第16回：文部科学大臣賞 生涯教育部門

	奇蹟の滑走路 徳島県　劇団喜らり

　史実に基づき行われたミュージカル調の演劇を発表するまでに、小学生と地域住民で作る劇団による。綿密な実態調査に基づく台本づくり等地域をあげての教育活動が素晴らしいと感心します。また、演劇としての完成度が高く、クライマックスの戦争で米軍に父親を殺された少女が人を許すことを覚えていくシーンはとても感動的でした。郷土の歴史を学び、未来へ向けて行動した美馬市の歴史を学ぶのに最適な作品づくりを高く評価します。

受賞者の声

　初めての挑戦で思いがけない大きな賞をいただきましてありがとうございます。さっそく子ども達にも伝えたところ、大きな歓声がわきあがり全身で喜びを表現しておりました。また、劇団に参加してくださった保護者、地域の方々もたいへん喜んでくださり、たくさんの方から『おめでとうございます』『よかったですね』というあたたかいお声をかけていただきました。
　ふだん私たちは、教える側と教えられる側、親と子、学校と地域という関係になりがちですが、劇を創り上げる過程ではそういった垣根を越え、同じ仲間として共に表現活動に取り組んでまいりました。そうして迎えた最後の舞台では、同じ人間同じ仲間として真に繋がり合えた瞬間を感じることができました。その時の感動は今でも忘れることができません。
　受賞を契機といたしまして、この感動をまた来年の子ども達とも分かち合えるよう、取り組みを続けていきたいと考えています。ほんとうにありがとうございました。