石川・富山県:つないでいくこと。そして積み上げる。

足元を見つめ、地域を感じる。

 酷暑の中、緩い山道を歩く、「まだあるかなぁ」と思いながら見上げた案内標識は「浅川町」。意外に早く目的地に着くことができたようだ。
 最初の訪問先は内閣総理大臣賞(第16回)を受賞した石川県・金沢市立東浅川小学校。

 4年連続の応募で、「わかば賞」からはじまり、「上月スポーツ・教育財団賞」、「総務大臣賞」、そして、「内閣総理大臣賞」と階段をかけ上がるように連続受賞してきた。そのプロセスの中では大きな困難にも直面している。2008年、ゲリラ豪雨で街道筋にあわせて蛇行して流れる浅野川が氾濫し、鉄砲水の被害を受けた。NHKのニュースから流れる映像はとても悲惨で、壊滅的な被害を受けた学校の様子には他人事ではなく心配になった。集落はその被害に脱力感に包まれただろう、しかし東浅川の子どもたちが、「総務大臣賞」になったことは地域を勇気づけたに違いない。

 東浅川小学校は、「りんご」が「ゆず」に代わっているが、青森のアップリアンたちとの共通点が多い。同世代で6人の少クラス。街道沿いにある学校の立地や風土。思えばアップリアンたちから始まったキャラクターは今ではいろんな学校で当たり前のように使われ、受け継がれている。この学校が取り組んだ作品たちもいつか他地域の学校に受け継がれていけばと願う。
 昨年、内閣総理大臣賞(第16回)を受賞した「Asakawa健康ロード」は、1年間を通しての学習カリキュラム(計画とプロセス)が明示され、そのいろいろな学習場面で情報機器を活用し、ホームページの中に街(集落)全体のことを表現できている。最終選考会においては「総合的に素晴らしい作品だ」と多くの審査員からも評価された。

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