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実践事例

情報家電でつながる暮らし
テーマ名
情報家電でつながる暮らし
実施学校情報
学校名 東京都立駒場高等学校
学年 高校1年生
生徒数 40名
実施日 2004年11月9日(火)
合計授業時間 90分
教科・単元 教科:情報C
単元:情報社会を支える情報技術
授業概要 1時限目「「暮らしを変えた家電の今昔」「情報家電ってこんなイメージ」「実際に操作してみよう」「グループワーク」家電の歴史未来のイメージ、実際操作などを通じて情報家電についてのイメージを掴む。

2時限目「グループワーク」グループワークにて、あったら良いと思える情報家電を企画する、
「情報家電を支える技術」「情報サービス」グループワークで企画した内容を実現するに必要となる技術、また情報家電の活用には「情報サービス」が介在してがいる事について理解する。
授業のねらい ・情報家電についてのイメージを掴み、その利用が生活スタイルの変化に影響を与える可能性を理解する。

・代表的な情報家電の例を実機等で紹介しながら理解させる。

・情報家電の利用法などを自ら考えることにより、情報家電を支える技術を理解する。またセキュリティや個人情報保護の重要さを理解し、適切に使いこなす能力が必要であることおよび将来にわたって情報技術の活用能力を高めて行くことが必要であることを理解する。

・情報家電の利用には、ハードウエア単体の機能以外に、「つながる」ことから派生する「情報サービス」が存在することを理解する。また情報サービスが生活の質を向上させたり、社会の安全を支えたりすることに気づき、情報サービス産業への興味を喚起する。


授業内容(1時限目)
実施単位 1時限目
テーマ 「暮らしを変えた家電の今昔」「情報家電ってこんなイメージ」「実際に操作してみよう」「グループワーク」家電の歴史未来のイメージ、実際操作などを通じて情報家電についてのイメージを掴む
実施場所 都立駒場高等学校 PC教室
実施時間 45分
講師 松下電器産業(株) 川合
使用教材 (1)Microsoft(R) Office PowerPoint(R)ファイルドキュメント
(2)松下電器産業(株)広報ビデオ
(3)NTTdocomoFOMA P900iV 2台
(4)インターネットカメラ PanasonicBL-C30 2台

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
(1)「暮らしを変えた家電の今昔」戦後の家電の歴史を振り返り、時代毎に家電が社会とどう関わってきたかを学習した。
教材:Microsoft(R) Office PowerPoint(R)ファイルドキュメント
(2)「情報家電ってこんなイメージ」松下電器産業(株)の広報ビデオにより、近未来の家庭での家電の使われ方をイメージさせた。
教材:松下電器産業(株)広報ビデオ
(3)「実際に操作してみよう」
・大阪門真市の松下電器技術館と、FOMA携帯電話同士で接続し、センターの様子を中継した。また同センターに設置された、携帯電話で制御可能なクーラーを、教室の携帯電話より制御を行った。
・インターネットカメラを教室内に設置し、PC教室の生徒PCより操作を行った。
教材:NTTdocomoFOMAP900iV2台、
インターネットカメラPanasonicBL-C30 2台
(4)「グループワーク」
次の時間に行うグループワークに関し、作業指示を行った。

■内容
(1)1960年代三種の神器(テレビ、洗濯機、冷蔵庫)、1970年代3C(ColorTV、Car、Cooler)1980〜90年代
個の時代、2000年以降情報家電の紹介。各家電について知っているかなど当てさせながら進行した。
(2) 未来の家庭のイメージビデオを流しながら、適宜説明の必要な部分はビデオを停止、またはコメントをはさみながら進めた。
(3) クーラーの制御の模様は、学校のPC教室の資産を利用し、教員用PCにビデオウィンドウを2つ切り、中継映像と制御画面を並べて見ることが出来、非常にわかりやすい提示をすることが出来た。また大阪との事前リハーサルにて、クーラーの風量を最大、吹流しを大きめのものにしておいた事でクーラーの動作も判りやすいものになった。
ネットカメラの操作は、武蔵野高校の事例を踏まえ、生徒機でも確認行い、正常動作した。但し、生徒数が多いため、同時アクセス数が多く、カメラの動作はあまりスムーズではない部分があった。
(4) この時限では、グループワークの進め方を具体的に指示(どのような作業をしたらよいか)し、次の2時限目につなげた。
(1)暮らしを変えた家電の今昔

-授業映像-

(2)情報家電てこんなイメージ

-授業映像-

(3)実際に操作してみよう

-授業映像-

(4)グループワーク
-授業映像-

■改善点
クーラー制御の模様を2画面ウィンドウにしたため、非常にわかりやすい提示となった。



授業内容(2時限目)
実施単位 2時限目
テーマ 「グループワーク」グループワークにて、あったら良いと思える情報家電を企画する。
「情報家電を指させる技術」「情報サービス」グループワークで企画した内容を実現するに必要となる技術、また情報家電の活用には「情報サービス」が介在してがいる事について理解する。
実施場所 東京都立駒場高等学校 PC教室
実施時間 45分
講師 松下電器産業(株) 川合
使用教材 (1)Microsoft(R) Office PowerPoint(R)ファイルドキュメント
(2)グループワーク用ワークシート(紙)
(3)小テスト式ワークシート(紙)
授業の進行・内容 授業の様子
■進行
(1)「グループワーク」グループに分かれ、それぞれあったら良いなと思われる家電とそのサービスについて企画させ、発表させる。(25分)
教材:) グループワーク用ワークシート(紙)
(2)「情報家電を支える技術」「情報サービス」情報家電を支える代表的な技術を紹介する。また単にネットに接続されるだけでなく「情報サービス」が介在することを気づかせる。(20分)
教材:Microsoft(R) Office PowerPoint(R)ファイルドキュメント
小テスト式ワークシート(紙)

■内容
(1) 極力多くのグループが発表できるよう留意し5グループが発表した。生徒の企画案は、無くしやすい物位置検出シール、無人運転車配車システム、冷蔵庫の中身の遠隔確認、遠隔掃除機、冷蔵庫内賞味期限確認、音声操作パソコン、遠隔施錠システム、最新映画オンライン配信など。講師からRFタグ、ITSシステム、冷蔵庫内確認実験などの紹介とコメントを行った。

(2)
・標準化団体
パソコンだけではなく様々な家電がネットワークにつながってくると、「標準化」が必要になってくる事を、Echonetの例などを挙げて紹介した。
・IPv6
前項グループワークで出た意見(個別の家電を制御する)には「アドレス」が必要なことおよび郵便番号の例を用いて、桁数が多いと多くの番地を識別できることなどを説明しながら進めた。
・セキュリティ
ネットの悪用例の紹介(スキミングなど)また直近のセキュリティ侵害事例(DVDパスワードかけ忘れによる踏み台事件)の事例説明などを行った。
・情報サービス
授業全体を振り返り、家電がネットにつながる事、また物理的につながる事のみでなく、そこに情報サービスが介在することで、より便利になったり、楽しむ暮らしのスタイルが生じていることを認識させる。
本時限は東大和高校、武蔵野高校より時間をとれた。ただ、授業実施日(2004年11月9日)は気温が異常に上昇し、本時間帯は教室内温度が真夏日のようになり、生徒・講師とも集中力を維持するのに努力を要する場面もあった。

(1)グループワーク発表

-授業映像-


(2)情報家電を支える技術、情報サービス

-授業映像-



■改善点
授業時間の配分の感覚が、前2校の実施でつかめてきたため、45分授業時間の中でグループ発表に重点を置きながら座学時間も比較的とれるよう配分した。



授業の成果
生徒アンケートでは、95%が理解、85%がテーマに関して興味を持ったと回答し、教員アンケートも概ね目標を達成したとの成果が得られた。生徒たちには、普段と違う講師や実機を使う授業内容に新鮮な驚きを持って楽しく学べたとの回答が非常に多く、産業界講師により実社会の現状を交えながらの授業は今後の社会参画に目を向ける入り口の機会作りとして成果があったと考えられる。
授業実施環境 PC教室(LAN環境)、
フロントプロジェクタ1台、
資料提示装置(携帯電話画面送出、紙ワークシート送出用)、
インターネットカメラBL-C30、2台、
NTTdocomoFOMAP900iV1台をビデオ端子に接続して教員用PCに投影、
NTTdocomoMOVAP251iS1台をミニカメラで撮影し、教員用PCに出力。
使用機材
教材1 講師提示用教材
教材仕様 Microsoft(R) Office PowerPoint(R)ファイルドキュメント (39枚)
内容 「暮らしを変えた家電の今昔」「情報家電ってこんなイメージ(静止画版)」「実際に操作してみよう(インターネットカメラのイメージ図)」「情報家電を支える技術」「情報サービス」が記載された教材。主として講師用PCよりプロジェクタまたは生徒用PCに送出して使用する。
教材2 グループワーク用ワークシート
教材仕様 紙資料(1枚)
内容 グループワークで生徒が記入して使用する。企画案の概要、企画案で何が便利になるのか、企画案のイメージを記入できるようになっている。企画案のイメージの部分は「家の中」「家の外」でどうつながるかを発想しやすいよう、家の形のマークがついている。紙にプリントして各グループに配布する。
教材3 小テスト式ワークシート
教材仕様 紙(1枚)
内容 情報家電を支える技術、情報サービスの座学部分で生徒の集中力が散漫にならないよう、簡単な小テスト形式でメモをとらせるもの。
教材4 企業広報ビデオ
教材仕様 ビデオ(5分)
内容 松下電器産業(株)有明パナソニックセンターで使用していた、未来の家族の一日と家電の関わりを紹介したイメージビデオ(非公開)
授業協力メンバー
授業実施担当者 松下電器産業株式会社
川合
授業実施担当者 パナソニックSSマーケティング株式会社
宇山
授業の感想 授業実施者
今回は身近にある事例で、高校生にもわかりやすく実感できるように話をした。企業人としてまた子供を持つ親としての立場からも若者に社会のノウハウを教えてゆくのは重要だと感じる。

担任の先生
こうした事業自体を知らない学校が多いので、広報活動を多面的に行う必要がある。入手できない実物の提示、学校ではできないような実習、開発現場の技術者の苦労話など教員による授業では得られないような内容を更に検討する必要がある。

生徒
新しいものを作り出そうとする仕事はすごくかっこいいと思ったし、おもしろかったです。
専門的な事を扱い、普段では出来ないような実験もできたので楽しかったです。
身近にあることについての授業だったので興味がわいた。

授業情報提供者
今回は授業開始時間もタイトで大阪展示場のスケジュールもまた混んでいたため楽屋裏は実はハラハラでしたが無事に終了できほっとしました。生徒さんのノリがよく楽しい授業になりました。

オブザーバ
グループワークが印象に残った。生徒の出したアイデアに企業講師がコメントをつける部分が良かった。生徒のやる気を出す手法だと思う。