産業情報協力授業 教科「情報」サイト

実践事例

情報家電でつながる暮らし
テーマ名
情報家電でつながる暮らし
実施学校情報
学校名 東京都立東大和高校
学年 高校1年生
生徒数 41名
実施日 2004年10月14日(木)
合計授業時間 100分
教科・単元 教科:情報A
単元:情報機器の発達と生活の変化
授業概要 1時限目「「暮らしを変えた家電の今昔」「情報家電ってこんなイメージ」「実際に操作してみよう」「グループワーク」家電の歴史未来のイメージ、実際操作などを通じて情報家電についてのイメージを掴む。

2時限目「グループワーク」グループワークにて、あったら良いと思える情報家電を企画する、
「情報家電を支える技術」「情報サービス」グループワークで企画した内容を実現するに必要となる技術、また情報家電の活用には「情報サービス」が介在してがいる事について理解する。
授業のねらい ・情報家電についてのイメージを掴み、その利用が生活スタイルの変化に影響を与える可能性を理解する。

・代表的な情報家電の例を実機等で紹介しながら理解させる。

・情報家電の利用法などを自ら考えることにより、情報家電を支える技術を理解する。またセキュリティや個人情報保護の重要さを理解し、適切に使いこなす能力が必要であることおよび将来にわたって情報技術の活用能力を高めて行くことが必要であることを理解する。

・情報家電の利用には、ハードウエア単体の機能以外に、「つながる」ことから派生する「情報サービス」が存在することを理解する。また情報サービスが生活の質を向上させたり、社会の安全を支えたりすることに気づき、情報サービス産業への興味を喚起する。


授業内容(1時限目)
実施単位 1時限目
テーマ 「暮らしを変えた家電の今昔」「情報家電ってこんなイメージ」「実際に操作してみよう」「グループワーク」家電の歴史未来のイメージ、実際操作などを通じて情報家電についてのイメージを掴む
実施場所 東京都立東大和高等学校 PC教室
実施時間 50分
講師 松下電器産業(株) 川合
使用教材 (1)Microsoft(R) Office PowerPoint(R)ファイルドキュメント
(2)松下電器産業(株)広報ビデオ
(3)NTTdocomoFOMA P900iV 1台
(4)NTTdocomoMOVA P251iS(i-mode対応)1台
(5)インターネットカメラ PanasonicBL-C30 2台

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
(1)「暮らしを変えた家電の今昔」戦後の家電の歴史を振り返り、時代毎に家電が社会とどう関わってきたかを学習した。
教材:Microsoft(R) Office PowerPoint(R)ファイルドキュメント
(2)「情報家電ってこんなイメージ」松下電器産業(株)の広報ビデオにより、近未来の家庭での家電の使われ方をイメージさせた。
教材:松下電器産業(株)広報ビデオ
(3)「実際に操作してみよう」
・東京有明パナソニックセンターに設置されたネット家電のクーラーを携帯電話で操作する実演デモを実施した。またその模様をFOMAカメラにて中継した。
・インターネットカメラを教室内に設置し、PC教室の生徒PCより操作を行った。
教材:NTTdocomoFOMAP900iV1台、
NTTdocomoMOVA P251iS(i-mode対応)1台
インターネットカメラPanasonicBL-C30 2台
(4)「グループワーク」
次の時間に行うグループワークに関し、作業指示を行った。

■内容
(1)1960年代三種の神器(テレビ、洗濯機、冷蔵庫)、1970年代3C(ColorTV、Car、Cooler)1980〜90年代
個の時代、2000年以降情報家電の紹介。各家電について知っているかなど当てさせながら進行した。
(2) 未来の家庭のイメージビデオを流しながら、適宜説明の必要な部分はビデオを停止、またはコメントをはさみながら進めた。
(3) クーラーの制御の模様は、2台の携帯電話を一度に対比して見せたかったため、資料提示カメラに2台を並べて投影→プロジェクタに出力したが、携帯電話の画面が資料提示装置のライトに反射して見えづらい部分があった。クーラーに吹流しをつけたため生徒は理解してくれたようであった。
ネットカメラの操作は、1台のカメラに一斉に接続すると速度が極端に遅くなるため、ネットカメラに接続する生徒を5〜7名程度に絞り2人で1台のPCを閲覧、その他の生徒は参考Webサイトのネットワークカメラを操作するようにした。ネットワークカメラは自分で操作でき、教室カメラは自分たちが映るため、教室の雰囲気が和らぐ効果があった。
(4) この時限では、グループワークの進め方を具体的に指示(どのような作業をしたらよいか)し、次の2時限目につなげた。

(1)暮らしを変えた家電の今昔

-授業映像-

(2)情報家電てこんなイメージ

-授業映像-

(3)実際に操作してみよう

-授業映像-

(4)グループワーク
-授業映像-



授業内容(2時限目)
実施単位 2時限目
テーマ 「グループワーク」グループワークにて、あったら良いと思える情報家電を企画する、
「情報家電を指させる技術」「情報サービス」グループワークで企画した内容を実現するに必要となる技術、また情報家電の活用には「情報サービス」が介在してがいる事について理解する。
実施場所 東京都立東大和高等学校 PC教室
実施時間 50分
講師 松下電器産業(株) 川合
使用教材 (1)Microsoft(R) Office PowerPoint(R)ファイルドキュメント
(2)グループワーク紙ワークシート
(3)小テスト式ワークシート(紙)
授業の進行・内容 授業の様子
■進行
(1)「グループワーク」グループに分かれ、それぞれあったら良いなと思われる家電とそのサービスについて企画させ、発表させる。 (30分)
教材:紙ワークシート
(2)「情報家電を支える技術」「情報サービス」情報家電を支える代表的な技術を紹介する。また単にネットに接続されるだけでなく「情報サービス」が介在することを気づかせる。(15分)
アンケート(5分)
教材:Microsoft(R) Office PowerPoint(R)ファイルドキュメント、小テスト式ワークシート(紙)

■内容
(1) 計画時は生徒の発表1グループあたり10分見ていたが、実際は短い(3分程度)ものであったため、当初2グループ程の発表を グループに増加させ、できるだけ多くのグループを発表させ、コメントを入れる時間を多くとった。生徒の企画例では、外国語自動翻訳機能付携帯電話、乾燥してたたむ洗濯機、ソーラー電池充電及びリモコン兼用携帯電話、録画し忘れた番組を録画できるテレビ、家に忘れた宿題を学校から見ることができるもの、3Dカードなどが挙がり、音声認識や形状記憶の技術、携帯電話をリモコンとして利用する機能(赤外線)は既に実用化されているが家の外からの制御などはインターネット利用などが考えられる等講師がコメントしながら進めた。生徒たちも自分たちが企画したもののため、興味をもって聞いており、教室の雰囲気が盛り上がった。反面発表の時間が長くなり、次の技術やサービスの時間が若干押してしまった。

(2)
・データ(映像)圧縮と記録媒体
非圧縮とMpeg圧縮した場合のデータ容量の差などを示し、映像をネット配信する場合圧縮技術が役にたっていることを示す。単にバイト数を提示してもイメージがわきにくいため、生徒に身近なデータ(携帯の写真など)がそのくらいはいるかなどを示しながら進めた。
・標準化団体
パソコンだけではなく様々な家電がネットワークにつながってくると、「標準化」が必要になってくる事を、Echonetの例などを挙げて紹介した。
・セキュリティ
ネットの悪用例の紹介(スキミングなど)と、暗号化・認証の説明、暗号化認証がないとどうなるかをインターネットカメラの例などを挙げて説明した。
またSPAMメールのところでは、実際のSPAMの例を文面で紹介、このような場合の対処の仕方(返信しない)などを留意点を挙げながら進めた。
・情報サービス
授業全体を振り返り、家電がネットにつながる事、また物理的につながる事のみでなく、そこに情報サービスが介在することで、より便利になったり、楽しむ暮らしのスタイルが生じていることを認識させる。
今一度「家電の歴史」年表を提示し、この先どうなるかの考慮への意識付けを行った。
本セクションは座学になり、また終盤に近づいているため集中力が持続しない事が予測されたため、通常東大和高校にて用いている、小テスト式のワークシートに書き込みメモをとりながら進める方法をとりながら進めた。メモをとることでモチベーションをあげることが日常的に定着しているため、効果があり、集中力を持続させることができた。
前項の発表に時間を多くとったため、時間が押し、ペースは非常に走り気味になった。

(1)グループワーク発表

-授業映像-


(2)情報家電を支える技術、情報サービス

-授業映像-





授業の成果
生徒アンケートでは、97%が理解し、90%がテーマに関して興味を持ったと回答し、教員アンケートも概ね目標を達成したとの成果が得られた。生徒たちには、普段と違う講師や実機を使う授業内容に新鮮な驚きを持って楽しく学べたとの回答が非常に多く、産業界講師により実社会の現状を交えながらの授業は今後の社会参画に目を向ける入り口の機会作りとして成果があったと考えられる。
授業実施環境 PC教室(LAN環境)、
フロントプロジェクタ1台、
資料提示装置(携帯電話画面送出、紙ワークシート送出用)、
インターネットカメラBL-C30、2台、NTTdocomoFOMAP900iV1台、NTTdocomoMOVAP251iS1台
使用機材
教材1 講師提示用教材
教材仕様 Microsoft(R) Office PowerPoint(R)ファイルドキュメント (39枚)
内容 「暮らしを変えた家電の今昔」「情報家電ってこんなイメージ(静止画版)」「実際に操作してみよう(インターネットカメラのイメージ図)」「情報家電を支える技術」「情報サービス」が記載された教材。主として講師用PCよりプロジェクタまたは生徒用PCに送出して使用する。
教材2 グループワーク用ワークシート
教材仕様 紙資料(1枚)
内容 グループワークで生徒が記入して使用する。企画案の概要、企画案で何が便利になるのか、企画案のイメージを記入できるようになっている。企画案のイメージの部分は「家の中」「家の外」でどうつながるかを発想しやすいよう、家の形のマークがついている。紙にプリントして各グループに配布する。
教材3 小テスト式ワークシート
教材仕様 紙(1枚)
内容 情報家電を支える技術、情報サービスの座学部分で生徒の集中力が散漫にならないよう、簡単な小テスト形式でメモをとらせるもの。
教材4 企業広報ビデオ
教材仕様 ビデオ(5分)
内容 松下電器産業(株)有明パナソニックセンターで使用していた、未来の家族の一日と家電の関わりを紹介したイメージビデオ(非公開)
授業協力メンバー
授業実施担当者 松下電器産業株式会社
川合
授業実施担当者 パナソニックSSマーケティング株式会社
宇山
授業の感想 授業実施者
初回の授業なので、生徒との距離感を掴むのに若干不安があったが、生徒たちが明るく接してくれたのでスムーズに授業を進める事ができた。

担任の先生
産業協力授業という、生徒たちにとって普段接点のない企業の専門家からお話を伺えたことは大きな刺激になったと思います。情報家電を日ごろから考えるよい機会となったと思います。

生徒
授業で受けるような勉強の他にも社会のこと等先生が教えてくれる以外のことも学べた。
専門的な人からの知識を聞くのはとてもわかりやすいし普段聞くことができない事を聞けるので良かった。あまり興味のないことも話を聞いて興味がわいてよかった。
今の社会のすごいトコロがよく判った。おもしろかった!電機というものはスゴイと思って勉強になりました。

授業情報提供者
初回だったのでペース配分、デモ環境など戸惑うところがありましたが、東大和高校の先生方、生徒たちに支援して頂き無事遂行できました。

オブザーバ
10分スパンでテーマを更新するような授業構成が飽きさせず、興味を持続させられるようになっておりよい点だと感じた。