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授業計画

情報家電でつながる暮らし
1 全体計画

単元
情報A(4) 「情報機器の発達と生活の変化」のうち、イ「情報化の進展が生活に及ぼす影響」ウ「情報社会への参加と情報技術の活用」
情報B(4) 情報社会を支える情報技術
情報C(4) 情報化の進展と社会への影響
目標
情報家電についてのイメージを掴み、その利用が生活スタイルの変化に影響を与える可能性を理解する。
代表的な情報家電の例を実機等で紹介しながら理解させる。
情報家電の利用法などを自ら考えることにより、情報家電を支える技術を理解する。またセキュリティや個人情報保護の重要さを理解し、適切に使いこなす能力が必要であることおよび将来にわたって情報技術の活用能力を高めて行くことが必要であることを理解する。
情報家電の利用には、ハードウエア単体の機能以外に、「つながる」ことから派生する「情報サービス」が存在することを理解する。また情報サービスが生活の質を向上させたり、社会の安全を支えたりすることに気づき、情報サービス産業への興味を喚起する。
計画 1時限目
(1) 情報家電についての全体イメージを掴む。
家電の歴史と社会生活の変化、情報家電のある未来の暮らしのイメージ等実機を使ったサービス事例紹介
(2) あったら便利と思われる情報家電を生徒が企画する。
自ら企画することで、サービスメリットや必要技術、運用留意点などに気づく。

2時限目
(3) 発表
(2)で考えた事例の発表
(4) 情報家電を支える技術
特にIPv6、セキュリティ技術等また企画標準化の動向などについて紹介
情報家電のメリットのみでなく、セキュリティなど利用についての課題点など
(5) 情報サービス
情報により家電がつながることにより、「情報サービス」という付加価値が生まれる事(旧来の家電と違うところ)のイメージの紹介。将来の情報家電のある暮らしの全体像(システムイメージ)などの紹介


2 個別計画

事前
目標 授業実施にあたり、予め授業の概要と、下記1時限目のクループワークのための、案を1〜2考えておくよう生徒に依頼
留意点 あったら良いと思われる情報家電について予め1〜2案考えておくよう生徒に依頼(担当教諭にお願い事項)
例などを記述した簡単なレジュメを用意。

1時限
目標 情報家電についての全体イメージを掴む。
情報家電を生徒が自ら企画することで、サービスメリットや必要技術、運用留意点などに気づく。

時間 内容 学習手段(教材)
留意点
2分
講師
講師自己紹介
 
5分
講師
【1.暮らしを変えた家電の今むかし】
50〜60年代
軽工業から大量生産時代へ(3種の神器)
60〜70年代
「豊かさ」を求める
(3C⇒ColorTV、Cooler、Car)
80〜90年代
「個」の時代へ
2000〜
「情報化」の時代へ
等各時代の家電の変遷(代表的な家電)と時代背景(暮らしの変化)を年表、年代別家電図版などで紹介。2000年以降は「家電情報化」時代に入っていることを紹介。
Microsoft(R) Office PowerPoint(R)
(年表、代表的な家電)
5分
講師
【2.情報家電ってこんなイメージ】
近未来の家庭における情報家電の使われ方のイメージをビデオ教材で提示。情報家電の全体のイメージを掴む。
※広報ビデオ
25分
講師
【3.実機デモンストレーション】
携帯電話による家電遠隔制御
遠隔展示場にあるクーラーを制御するデモ。およびその模様を動画対応携帯電話で中継。
生徒
講師から動画対応携帯電話を受け、回覧しながら制御操作する。
講師
インターネットカメラの操作
教室内LAN上に家庭用のインターネットカメラを設置し、パソコンから実際に操作を行ない、ネットカメラのイメージを掴む。
生徒
教室のPCから各自インターネットカメラを操作
講師
デモ環境のシステムイメージ
今回デモがどのようなしくみになっているかの説明
利用例
保育園園児見守りサービス、自宅ペットの見守り、遠隔地からクーラーをつける・風呂を沸かす、テレビから美味しい店を探す、チケットを予約するなど


松下電器展示場のクーラーを携帯電話で講師が接続、携帯を生徒に回覧。またその模様を動画対応携帯電話で閲覧、クーラーの動作は吹流し等を使用するなどして確認できるよう工夫し、ビデオプロジェクタに出力。

PC教室内にインターネットカメラデモ機2台設置、各PCから操作


Microsoft(R) Office PowerPoint(R)
(デモシステムの概念図、利用例(見守りサービスなどを(4)で使用するワークシート上に表記して提示。))
8分
講師
【4.グループワーク】
こんな情報家電があったら
グループに分かれ、ワークシートを使いながらあったら良いと思われる情報家電を1つアイデア出しさせる。ワークシートには考えるヒントとして「家」「家の外」に区分けしておき、「自分」「家族」「第3者」などを配置し結びつけながら考えさせる。またそれを実現させるためにどんな技術が必要と思うか、利用におけるメリットとデメリットなども合わせて考えさせる。
生徒
ワークシートに沿って、グループ毎に情報家電のアイデアを企画する。
ワークシート(紙媒体※)
家−家の外、自分、家族、第三者などを配置し結びながら考えるもの。

(※学校環境により、ワークシートはデジタル形式でPCを使い関係線などを引くなどしながら考察するのも可)

2時限
目標 情報家電を支える技術を理解する。またセキュリティや個人情報保護の重要さを理解し、適切に使いこなす能力が必要であることおよび将来にわたって情報技術の活用能力を高めて行くことが必要であることを理解する。
情報家電の利用には、ハードウエア単体の機能以外に、「つながる」ことから派生する「情報サービス」が存在することを理解する。また情報サービスが生活の質を向上させたり、社会の安全を支えたりすることに気づき、情報サービス産業への興味を喚起する。

時間 内容 学習手段(教材)
留意点
3分
講師
【4.グループワーク】
こんな情報家電があったら。 (続き)
全グループ完成までの調整時間
生徒
ワークシート作業
ワークシート
9〜
14分
講師
発表
各グループから、考えた内容を発表させる。(発表クループ数は時間により適宜調整)適宜質疑応答、企画と類似した事例の紹介など。他グループの内容の紹介。
生徒
発表(概要、利用イメージ、必要な技術、メリット、課題など)
ワークシート必要に応じ黒板筆記
Microsoft(R) Office PowerPoint(R)
全体サービス概念図(家内情報化および家−家外とのネットワークイメージ図など)
5分
講師
【5.情報家電を支える技術】
情報家電を支える技術として、ネットワーク、映像圧縮、記録媒体、セキュリティなどのカテゴリから特筆される技術を紹介。
 
5分
(5-1 又は
5-2
いづれか選択)
講師
【5-1.データ(映像)圧縮と記録媒体】
非圧縮とMpeg圧縮した場合のデータ容量の差などを示し、映像をネット配信する場合圧縮技術が役にたっていることを示す。
記録媒体:SDメモリ、CD、DVD、Blu-Rayなどの紹介(容量、どんなところに使われているかなど)
※伝送路や記録媒体など全体的に大容量化傾向だが、利用者には様々な環境(ナロー環境)の利用者もいることなど留意点もコメント。
生徒
適宜指名質問(DVDはフロッピーの何倍だと思うかなど)
講師
【5-2.IPv6】
現在のインターネットの状態:アドレス枯渇→IPv6に移行しようとしている事を説明。
IPv6の特徴:アドレス数が多い。(家電などにも個々に付与できる。)直接つながる。セキュリティ強化など。
※IPv4とIPv6の併用はどうやって?→情報B対応校)
専用のルータによりアドレス変換およびパケットのカプセル化処理を行っている。
生徒
適宜指名質問(アドレスって判りますかなど)
Microsoft(R) Office PowerPoint(R)
各媒体が他の何枚分など容量の差がイメージできるような図示。実物ディスクも用意。



Microsoft(R) Office PowerPoint(R)
パソコンだけでなく、いろいろなものがネットにつながってくると?
IPv4とIPv6のアドレス数をバケツの水のイラスト等で例えこのくらい違うなどのイメージ。
5分
講師
【5-3.標準化団体】
パソコンだけではなく様々な家電がネットワークにつながってくると、「標準化」が必要になってくる事の説明。
グループワーク最後で提示した全体概念図(様々な家電、様々な伝送路(電灯線、無線など)がつながることを提示

主な標準化団体の紹介
ECHONETコンソシアム:宅内電灯線や無線などを利用した宅内家電制御通信の標準化を推進。
Microsoft(R) Office PowerPoint(R)
・全体概念図


・ECHONETTMの紹介
ユーザから見て異なるインフラを意識せずつなげるコンバータ的(GW)役割を果す。
10分
講師
【5-4.セキュリティ】
悪用例:スキミング(クレジットカードNoやパスワードなどを盗み取る)など。
認証(正しいユーザかを判別する)
暗号化(伝送の途中で読み取られないようにする)
→ホームネットワークの例で紹介。
(家の中が盗聴される、勝手に機器を作動させられるなどのイメージ。
またそれを防ぐための技術(ネットワーク識別、暗号化などを商品に導入している事の紹介。))
気をつけよう(やってはいけないこと、やったほうがいいこと)
インターネット記事例
(スキミング、架空請求などの例)
Microsoft(R) Office PowerPoint(R)
・なりすまし
・ネット盗聴
・ホームステーション(含ネットワークカメラ)の例
※ワークシートに髑髏マークを付け加えるなどして説明。
5分
講師
【6.情報サービス】
家電+情報=サービス
作成したワークシートを今一度見て、つながっている線により、より便利になったり、新しいサービスが生じていることを認識させる。
上記観点による昔の家電との比較(年表を今一度見る)
上記によって売り上げを伸ばしたり、ビジネスを起業することもできる。(見守りサービス、音楽映像配信、キャッシュレス物販等々)家電メーカ&情報サービス企業の協業などが生まれており、家電をベースにして全く異業種企業がビジネスを起こすこともできる。

 今後生徒の皆さんは情報サービスビジネスに関わる人、また自らビジネスを起業して社長になるという人も出るかもしれない。
世の中の変化やニーズをつかんで商品企画やビジネス企画、また社会貢献(福祉)などに役立てることが出来る。若い感性でアンテナを貼り、是非次の社会を牽引して欲しい事を示唆。
Microsoft(R) Office PowerPoint(R)
ワークシート

昔の家電(個機能)
情報家電
 家電←サービス→家電
近未来の情報家電活用全体イメージ図
3分
講師
【7.質疑応答】