱穀作業
千歯こきによる脱穀作業
(3)本時の展開
教師の働きかけと予想される児童の活動・反応 ●情報の活用 ○支援 ◎評価
1.ねらいを確認する。
「霧出の米」について,地域の人に興味を持って,分かりやすく聞いてもらうために,クラスのみんなで確かめ合いましょう。聞く人は質問や良い点,取り入れてまねしたいところ,直すともっといい発表になるところを発表しあいましょう。


2.発表,質問,感想発表をする。
霧出の環境
 ・ 霧出の田は山の清水をひいて作っているところがある。
 ・ 気温の差があって,おいしい米ができる。
米の種類
 ・ 霧出で作っている米の品種は○○だった。
 ・ 作られた米は, ○○の地域に運ばれていく。
 ・ 酒米は,酒造会社に行き,酒になる。
作っている人
 ・ 米作りで大切なのは○○,という人が多かった。
 ・ 米作りは大変だけど,がんばって作っている人が多かった。
 ・ 霧出は米を作るのに適している場所だということがよく分かった。
 ・ 米の品種がたくさんあってびっくりした。
 ・ 関川の米は,おいしいということがよく分かった
 ・ 五百万米(酒米)は,お酒になり,いろいろな所で,売られていることが分かった。
 ・ いろいろな人にインタビューしていて,すごいなあと思った。
 ・ 写真があってよく分かった。
 ・ もう少しゆっくり話すとわかりやすい。

3.発表を振り返る。
各グループで今日の発表でよく出来たところやもっとこうするとよいなあという点を話し合いましょう。
 ・ 質問されたことを発表内容に取り入れよう。
 ・ もう少し調べてみたい。
 ・ 聞きやすいようにもう少しゆっくり話そう。
 ・ 本番もすらすら言えるように発表しよう。

●授業が始まる前に自分たちが発表に使う機器の準備をしておく。
・ 自分たちがまとめた情報を見てもらい,内容面と表現面で意見や感想を聞き,収穫祭へ向けて改良していくことを知らせる。

●視聴覚機器を使いながらグループごとに発表する。(操作)
○視聴覚機器の活用がスムーズに行くよう支援する。
○評価の観点を明確にして,集中して聞くように促す。

◎発表の観点を意識しながら発表しようとしたか。
○1つのグループが終わるごと自己評価,相互評価を行い,その後,意見交換を行わせる。

○良い点と改善点を話し合うように働きかける。
○良い点は教師側でも積極的に賞賛し,自信を持たせるようにする。
◎他グループの発表の良い点や改善点を真剣に考え,伝えることができたか。




○次回の発表に生かせるよう,前向きな評価ができるよう支援する。
◎友達の意見を参考にし,グループごとに今日の活動を振り返りることができたか。

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