産業情報協力授業 教科「情報」サイト

実践事例

情報家電でつながる暮らし
テーマ名
情報家電でつながる暮らし
実施学校情報
学校名 学校法人武蔵野高等学校
学年 高校1年生
生徒数 25名
実施日 2004年10月26日(火)
合計授業時間 100分
教科・単元 教科:情報A
単元:情報機器の発達と生活の変化
授業概要 1時限目「「暮らしを変えた家電の今昔」「情報家電ってこんなイメージ」「実際に操作してみよう」「グループワーク」家電の歴史未来のイメージ、実際操作などを通じて情報家電についてのイメージを掴む。

2時限目「グループワーク」グループワークにて、あったら良いと思える情報家電を企画する、
「情報家電を支える技術」「情報サービス」グループワークで企画した内容を実現するに必要となる技術、また情報家電の活用には「情報サービス」が介在してがいる事について理解する。
授業のねらい ・情報家電についてのイメージを掴み、その利用が生活スタイルの変化に影響を与える可能性を理解する。

・代表的な情報家電の例を実機等で紹介しながら理解させる。

・情報家電の利用法などを自ら考えることにより、情報家電を支える技術を理解する。またセキュリティや個人情報保護の重要さを理解し、適切に使いこなす能力が必要であることおよび将来にわたって情報技術の活用能力を高めて行くことが必要であることを理解する。

・情報家電の利用には、ハードウエア単体の機能以外に、「つながる」ことから派生する「情報サービス」が存在することを理解する。また情報サービスが生活の質を向上させたり、社会の安全を支えたりすることに気づき、情報サービス産業への興味を喚起する。


授業内容(1時限目)
実施単位 1時限目
テーマ 「暮らしを変えた家電の今昔」「情報家電ってこんなイメージ」「実際に操作してみよう」「グループワーク」家電の歴史未来のイメージ、実際操作などを通じて情報家電についてのイメージを掴む
実施場所 学校法人武蔵野高等学校 PC教室
実施時間 50分
講師 松下電器産業(株) 川合
使用教材 (1)Microsoft(R) Office PowerPoint(R)ファイルドキュメント
(2)松下電器産業(株)広報ビデオ
(3)NTTdocomoFOMA P900iV
(4)NTTdocomoMOVA P251iS(i-mode対応)
(5)インターネットカメラ PanasonicBL-C30

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
(1)「暮らしを変えた家電の今昔」戦後の家電の歴史を振り返り、時代毎に家電が社会とどう関わってきたかを学習した。
教材:Microsoft(R) Office PowerPoint(R)ファイルドキュメント
(2)「情報家電ってこんなイメージ」松下電器産業(株)の広報ビデオにより、近未来の家庭での家電の使われ方をイメージさせた。
教材:松下電器産業(株)広報ビデオ
(3)「実際に操作してみよう」
・東京有明パナソニックセンターに設置されたネット家電のクーラーを携帯電話で操作する実演デモを実施した。またその模様をFOMAカメラにて中継した。
・インターネットカメラを教室内に設置し、PC教室の生徒PCより操作を行った。
教材:NTTdocomoFOMAP900iV1台、
NTTdocomoMOVA P251iS(i-mode対応)1台
インターネットカメラPanasonicBL-C30 2台
(4)「グループワーク」
次の時間に行うグループワークに関し、作業指示を行った。

■内容
(1)1960年代三種の神器(テレビ、洗濯機、冷蔵庫)、1970年代3C(ColorTV、Car、Cooler)1980〜90年代
個の時代、2000年以降情報家電の紹介。各家電について知っているかなど当てさせながら進行した。
(2) 未来の家庭のイメージビデオを流しながら、適宜説明の必要な部分はビデオを停止、またはコメントをはさみながら進めた。
(3) クーラーの制御の模様は、東大和高校の事例を踏まえ、プロジェクタ投影をFOMAに絞ったことで、クーラーの動きの様子が鮮明に判った。
一方ネットカメラの操作は、10月19日事前動作チェック時に先生機のみで確認していたため、当日生徒機ではインターネットカメラのプラグインが禁止されている事が判明、上手く動作しなかった。生徒卓のセンターモニタにて先生機の模様を出力できたため、教室カメラはセンターモニタに切り替えて説明し、生徒機はWebカメラの参考サイトで操作した。

(4) この時限では、グループワークの進め方を具体的に指示(どのような作業をしたらよいか)し、次の2時限目につなげた。


(1)暮らしを変えた家電の今昔

-授業映像-

(2)情報家電てこんなイメージ

-授業映像-

(3)実際に操作してみよう

-授業映像-

(4)グループワーク
-授業映像-

■改善点
クーラー制御の模様をFOMAのAV端子接続に絞り、シンプルな説明画面にした。



授業内容(2時限目)
実施単位 2時限目
テーマ 「グループワーク」グループワークにて、あったら良いと思える情報家電を企画する。 「情報家電を指させる技術」「情報サービス」グループワークで企画した内容を実現するに必要となる技術、また情報家電の活用には「情報サービス」が介在してがいる事について理解する。
実施場所 学校法人武蔵野高等学校 PC教室
実施時間 50分
講師 松下電器産業(株) 川合
使用教材 ((1)Microsoft(R) Office PowerPoint(R)ファイルドキュメント
(2)Microsoft(R) Office PowerPoint(R)ファイルドキュメント(グループワーク用)
(3)小テスト式ワークシート(紙)
授業の進行・内容 授業の様子
■進行
(1)「グループワーク」グループに分かれ、それぞれあったら良いなと思われる家電とそのサービスについて企画させ、発表させる。 (35分)
教材:)Microsoft(R) Office PowerPoint(R)ファイルドキュメント(生徒作成)
(2)「情報家電を支える技術」「情報サービス」情報家電を支える代表的な技術を紹介する。また単にネットに接続されるだけでなく「情報サービス」が介在することを気づかせる。(15分)
教材:Microsoft(R) Office PowerPoint(R)ファイルドキュメント、小テスト式ワークシート(紙)

■内容
(1)武蔵野高校の場合、学校側の授業として本授業の前(午前中)の時間を1コマ使い、本グループワークのための個人ベースでの案考案およびたたき台資料をパワーポイントで作成していたためグループワークは非常にスムーズに進んだ。本時限ではそれをグループで1案にし、資料を肉付けする作業を行った。極力多くのグループが発表できるよう留意した。生徒の企画案は、携帯で冷蔵庫の中身を確認し、不足の材料を発注でき、遠隔で炊飯できるシステム、冷蔵庫の中身を確認しレシピを見てレンジで調理できるシステム、浴槽で見ることができるビデオデッキ、インターネットTVショッピング、遠隔掃除機、洗濯機等があり、講師からは冷蔵庫のRFタグの実験やインターネットテレビの紹介等「ユビキタス」という概念の説明等を交えてコメントした。資料がMicrosoft(R) Office PowerPoint(R)で発表分量があり、充実した発表となった。反面やはり次のセクション(技術とサービス)の時間が押してしまう傾向があった。
(2)
・標準化団体
パソコンだけではなく様々な家電がネットワークにつながってくると、「標準化」が必要になってくる事を、Echonetの例などを挙げて紹介した。
・IPv6
前項グループワークで出た意見(個別の家電を制御する)には「アドレス」が必要なことおよび郵便番号の例を用いて、桁数が多いと多くの番地を識別できることなどを説明しながら進めた。
・セキュリティ
ネットの悪用例の紹介(スキミングなど)と、暗号化・認証の説明、暗号化認証がないとどうなるかをインターネットカメラの例などを挙げて説明した。
またSPAMメールのところでは、実際のSPAMの例を文面で紹介、このような場合の対処の仕方(返信しない)などを留意点を挙げながら進めた。
・情報サービス
授業全体を振り返り、家電がネットにつながる事、また物理的につながる事のみでなく、そこに情報サービスが介在することで、より便利になったり、楽しむ暮らしのスタイルが生じていることを認識させる。

東大和高校の小テスト形式のメモが比較的成功したのを踏まえ、武蔵野高校でも同様に実施したが、武蔵野高校においては、普段の授業で小テストメモの習慣は無く、小テスト形式にしたことで、その部分の「文言」を書き取ろうとする事に集中してしまったきらいがあった。また、前項発表時間を充実させたため、本セクションはペースが速めになった。

(1)グループワーク発表

-授業映像-


(2)情報家電を支える技術、情報サービス

-授業映像-



■改善点
グループワークの発表とコメントが産業講師授業には重要と判断し、座学の「情報家電を支える技術」時間を圧縮した時間配分にした。



授業の成果
生徒アンケートでは、84%が理解、84%がテーマに関して興味を持ったと回答し、教員アンケートも概ね目標を達成したとの成果が得られた。生徒たちには、普段と違う講師や実機を使う授業内容に新鮮な驚きを持って楽しく学べたとの回答が非常に多く、産業界講師により実社会の現状を交えながらの授業は今後の社会参画に目を向ける入り口の機会作りとして成果があったと考えられる。
授業実施環境 PC教室(LAN環境)、
リアプロジェクタ2台、
インターネットカメラBL-C30、 2台、
NTTdocomoFOMAP900iV1台をビデオ出力し、リアプロジェクタに投影、NTTdocomoMOVAP251iS1台
使用機材
教材1 講師提示用教材
教材仕様 Microsoft(R) Office PowerPoint(R)ファイルドキュメント (10枚)
内容 「暮らしを変えた家電の今昔」「情報家電ってこんなイメージ(静止画版)」「実際に操作してみよう(インターネットカメラのイメージ図)」「情報家電を支える技術」「情報サービス」が記載された教材。主として講師用PCよりプロジェクタまたは生徒用PCに送出して使用する。
教材2 グループワーク用ワークシート
教材仕様 Microsoft(R) Office PowerPoint(R)ファイルドキュメント
内容 グループワークで生徒が作成したもの。対象とした家電、企画案の概要、企画案で何が便利になるのか、企画案のイメージを記入しフリーフォーマットで作成した。
教材3 小テスト式ワークシート
教材仕様
内容 情報家電を支える技術、情報サービスの座学部分で生徒の集中力が散漫にならないよう、簡単な小テスト形式でメモをとらせるもの。
教材4 企業広報ビデオ
教材仕様 ビデオ(5分)
内容 松下電器産業(株)有明パナソニックセンターで使用していた、未来の家族の一日と家電の関わりを紹介したイメージビデオ(非公開)
授業協力メンバー
授業実施担当者1 松下電器産業株式会社
川合
授業実施担当者2 パナソニックSSマーケティング株式会社
宇山
資料写真撮影  
資料ビデオ撮影  
授業の感想 授業実施者
家電というものは高校生の生活にも身近にあり、高校生の生活を考えながらわかりやすく伝える事を心がけた。

担任の先生
いくつかの実績を積み重ね、雛形をつくり、それを学校の特性等に合わせて改良し、事前準備を重ねる必要がある。最初は大変だが、今回のように組織的に取り組めば良いと思います。

生徒
未来の事には興味があるので集中して授業が受けられました。とても楽しかったです。
いろいろな画像での説明ですごく楽しく学べてすごせたと思います。
全てが難しい話ではなく、笑いも入りながらやっていたのですごく楽しく、これからの情報について考えようとすごく思いました。

授業情報提供者
実社会では、知識のみでなくそれを現場にどう当てはめて考えるかなどのスキルも重要になるためグループワークなどを取り入れて構成しました。今の高校生はプレゼン能力も高いと思います。

オブザーバ
動く実機(エアコン)を使ったのは良かった。歴史の部分でも古い機種などで実機があれば尚良かった。