産業界との協力授業
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実践事例
地域を支える房州ビワ〜その歴史と生産、流通を学ぶ〜
「ビワの生産」
実施した教育機関・生徒数・実施日
■千葉県富浦町立富浦小学校
学年 クラス 生徒数 実施日 合計授業時間
第4学年 1クラス 38名 平成14年11月14日 60分

■千葉県富浦町立八束小学校
学年 クラス 生徒数 実施日 合計授業時間
第4学年 1クラス 8名 平成14年11月5日 55分

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実施した教科・単元
■千葉県富浦町立富浦小学校
学年 教科名 単元
第4学年 社 会 びわ栽培のさかんな地域から
-飛び出せびわ探検隊

■千葉県富浦町立八束小学校
学年 教科名 単元
第4学年 社 会 地域向上に尽くした人々

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主催した教育機関
千葉県富浦町教育委員会
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授業概要
 新学習指導要領では「地域の産業や消費生活の様子、人々の健康な生活や安全を守るための諸活動について理解できるようにし、地域社会の一員としての自覚をもつようにする」として、地域産業を軸とした地域社会学習を重視している。
枇杷の生産は千葉県富浦町一帯の主要産業であり、栽培の歴史も250年と古く、伝統的な栽培方法を守りながらも、品種改良や栽培技術・施設の改良に精力的に取り組む営農者も多い。また、観光農業化を図り、存続・発展をめざす営農者もいる。2回目の授業では専業枇杷農家の穂積昭治氏が講師になり、ビワの生育過程にどのような段階があり、それぞれに農家の人がどのようにたずさわっているかを学ぶ。
むかし使っていたカギ棒を見せ、これが何か、何をするものかを児童達に考えさせる。
 その後講師にカギ棒の使い方、現在のカギ棒と比較し、いかに便利になったか、いろんな工夫があることを学ぶ。
さらに富浦における枇杷生産の歴史、枇杷生産に対する年間作業表を見せて、各項目を表示しながら解説し、それぞれに農家の人がどのようにたずさわっているかWEBコンテンツを利用しながら授業を行う。
最後にビワに関する質疑応答を行う。
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授業のねらい
 枇杷生産に関わる人達の苦労、障害を乗り越える経験を学ぶことによって、枇杷産業に関わる人々に対する敬意と地域に対する愛着を育むとともに、おいしい富浦の枇杷はどのような作業工程でできるのかを学ぶ。
 さらに講師の話に合わせて該当する情報を表示するといったコンピュータ操作を可能にし、動画やFLASHなど最新のIT技術を使ったコンテンツでの学習方法を身につける。
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授業内容
実施単位 テーマ
2時限目 ビワの生産

実施場所 千葉県富浦町八束小学校コンピュータ室
千葉県富浦町富浦小学校4年生教室、コンピュータ室
実施時間 55分
60分
講師 房州枇杷振興協議会 会長
穂積 昭治
使用教材 WEBコンテンツ、カギ房、枇杷の木の枝、袋、ビワノート

授業の進行・内容 授業の様子

■進行
 担任主導でむかし使用していたカギ棒を見せ、ビワノートに感想・疑問を記入し発表してもらう。
 産業界の講師に代わり、カギ棒の使い方と、現在のカギ棒を示し作業が楽になったことを学ぶ。
 富浦における枇杷生産の歴史、枇杷生産に対する年間作業表(ビワの一年)を見て、各項目を表示しながら解説しそれぞれに農家の人がどのようにたずさわっているかをWEBコンテンツを利用しながら授業を行った。
 説明は両校ともPCとプロジェクターを使用して行った。八束小学校では児童はPC教室の会議宅に全員(8名)集まって授業を行った。
 富浦小学校は教室とPC教室で授業を行った。カギ棒を見せ、ビワノートに感想・疑問を記入するまでを教室で行い、PC教室へ移動。説明は講師用PCの画像を各児童が使用するPCに表示するように制御して行った。児童は2人で1台のPCを使用した。

■内容
0〜10分(担任の授業)
 むかし使用していたカギ棒を見せ、ビワノートに感想・疑問を記入させる。その後感想・疑問を発表してもらうがここでは答えない。

 〜40分(穂積氏の授業)  講師にこれはカギ棒というもので、このようにして使っていたと枇杷の枝と、WEBコンテンツを併用して実演した。次に現在使用しているアルミ製のカギ棒を示し、優れていることを説明した。
富浦小学校では正確に説明できた児童がいたので、それを踏まえて説明した。
 富浦で枇杷が栽培されるようになってから現在までの概要を説明し、枇杷農家の一年の作業を、年間作業表をメインにして各項目の作業概要を季節単位に講義した。
 袋掛け、摘蕾は実演した。
 最後に生産者としての苦労とそれを乗り越える努力や工夫を講義した。
 枇杷山での作業、出荷を楽にするためモノレールや林道を作り軽トラックで運搬するようになり、作業が楽になったこと、ハウスでビワ栽培を行うことで平地でも枇杷が出来るようになりさらに作業が楽になったこと、露地枇杷より早く取れるようになり、農家の収入も多くなったこと等を講義した。

 〜45分(担任の授業)
 担任の主導で1年の枇杷栽培の仕事に対する質疑応答を行う。

カギ棒が何かを担任が質問(千葉県富浦町立富浦小学校)
カギ棒が何かを担任が質問(千葉県富浦町立富浦小学校)

カギ棒の説明と実演(千葉県富浦町立八束小学校)
カギ棒の説明と実演(千葉県富浦町立八束小学校)

袋掛け用の袋のいろいろ(千葉県富浦町立富浦小学校)
袋掛け用の袋のいろいろ(千葉県富浦町立富浦小学校)

ハウスビワのことなどをビワノートに記入(千葉県富浦町立富浦小学校)
ハウスビワのことなどをビワノートに記入(千葉県富浦町立富浦小学校)


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授業の成果

 富浦でも非常に少ない専業枇杷の穂積氏の本物の話であり、質問には児童に理解できる言葉で適切に答え、講師の枇杷作りに対する情熱と尊敬の念を持つことができた。実際に枇杷農家の児童もいたが、ビワノートにも「びわについてもっと知りたい」の記述が多くみられ、またアンケート結果でも「先生の授業をまた絶対受けたい」が多く成功であった。
 講師がおいしくて大きい枇杷をつくるため一年間の仕事を年間作業表を使用して説明し、病気や害虫を阻止するための方策、袋の種類は枇杷の種類で違うこと、富浦のビワがなぜ大きいかが理解できた。また作業は昔に比べ、モノレールや林道ができ楽になったこと、ハウスビワ栽培でビワの取れる時期が長くなり、さらに高い値段で売れることが分かった。
今回、実物の袋かけの袋を見せ、袋にもいろんな工夫が施されていることが分かり、興味を持った児童も多かった。担任によると袋だけでも授業ができるとのことで、授業の幅を広げることができた。穂積氏のところでは年間袋代が100万円になること、100円の売値に対する原価の割合は小学4年生にとっては難しいが、1円の袋と袋掛けの作業は大きなコストであることを教えるべきであった。
しかし全体的には担任、講師、オブザーバーのアンケート結果からも「目標以上の効果」があった。
 コンテンツにはプロのナレーターによるナレーションがあるが、八束小学校の授業で、講師の生の声の方が児童には思いが伝わるため、富浦小学校の授業ではコンテンツに設定したナレーションは使用しなかった。8人の八束小学校の次に38人の富浦小学校の授業で、講師も熟達度の面からも良くなった。
 
改善点
1 講師の質問で、鹿児島、桜島が出たとき、インターネットに接続していたのでサーチエンジンを使用して児童に見せるべきだった。せっかくインターネットのメリットを見せるチャンスであったが実現できず残念。
2 講師はマイクを使う。
3 大きなPC教室ではもう一人講師と同等の知識を持つ補助講師をおき巡回を行う。
4 枇杷園での授業(実習)も行う。

児童が記入したビワノート 児童が記入したビワノート
児童が記入したビワノート 児童が記入したビワノート
児童が記入したビワノート 児童が記入したビワノート
児童が記入したビワノート 児童が記入したビワノート

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実施環境
実施場所 千葉県富浦町立八束小学校コンピュータ室
千葉県富浦町立富浦小学校4年教室、コンピュータ室
使用した機器 PC(八束小10台、富浦小20台)、プロジェクター
その他 両小学校のサーバにコンテンツを設定し、LANによるファイル共有で参照。

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使用教材
教材タイトル 地域を支える房州ビワ(生産編)
教材仕様 WEBコンテンツ
HTML教材 11頁
  動画教材(Windows Media Video V8)   1本
  Macrmedia(R)Flash アニメーション教材   2本
  静止画(JPEG)   15枚
教材概要 富浦のビワの歴史(写真と文章による説明)
ビワの一年(ビワ生産に関する、年間作業表をMacromedia(R)Flashアニメションで説明)
各作業項目は当該コンテンツにリンク
花もぎの説明
   摘房、摘蕾のMacrmedia(R)Flashアニメションによる説明
   摘果のMacrmedia(R)Flashアニメションによる説明
袋掛けの説明
収穫の様子の説明
出荷風景を動画で説明
観光ビワ狩りの説明
ハウスビワ園の説明

教材タイトル ビワノート
教材仕様 PDFファイル。カラー印刷(A4、5頁)。
教材概要 今回の授業中に使用するノートで表紙と4回の授業ごとに1ページづつからなる。
各授業用は「感想」「初めて知っておどろいたこと」「もっとしりたいこと」「今日全体のこと(なんでも)」を記入できる欄をレイアウトした。

教材タイトル 枇杷の袋
教材仕様 枇杷の実にかける袋
教材概要 枇杷の種類によって、いろいろあり、今回は6種類準備した。
富浦小は人数も多いので、20〜30枚程度準備した。

教材タイトル 枇杷の枝
教材仕様 枇杷の花が咲いている本物の枇杷の木
教材概要 摘房した枇杷の木。花や葉がついている。カギ棒の使い方が分かる程度に大きいもの。授業の様子「カギ棒の説明と実演(八束小学校)」の写真を参照。

教材タイトル カギ棒
教材仕様 枇杷の枝を引き寄せる実物
教材概要 昔使用していた木製のカギ棒
現在使用しているアルミ製の収縮するカギ棒

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授業協力メンバー
所 属 氏 名 授業での説明
房州枇杷振興協議会 
会長
穂積 昭治
講師 ビワの生産について説明
メディアアート 飯野 貴行
講師の補助
株式会社とみうら 渡邊 都史
講師の補助
富士通SSL 横溝 高一 コーディネーター

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授業の感想
■主催した教育機関

・持ってきたビワの枝の花をもっと触らせてほしかった。
・最初の15分をもう少し絞れば、時間的には問題ない。
・講師がいるときはいいが、いないときにも先生が同じ説明ができるような虎の巻みたいな解説書があるとうれしい。

■授業実施者
(産業界講師)

・児童達の興味を引くのは大変。児童の顔を見ながら授業した。
・話が行ったり来たりしてしまった。
・4年生の授業としてどこまで掘り下げた学習ができるか判っていなかった。
・富浦小学校では前回の八束小学校の反省を活かして授業をした。うまくいって良かった。もう一回行うと余裕ある授業ができる。
・どのような場所に枇杷を植えれば良いか、おいしい枇杷はどのような作業工程で作られるのか勉強して欲しい。
・袋に興味を持ってくれたのは良かった。
・やはり枇杷山やハウスの園地で、疑問点に対して答える授業が良いだろう。
・児童達においしい枇杷を食べてもらいたい。
・「ビワ農家になりたい人?」と聞くのを忘れた。

■担任の先生

・知識面からみて講師の話、資料はとても内容が濃いものがある。
・児童達の質問に1つ1つ丁寧に答えてくださり、素晴らしくよかった。
・体験できる場面があるともっと児童達は活動・学習からより一層身近に枇杷を感じ学習できたと思われる。
・実際に作業をしている方にしか分からないこと、思いがある。学校側だけではなく受け入れて授業を行って行きたい。
・枇杷の木や道具の一部の実物が教室に持ち込まれたので理解が深まった。

■児 童

・南無谷(なむや)からビワの栽培がはじまったことがわかった。
・鹿児島で火山灰を防ぐためハウス栽培がはじまったとわかった。
・なんで大変な仕事なのに枇杷をつくるのかなぁ。
・ビワの木に700〜800もビワがなるなんてすごい。
・自分でもビワをそだててみたい。
・千葉県がビワの三大産地であることを知りました。
・袋にも値段があることがわかった。

■オブザーバー

・最初に年間作業表を見せるとよい。
・少人数での授業は良かった。講師の言葉の選び方が専門的すぎず小学生向けでよかった。
・コンテンツの進行を工夫する。
・中学生程度になれば、使える漢字も増えるのでギャップが埋まるが、小学生向けに作るのは難しい。
・途中で質問時間を入れると、飽きが来なくていいが、最終的に質問がたくさん出て良かった。
・授業の進行もスムーズでよかった。

■授業情報提供者

・メニュー一覧のようなもので講師が自分で操作して授業できるのが理想であるが、ストーリー性、講師が自分で操作できることを全て反映するのは難しい。
・前回、コンテンツに引きずられた授業になってしまったが、目的は児童に熱い思いを伝えることなので、より講師の情熱を出せる授業にした。
・クラスの一番後ろだと、少し声が聞き取りにくく、質問があっても講師ではなく傍聴者に聞いていた。
 私も先生と思われて紙袋の質問をされ、答えられず「終わって、穂積先生に聞くように」と逃げた。(自分も勉強が必要)
・富浦小は人数が多いので袋などを児童に配るタイミングの工夫が必要。


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