【場所】
米国バージニア州アレキサンドリア市
【概況】
アレキサンドリア港湾財団は、1983年に設立された、アレキサンドリア市内及びポトマック川周辺の海洋関連の貴重な資産の保護を目的に活動する団体である。
今回の訪問では、ゴミや排水で汚染された湿地の回復活動(クック湖)、港湾財団の建物内で行われている「手漕ぎの小型ボートの製作」を通じた教育活動、ポトマック川の水生生物採取を通じた環境学習(ヨットに乗船しての調査)などの環境学習について、インストラクターから説明を受けるとともに、一部の活動を追体験する機会を得た。
【内容】
・クック湖
児童生徒が湿地回復活動を行う現場であるクック湖(湖というよりは日本で言うため池に近いイメージ)を見学し、インストラクターから活動の概要についての説明を受けた。
児童生徒の活動時期はは夏休みの期間のみであり、本調査を行った11月下旬は休止期間であったため、児童生徒の活動現場に直接立ち会うことはできなかった。
・ボート製作
ボートの製作に関しては、これまでに延べ3000人余りの参加者があり、40隻ほどの製作実績があるとのことであった。
ボート製作の教育効果は以下の通りである。
@グループ作業(製作)により、協調性やリーダーシップの涵養に役立つ
A製作指導員のクラフトマンシップに触れることで、モノづくりや働くことに対する関心が高まるなどプラスの効果がある
B製作過程で発生する種々の問題に遭遇し、これを解決することを通じて実体験を通じての問題解決学習が出来る
C製作に際しては幾何学など数学的な知識が必要なため、これまで数学が苦手であった児童生徒も数学に関心を持つようになる場合がある
D目標を見失いがちな子供が、明確な目標(ボート製作)を持った活動に参加できることで、生き生きとしてくる
・ポトマック川での環境学習
ヨットに実際に乗船してポトマック川での環境学習を追体験した。
指導員の監督の下で観察器具を操作して、河川水・生物指標(魚や水草)を採取し、ポトマック川の汚れや生物の生育状況の実情を把握するといった体験学習により、より身近に環境問題を認識できる効果があるとのことであった。
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