文部省・通商産業省
Eスクエア(e2)・プロジェクト 成果発表会 − 分科会プログラム −

発表内容、発表順は変更する場合があります。敬称略。

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 C中学校部会(共同実践事例中心)  コーディネータ 長野市教育委員会 学校教育課 中澤 康匡
番号 時間 発表テーマ 発表者
1 10:00 -
 10:20
酸性雨/窒素酸化物(NOx)調査プロジェクト 広島大学附属福山中・高等学校教諭
平賀 博之
 酸性雨/窒素酸化物(NOx)調査プロジェクトは酸性雨に加え窒素酸化物の測定を共同で行い,大気環境をより多面的に捉える環境教育の実践を目指した。
2 10:20 -
 10:40
インターネット利用による異地域,異年齢間での環境交流学習
− 特別天然記念物オオサンショウウオの保護啓発ネットワーク −
岡山大学教育学部附属中学校教諭
藤本 義博
 選択理科を履修する15名が,インターネットやテレビ電話を利用しながら,川をテーマに環境学習を行っている小学校や生息地内の小学校の児童と交流学習を行い,国の特別天然記念物オオサンショウウオの保護啓発のためのマルチメディア教材を開発する研究である。
3 10:40 -
 11:00
インターネットやTV会議システム利用による学校間交流
− 屋久島の気象観測を通して −
鹿児島県熊毛郡屋久町立岳南中学校教諭
山内 耕治
 この研究は,屋久島の三中学校が,気象現象の観測方法や定期的な観測システムの確立を目指すとともに,その過程において電子メールやインターネットなどコンピュータ操作の技術の向上,TV会議システムなどを用いて他校との交流をはかったものである。
 それぞれの地域の気象観測データを,校内・地域ネットワーク上で共有することにより,ほかの地域の気象現象について情報を入手することができた。これにより屋久島の気象現象が,地域により微妙に違うことなどが分っている。さらに,その要因を追求しようとする意欲も生まれてきた。
 また,報告会や意見発表会を行うことにより,コンピュータの利用が活発に行われた。電子メールやTV会議システムを用いた情報交換,情報収集,情報の発信などを行う力が身につき,各校間の交流をいっそう促進するのに役だった。
4 11:00 -
 11:20
 休憩
5 11:20 -
 11:40
自ら情報を求め、創新する生徒をめざして
− 光無線LANと,校内電子掲示板の活用 −
岐阜大学教育学部附属中学校教諭
吉田 竹虎
 附属中学校では,"自ら情報を求め,創新する生徒"の育成をめざし,主体的な学習ができるような学習環境を構築してきた。"創新"とは,新しい考え方を創造していくことである。創造していく力を育成していくためにコンピュータネットワークの利用を考え,実践した。
 本校は,大学と1.5メガの光ファイバーケーブルでつなぎ,校内LANを整備している。また,コンピュータ室や図書館等に,デスクトップパソコンやノートパソコンを整備し,授業等にコンピュータやインターネットを積極的に活用している。これらの利用により,"自ら調べ・自ら表現する生徒"を育成しようとしている。
 ところが,例えば,総合的な学習の時間には,全校が一斉にコンピュータ室を使うので,一人一人の生徒が十分にインターネットを活用することが困難となっている。
 そこで,授業中や休み時間でもノートパソコンを持ち込んで,いつでも自由にネットワークを利用できる環境を整備するために,多目的ホールに光無線LANを導入し,活用場所を増やした。光無線LANの導入により,本ホールでは移動式の机と椅子を使い,多様な授業形態を工夫し,主体的な学習ができるようになった。
6 11:40 -
 12:00
インターネットの教育利用を進める地域コミュニティの形成
− 山梨スクールネット研究会(YSN)活動報告 −
山梨スクールネット研究会
依田 源(甲府第一高等学校)
 インターネットの教育利用も普及期に入り,これまでとは違って,校内にインターネットの知識を持ち核となる教師がいない中でも,インターネットを取り入れた教育を実践していかなければならい状況も表れてくる。これらの学校がスムーズに利用環境を整え,利用技術を獲得できるよう,支援を地域として組織化していくことは,インターネットの教育利用を広める上で是非とも必要なことである。そのため,インターネットの教育利用に関心をもつ人々が連携しながら支援を実施していけるような組織が地域に存在して,学校からの要望に応えられるような状況を作っていきたいと考えた。本研究会は,このようなコミュニティの活動主体となることを目指して,以前より後続校支援のために,WEB教材の蓄積や利用のノウハウの蓄積,技術支援を行ってきた。今年はこれまでの活動に加え,「インターネットの利用法を知りたいと」いう声に応えて,県内実践校の授業見学会,県外での実践事例発表会を行う事にした。また,昨年度初めて実施したボランティアによる学校へのLAN構築(ネットディ)を今年度も行うことにした。
7 12:00 -
 12:20
Web上における数学科共同学習の展開III
− CSILE型データベースを用いた神戸大学附属住吉中学校との協調的な数学学習 −
千葉県袖ケ浦市立長浦中学校教諭
永井 正洋
 1998年の夏から,Web上における協調的な数学学習をテーマに実践的研究に取り組んでいる。昨年度は長浦中学校生徒と千葉大学学生との間で実験的に共同学習をおこなった。この成果を踏まえ1999年6,7月に長浦中学校生徒と新たに神戸大学発達科学部附属住吉中学校生徒との間で共同学習を展開した。
 非同期的な協調学習は近年,種々の実践がおこなわれているが,よく知られているデータベースにはカナダのオンタリオ教育研究所の提供する CSILE(Computer-Supported Intentional Learning Environment)がある。本研究ではこの協調学習支援環境を先行研究として位置付け検討を重ね取り組みを進めている。実際にはWeb上でのいわゆる「掲示板」を千葉大学内のWebサーバに設置し,それをデータベースとして協調学習をおこなった。
 その結果、生徒の数学観や学習意欲、そして学習姿勢に関して良い意味での変容が認められた。反面、図を描画したり数学的記号を入力する事に関して課題が残った。

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 D特殊教育諸学校及び中学校部会(先進的実践事例中心)  コーディネータ 大宮市立教育研究所 味澤 博昭
番号 時間 発表テーマ 発表者
1 10:00 -
 10:20
WWW,電子メールを活用した授業実践
− 情報モラル,著作権の学習を通して −
茨城県笠間市立笠間中学校教諭
菅谷 政雄
 技術・家庭科の情報基礎領域で,今まで作品作りとして取り組んできた物は,絵本や名刺作りなどであり生徒自身の創意工夫を生かす場がかなり制約されていた。自分の個性を生かし,様々な内容で興味のある物について作品作りができないかと考え,既習領域の住居の内容をテーマに,情報基礎での学習を深めてみた。
 各グループごとのホームページ作成を題材とし,インターネットを利用して様々な分野から自分の調べたい内容に取り組み,教室の中だけの授業から,教室にいながらにして他の世界を学習していくことを進めてみた。それとともに,著作権・肖像権の学習も進めてみた。
2 10:20 -
 10:40
墨田中実践「ふれあい学習」の情報化
− 校内LAN:墨田中学校ネットワークの構築 −
墨田区立墨田中学校教諭
三橋 秋彦
 総合的な学習の実践『ふれあい学習』の中から校内LAN構築とインターネット接続への動き、学校のあり方と学びのあり方について言及する。
3 10:40 -
 11:00
インターネットやTV会議システムを活用した授業
− 確かな学力を育成するために −
福島県双葉郡葛尾村立葛尾中学校教諭
田代 勝俊  志賀 博史
 本校は阿武隈高地のほぼ中央に位置する全校生徒72名のへき地小規模校である。素直で勤労精神に富む生徒が多い反面,隣接する学校が遠距離のため,他校との交流が図られにくく,小学校入学時から転出入やクラス替えもほとんどないので,学校生活の中で活発に活動する生徒と他人に依存してしまう生徒が固定化し,良い意味での競争心や自分を高めようとする向上心が育ちにくい。
 そこで,生徒一人一人が自己成長を遂げるため,学習環境の一部としてインターネット等を活用したコミュニケーションの場を多く重ねるとともに,「自己学習力」「課題認識」「自己表現力」の観点から,確かな学力を生徒一人一人に身につけさせたいと考え,その指導法の研究を推進していくことにした。
4 11:00 -
 11:20
ネットワーク利用技術向上プロジェクト
- 地域教職員の情報技術の向上をめざして −
山梨県北都留郡上野原町立巌中学校教諭
降矢 俊彦
 1997年新校舎竣工の本校は,情報教育推進モデル校として三年間継続して情報教育に取り組んできた。本報告では,広く地域の教職員に対して本校の施設・設備を開放し開催したネットワーク利用を前提とした情報機器活用研修会と情報教育授業実践を発表した公開研究会をついての報告を行う。
5 11:20 -
 11:40
 休憩
6 11:40 -
 12:00
重複障害学級におけるインターネット利用の可能性
− 入力機器等のコンピュータ環境を通して −
富山県立高志養護学校教諭
野尻 智之
 本校にもインターネットが導入され、その後校内LANやテレビ会議システムなどの整備が進み、インターネットを利用した交流活動などが行われるようになった。しかし、その対象となる生徒は障害の軽い生徒が中心であり、重度の生徒はほとんどインターネットを利用する機会がなかった。インターネットの利用を考えるとき情報検索の面や遠隔地との交流といったことが思い浮かぶが、インターネットの素材となる画像や映像を収集できるという面に着目したとき、重度重複障害を有する生徒にもインターネットが利用できるのではないかと考えた。
7 12:00 -
 12:20
インターネットを活用した特殊教育諸学校間の数学共同学習
− 聾学校,肢体不自由養護学校,病弱養護学校間交流 −
宮城県立ろう学校教諭
中村 好則
 聾学校の生徒は,聴覚に障害がありコミュニケーションに困難が伴う。そのため,数学の学習ではあまり複雑なコミュニケーションを伴わない知識伝達式の学習になりがちである。また,近年,聾学校の在籍生徒数は減少傾向にあり,固定化された少人数の学習集団となり,考え方の多様性が生まれにくく一元化しやすい傾向がある。このような学習では,どうしても学習内容や生徒の考え方に深まりがない。生徒同士あるいは生徒と教師の豊かなコミュニケーションと生徒の多様な考え方を引き出し自己評価できるように,生徒主体の学習活動を構成することが必要である(図1)。そこで,同じような問題を抱える肢体不自由養護学校と病弱養護学校とのインターネットを活用した数学共同学習を計画した。

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 E高等学校部会  コーディネータ 名古屋市立西陵商業高等学校教諭 影戸 誠
番号 時間 発表テーマ 発表者
1 10:00 -
 10:20
WebPage請け負います!
− インターネットを利用した地元商店街との連携事業 −
山口県立徳山商業高等学校教諭
八木 祥之
 商業高校では、商業の各分野に関する知識と技術を実践的活動を通して総合的に習得させ、経営活動を主体的、合理的に行う能力と態度を育てることを目的とした「総合実践」という授業がある。これは、模擬会社、模擬市場による取引実習を中心に学習するものである。しかし、学校内だけの顔見知りによる取引実習となりやすく、現実のビジネスの多様性や厳しさ、また、緊張感や達成感も得にくい状況になってきている。そこで、地域の協力のもと、実際のビジネスに近い形の実習はできないものかと考え、地元商店街のWebPage作成を請け負うベンチャー企業的な実習を実施することにした。
2 10:20 -
 10:40
データベースを基礎にした動的ホームページ開設にむけて
− 環境情報の発信 −
山梨県立韮崎工業高等学校教諭
小沢 久
 本校はくくり募集のため生徒は学科を区別せずに入学し,1年から2年への進級時に学科を選択する。そこで環境化学科への理解を深める一助として校内イントラネット上に環境にかかわるホームページを開設し,生徒に環境意識を訴えかけたいと考えている。また,本校環境化学科は山梨県の高校改革に伴って甲府地区の工業高校から学区の異なる本校へと移転してきたため地域の理解度も小さく,環境化学科がどんな学科か知ってもらう必要がある。このためには今まで行なってきた学校訪問や学校要覧の配布,中学生一日体験入学だけでは不十分でありさらに学校の内容をアピールしていく必要がある。そこで近年特に関心が高まっている環境問題について取り上げて,さまざまな内容について生徒とともに考えて作成し,環境について校外へアピールしていきたいと考えている。校内の他の学科の生徒および校外の小中学生や一般の人たちに透明性のある(外からみえる)学科となるよう,イントラネット・インターネットを有効に利用したいと考えている。
3 10:40 -
 11:00
海外修学旅行支援プログラム
− 企画立案の発端・経過から現在に至る現状報告と将来の展望 −
神戸市立摩耶兵庫高等学校教諭
浅井 徹
 今後、海外修学旅行が定着するであろうが、現在、公立高校のみならず私立高校においても海外修学旅行実施の検討さえなされていない学校も、まだ少なくない。修学旅行の現状と将来、そして、海外修学旅行を実施するに際し、どのような手続きが必要となるかを、インターネットを使った本校の経過をふまえ、その事例と展望を述べたい。
4 11:00 -
 11:20
国際交流の継続的実践
− マルチメディアコンテンツ共同制作を通じた国際交流 −
帝塚山学院泉ヶ丘中・高等学校教諭
辻 陽一
 本プロジェクトは、CECの国際プロジェクトの一つで、国内24高等学校が参加している。参加校の生徒がマルチメディア作品の制作を行うにあたって、技術面や著作権問題を含む倫理面などのスキルを高める必要がある。このため、地域を東京、名古屋、大阪周辺の3地域に分散し、各地域ごとにワークショップをそれぞれ三回程度実施した。
 作品は、かぐや姫など日本の民話、餅つきなど日本の風習、昔ながらの商店街など観光客が訪ねない庶民が利用する施設などをFLASHやパワーポイントなどを使って、マルチメディアやアニメーションに仕立てたものを中心に作成。地域ごとのホームページに掲載。
 当初、マルチメディア作品を作ったことのない学校や生徒が多く、サンプルを示す必要があった。そこで、昔話の「花咲か爺さん」を東京校の高校生がアニメ化し、この物語本文を同じく東京校の小学生が作成、これを朗読。英文化は大阪校が担当という形で共同制作を行い、平成11年12月12日、名古屋で実施された「教育とインターネット活用発表会」で発表。同発表会では、他地域の生徒たちとの交歓風景の他に、韓国から招待した生徒との交流などが活発に行われるとともに、その後も、チャットをしたり交流が続いている。
5 11:20 -
 11:40
学校図書館で、インターネットを活かす
− 図書館とインターネットを利用した調べ学習 −
滋賀県立八幡工業高等学校教諭
野口 豊
 学校図書館は,読書指導を通じて生徒の心や教養を育むばかりでなく,学習センターとして授業に役立つ教材を豊富に用意し,生徒の知的好奇心を刺激するような存在でありたいと願っている。そのために,従来の図書資料ばかりでなく,インターネットによって得られる情報も活用して,調べ学習を支援する体制を整えることにした。多様で豊富な情報に接する驚きや発見を通して,生徒たちの情報整理能力や情報活用能力を育成したい。
 本校は平成10年度から3年間,文部省の光ファイバー事業の研究指定を受け,校内にネットワーク網を設置して,全校をあげてインターネット活用に取り組んでいる。図書館にも端末をのばして,今年度からインターネットが利用できる環境になった。これから紹介する3つの授業事例は,いずれも図書館を利用して,約1万5千冊の図書資料とインターネットから得られる情報を使って行われたものであるが,最終段階では図書館にある1台のコンピュータでは到底間に合わず,情報電子科のコンピュータ室に移動して,40余台のコンピュータを使って授業を行うことになった。
6 11:40 -
 12:00
 休憩
7 12:00 -
 12:20
教育現場におけるモバイル(携帯端末)活用の実践研究 神奈川大学附属中・高等学校教諭
小林道夫
 学習活動において、教室を離れた実習、課外活動は全国の学校で実践している内容である。生物での野外観察、地学での地質調査やグループ研究などの授業内での取組みをはじめ、学園祭、体育祭、修学旅行などの学校行事も含めて様々なものがある。それらの活動を支援するツールとしてモバイル機器を活用し、現地で撮影したデジタル画像をパソコンに保存し、サーバに送ったり、遠隔地とのビデオ会議や、インターネット上でのライブ中継を行うことができる。これらの実践を行うことによって、生徒自らが主体的に活動し、より学習効果をあげることができると考える。
 今回は、学校を離れた学習活動の中で、情報機器を活用した実践がどのように展開できるかを目的に研究を行うこととした。インターネットを中心とした情報技術の発展に伴い、産業界においては、ノート型パソコンをはじめ、携帯電話にも通信機能を持つ情報端末機(モバイル)を室外に持ち出し<いつでも・どこでも・必要な情報を入手・活用・伝達できる>というコンセプトのもとに情報の送受信や処理を実現するシステムの構築が進んでいる。このシステムが教育現場でどのように活用できるか、また活用するための必要な要素は何かの研究を進めることとした。

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