あの時、あの一歩。

あの頃のままの自分がいる。

───今でもあの頃の作品を見ますか?

里奈:  はい。たまに見ますね。(見ると)恥ずかしいですね。

───まだやり残したことがありましたか(笑)

里奈:  う〜ん・・・というよりも、あの頃の(自分の)気持ちを思い出しますね!
時々、自分がつまらない大人になってるなぁ、とか。なりつつあるんじゃないだろうか、って。あの頃の自分に対して恥ずかしくなる時があります。
 あの頃は可能性が無限大!じゃないですけど、本当に自分がやりたいって思って動いていたし、妥協をすることを知らなかったですし(笑)、とにかく、がむしゃらでもいいから前に進んで行けば、道がひらけていく気がしていました。

───そんな自分が今もネットの中にあって、励ましてくれるんだから、本当に財産かもしれないね。

里奈:  本当にそう思います。自分が生きた証がネット上に残っていること、それも、大臣賞という立派な賞とともに記録されているなんて・・・本当に幸せなことです。もし、行動を起こすことが1年でも遅ければ、入賞することもできなかったかもし、展開が違っていたかもしれない。今日の行動一つが明日を変え、人生をも大きく左右するようで。高校2年の、あの時の、あの1歩を諦めずに踏み出したから今の自分があるような気がします。

───・・・諦めるな!とハッパをかけてくれたお母さんにも感謝だね。

里奈:  私の場合は、やはりまず、ファッションプロジェクトのときに、「こういうものをやりたい!」って学校に提出したときに、受け入れてもらえなくて・・・。その話をした時、もし母親が「何だ、その学校は?」みたいな意見だったら、私も違う方向になっていたと思うんですけど、そうではなく、「絶対分かってくれる人がいるから」って他の道を探すように促してくれたっていうのが、凄くポイントだったなと思いますね。それがこのコンクールでした。

───最近の表彰式で小学生たちの凛とした姿は、他人から評価を受けたことがとても嬉しいんだよね。4,5年生あたりだと目がキラキラとして来年も絶対に来たい!って口を揃えて言うんだ。毎年、あの凛とした姿をみるのがとても楽しい。
最後に後輩に対して何かコトバをかけてもらえますか?

里奈:  そうですね。何か打ち込むものをみつけてほしいなとは思います。


後記
 帰りのゆりかもめの中でも余韻のような話がつづきました。里奈さん達が取組んだプロジェクトは彼女達自身もそうですが、参加した地元の方々も大きく心を動かされた筈です。私は最後に、「今度は大人として後輩の高校生達に絡んでみるもの面白いんじゃない!」と提案しました。
 先輩達が残してくれた成果を大切に教材として活かすことも重要であると同時に、その先輩を越えることを目標にチャレンジして欲しいと強く思うのです。

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