産業界との協力授業
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実践事例
地域を支える房州ビワ〜その歴史と生産、流通を学ぶ〜
「ビワの加工品」
実施した教育機関・生徒数・実施日
■千葉県富浦町立富浦小学校
学年 クラス 生徒数 実施日 合計授業時間
第4学年 1クラス 38名 平成14年11月6日 55分

■千葉県富浦町立八束小学校
学年 クラス 生徒数 実施日 合計授業時間
第4学年 1クラス 9名 平成14年10月29日 55分

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実施した教科・単元
■千葉県富浦町立富浦小学校
学年 教科名 単元
第4学年 社 会 びわ栽培のさかんな地域から
-飛び出せびわ探検隊

■富浦町立八束小学校
学年 教科名 単元
第4学年 社 会 地域向上に尽くした人々

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主催した教育機関
千葉県富浦町教育委員会
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授業概要
 新学習指導要領では「地域の産業や消費生活の様子、人々の健康な生活や安全を守るための諸活動について理解できるようにし、地域社会の一員としての自覚をもつようにする」として、地域産業を軸とした地域社会学習を重視している。
 枇杷の生産は千葉県富浦町一帯の主要産業であり、枇杷を中心にした加工品、観光産業なども展開され、町民の生活に深く根付いたものである。
 富浦町で販売されているビワ関連製品の多様さを示し、枇杷が特産物であることを示すとともに、まずビワ加工製品であるビワジャムを食べさせて興味をもたせる。今食べたジャムがどのようにして作られるか、その製造工程を動画を含むWEBコンテンツを操作しながら説明する。昔は枇杷が取れる6月しか加工できなかったが冷蔵室や半製品にすることで1年中、ビワジャムなどが作れるようになったことを学ぶ。講師が代わり、枇杷の実だけでなく枇杷の木を含めさまざまな利用方法や商品を紹介し、産業として成り立っていることを学ぶ。最後に現在、枇杷で利用されていないものが一つだけあり、それを児童に質問し、「あなただったらどう利用する」と質問し、解決意識をもたせ終了する。
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授業のねらい
 育てた枇杷の有効利用を可能にした加工品生産について、地域の人々の苦労や工夫、特に「昔は傷になった枇杷は山に捨てていたが、このような加工技術で無駄にならなくなったこと」、「捨てるところがないように売り物にしていること」を学び、枇杷産業に関わる人々に対する敬意と地域に対する愛着を育む。
 さらに講師の話に合わせて該当する情報を表示するといったコンピュータ操作を可能にし、動画やFLASHなど最新のIT技術を使ったコンテンツでの学習方法を身につける。
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授業内容
実施単位 テーマ
1時限目 ビワの加工品

実施場所 千葉県富浦町立八束小学校コンピュータ室
千葉県富浦町立富浦小学校4年生教室、コンピュータ室
実施時間 各校55分
講師 株式会社とみうら
兼重芙美子、三浦千代子
使用教材 WEBコンテンツ、枇杷加工品、
ビワノート、富浦小学校では枇杷の木の枝を使用

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
 株式会社とみうらで製造・販売している枇杷製品(約10数種)をみせ、実際にビワジャムをクラッカーにつけて食べてもらい、具体的な加工の様子や、加工品がどのように地元に役に立っているかをWEBコンテンツを利用しながら授業を行った。
 説明は両校ともPCとプロジェクターを使用して行った。八束小学校では「枇杷ジャムの試食(八束小学校)」の写真の通り児童はPC教室の会議宅に全員(9名)集まった。
 富浦小学校は教室とPC教室で授業を行った。説明は講師用PCの画像を各児童が使用するPCに表示するように制御して行った。児童は2人で1台のPCを使用した。

■内容
0〜15分(担任の授業)
 枇杷ジャムをクラッカーにつけて食べてもらいながら、いろんなビワ製品に触れ、ビワノートに感想・疑問を記入させる。
 児童から感想や疑問点を発表してもらうが、ここでは疑問点に答えない。
 富浦小学校ではここでPC教室へ移動した。

 〜30分(講師の授業)
「冷蔵室でビワを保存、半割、ジャムの製造」
 以前は枇杷が採れた時期にしか加工品が作れなかったが、冷蔵室で保存したり、半製品にして保存することで、1年中、必要になった時に加工品を作ることが出来るようになったこと、つづいて実際に枇杷ジャムの製造工程を講義した。
授業しながら先ほどの児童の質問に答えた。
最後に質疑応答を行った。
説明に使用したWEBコンテンツ
・ 枇杷の加工品ができるまでをMacrmedia(R)Flashコンテンツを使用しながら説明。
・ 冷蔵室は静止画で説明。
・ 枇杷ジャムは動画コンテンツを使って説明。 

 〜40分(講師の授業)
「くず枇杷の有効利用」
 今まで、傷のついた枇杷は農家の人が捨てていた。しかしジャムとかゼリーなど加工品が作られるようになって捨てていた枇杷も加工品として売れるようになった。農家の人もお金が入るようになって喜んでいる。ビワの葉のお茶や、お風呂に入れるビワの葉の製品もあり、いろんな人達が新しい製品や枇杷の有効利用を考えている。ビワの種も売れるようになったことを説明した。
 まだ捨てているところがあり、それはどこかを児童に質問させた。
 枇杷の皮を捨てていることが分かり、講師から児童に対して「あなたならどう利用する」という質問に答えてもらって終了。
説明に使用したWEBコンテンツ
・Macrmedia(R)Flashコンテンツ

 最後に質疑応答を行ったあと、八束小学校では児童全員各1台のPCで実際に授業で使用したコンテンツに自由に触らせた。

枇杷ジャムの試食(千葉県富浦町立八束小学校)
枇杷ジャムの試食(千葉県富浦町立八束小学校)

枇杷ジャムの試食(千葉県富浦町立富浦小学校)
枇杷ジャムの試食(千葉県富浦町立富浦小学校)

ビワの製品(千葉県富浦町立富浦小学校では授業後展示した)
ビワの製品(千葉県富浦町立富浦小学校では授業後展示した)

ジャムの製造工程の説明・兼重氏(千葉県富浦町立八束小学校
ジャムの製造工程の説明・兼重氏(千葉県富浦町立八束小学校

ビワの葉の利用の説明・三浦氏(千葉県富浦町立富浦小学校)
ビワの葉の利用の説明・三浦氏(千葉県富浦町立富浦小学校)

各自コンテンツを操作(千葉県富浦町立八束小学校)
各自コンテンツを操作(千葉県富浦町立八束小学校)


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授業の成果
 ビワジャムを最初に食べさせ、今回の一連の授業に引き込むことは狙い以上の効果があった。
 担任もビワジャムをクラッカーに付けて食べさせたことに関して「非常なインパクトであった」と語っていた。講師達は富浦の子ならみんなビワジャムは食べたことがあるだろうと思っていたが、両校ともほとんどの児童達がはじめてのようだったので説明して良かったと語っていた。また実際に株式会社とみうら(枇杷倶楽部)で売っている商品を見せ、その多さ、皮以外は捨てるところがないことを学び、皮の利用方法に関しては講師と児童が一緒になって考え、これからどのようにするか児童は問題意識をもつことができた。特に昔と比べ冷蔵室や、半製品にして保存し1年中加工品が作れるようになったことが分かり、枇杷産業に関わる人々に対する敬意と地域に対する愛着を育む目標は達成できた。
 最初に9名の八束小学校での授業を行い、実施側も講師も初めてで各者感想のように授業を進める上で改善点が分かった。八束小学校では講師が全体をフォローできる人数であったため児童達には行き届いていた。富浦小学校では38人と多く、授業時間が1コマで教える内容も盛りだくさんであることが分かり、児童達にPCを操作させるのは止めた。講師の画面を各PCに表示するように制御して授業を行うことで全員講師の話と教材が並行して見られるようにしたことで集中できた。富浦小学校ではオブザーバーに枇杷について知っている方がおり、講師の補助となれた。
両校とも質問が多く、ビワノートを見るともっと知りたいとあり、今後も継続して授業を行う必要がある。
 コンテンツについては、動画やアニメーションといったリッチメディアに対して非常に集中することが分かった。
 今回の授業をきっかけに、富浦小学校の3年生が加工工場の見学を行い、今回講師になった両氏が現場で説明されたとのことで、学校と地元産業界がより身近になった。

改善点
1 コンテンツの使い方
・講師が思いを込めて話せるように、動画を先に見せて、重要なポイントや思いを伝えるために静止画のページを使う。
・講師と補助者との同期をうまく取る。講師が自分で操作するのが理想。
2 本物と触れ合う時間を増やす
・講師との話しあいの時間を増やす。
児童が記入したビワノート 児童が記入したビワノート
児童が記入したビワノート 児童が記入したビワノート
児童が記入したビワノート 児童が記入したビワノート
児童が記入したビワノート 児童が記入したビワノート

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実施環境
実施場所 千葉県富浦町立八束小学校コンピュータ室
千葉県富浦町立富浦小学校4年生教室、コンピュータ室
使用した機器 PC(八束小10台、富浦小20台)、プロジェクター
その他 両小学校のサーバにコンテンツを設定し、LANによるファイル共有で参照。

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使用教材
教材タイトル 地域を支える房州ビワ(加工編)
教材仕様 WEBコンテンツ
HTML教材 6頁
  動画教材(Windows Media Video V8)   3本
  Macrmedia(R)Flashアニメーション教材   2本
  静止画(JPEG)   36枚
教材概要 加工品ができるまでをFLASHアニメで説明
冷蔵室の利用
半割、ピューレの作り方を動画で説明
ビワジャムの作り方を動画で説明
ビワの木からどんな加工品ができるかをMacrmedia(R)Flashアニメで説明

教材タイトル ビワノート
教材仕様 PDFファイル。カラー印刷(A4、5頁)。
教材概要 今回の授業中に使用するノートで表紙と4回の授業ごとに1ページづつからなる。
各授業用は「感想」「初めて知っておどろいたこと」「もっとしりたいこと」「今日全体のこと(なんでも)」を記入できる欄をレイアウトした。

教材タイトル ビワ加工製品
教材仕様 実物(枇杷倶楽部で販売されている商品)
教材概要 実際に販売されているビワの加工品
ビワジャム、ビワカレー、ビワジェリー、ビワの葉、ビワ葉茶など

教材タイトル 枇杷の枝
教材仕様 枇杷の花が咲いている本物の枇杷の木
教材概要 摘房した枇杷の木。花や葉がついている。

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授業協力メンバー
所 属 氏 名 授業での説明
株式会社とみうらパートナー社員 兼重 芙美子
講師 ビワジャムの製造について説明
株式会社とみうらパートナー社員 三浦 千代子
講師 ビワのいろんな加工について説明
メディアアート 飯野 貴行
講師の補助(講師用PCの操作)
株式会社とみうら 渡邊 都史
講師の補助
富士通SSL 横溝 高一 コーディネーター

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授業の感想
■主催した教育機関

・多くの質問が出て、講師はすべて回答しており児童の関心が高かったので良かった。

■授業実施者
(産業界講師)

・PCを操作する人と話すことがチグハグになる。
・どんな突飛な質問をされるかと心配したが、突飛な質問はなかった。
・話なれていないので、とても緊張するし、むずかしい。
・専門的な話をどこまでしてよいのか分からなかった。
・意外にビワジャムを食べている児童が少なかった。
・1回目は大変緊張したが、2回目となると多少なれてきて自信を持った。
 (生まれて初めて小学校で講義するので1回目は前日、眠れなかった)

■担任の先生

・動画・アニメを使いつつ、講師の話があったので良い。
・仕方ないとは思うが、担任の思いと、コンテンツにギャップがある。
 しかし、授業の願いにはかなっていたと思う。
・直接講師の話を聞くことは、教員が同じことを話す以上に児童にとっては効果がある。
・静止画と動画を同じ内容を2つ見せるのは時間が無駄と思われる。
 動画をみせつつ静止画にするか、静止画をみせつつ肝心なところだけ動画にするか、という方法がある。
・最後の「ビワの皮の使い方」の児童への質問は非常に良かった。
・伝えたいことがあれば、そこはもっと時間をとってほしい。
 そこで苦労や思いを伝えて欲しい。
・もっと早く、こんなプロジェクトがあると知っていれば準備ができた。
・今回は社会科の単元であるが今後は総合に本資料を活用したい。
・今回の授業は教員が行なうと3時間分の内容であった。
・今後も機会があれば授業を行って欲しい

■児 童

・いつものパソコン授業より静かでよかった
・ビワジャムはおいしかった。しらなかった。
・ビワカレーがあるなんてしらなかった。食べたい。
・ビワはタネも葉もつかえることがわかった。

■教育関係の立場から

・身近な話だったので、良かった
・コンテンツありきになって、講師の話が補助的だった。
 できれば、話がさきにあって、コンテンツは後で見るようにする。
・加工品なども実際の製品、ピューレも生のものを出しながら話があると良い。
・講師と会話をする時間を多く。本物と触れ合うことが望ましい。
・来年度以降にふくらみがあるようなコンテンツになると良い。
 先生が追加できると良い。
・作業は1年間通して行われるので、このコンテンツは次年度に使うと良い
・児童達にいろんな疑問を持ってもらったのが良かった
・ジャムに特化した授業だったが、他の商品の説明を加えながら話すと良かったのではないか。しかし、そうすると欲張りすぎの気もする。
・質問が多く出たので大変良かった。
・調べ学習に良い。
・今後も広げていきたい。

■授業情報提供者

・今回のプロジェクトの第1回目の授業で、我々コーディネーターおよび教材制作者としても小学校での授業は初めての経験で手探りだった。
・八束小学校(9名)、富浦小学校(38名)で授業の方法を少し変えた。
・児童達に直接PCを操作させて授業を行うよりも、プロジェクターで行ったほうが結果としては良かった。本来は児童達に自由に触らせ、授業も児童達が触って得たことを取り入れるのが理想であったが、授業時間が45分であったため、以降全授業は講師と補助員による進行方法とした。
・八束小学校と比べ富浦小学校は児童数(約4倍)が多くどうなるか心配ではあったが担任の佐野先生の配慮もあり成功だった。


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